NHKが、自局の番組映像を配信するインターネットサービス「NHK映像マップ みちしる」に使用している地図で、日本海を「日本海(東海)」と表記していたことが分かった。表示は8日午後に修正されたが、沖縄県・尖閣諸島の地名表記がなく、島根県・竹島に至っては島そのものが掲載されない不可解な状態となっている。
「みちしる」は、BSプレミアムで放送中の「新日本風土記」などの番組やNHKが保存している歴史的映像を無料で提供している。地図には撮影地が表示され、日本各地の動画を探すことができる仕組みだ。
この「みちしる」に疑問の声があがったのは7日午後。使用されている地図に、「日本海(東海)」の表記があり、竹島は「リアンクール岩礁」と表示されているとの指摘がネット上であがった。たちまちネット掲示板などで話題となり、「日本の公共放送なのに理解できない」という書き込みが相次いだ。
「みちしる」の地図はグーグルマップを使用している。通常見られる日本版のグーグルマップでは、日本海に「(東海)」の併記表示はなく、竹島も尖閣諸島も普通に表示されている。
日本海の呼称については、世界の海図や海、海峡の名称などを調整する国際水路機関(IHO)などで、韓国が日本海と東海を併記するよう求めている。だが、昨年4月のIHO総会では日本側の主張通り、「日本海」単独呼称のままとすることを決めた。NHKは世界的に認められていない韓国の主張に沿った表記をしていたことになる。
8日になって、一部ネットメディアなども「みちしる」について取り上げると、NHKは同日午後に地図を修正。「(東海)」を外して日本海にしたが、尖閣諸島の表記はなく、竹島は島そのものが消されている。北方領土も日本本土と違う色付けがされており、外国のように見える。
NHKはホームページ上で《あなたも『みちしる』で日本を旅しているような気分を味わってみませんか》とPRしているが、NHKの言う日本とは、どこからどこまでを指しているのだろうか。