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最終更新:2013年4月10日(水) 0時18分

フセイン政権崩壊後のイラクは良くなったのか

 イラク戦争後、経済発展する一方で戦争の激しかった地域では小児がんが増えている、そして、それには戦争との関係が疑われています。

 戦争で使われた兵器、あるいはその兵器がもたらした環境汚染に問題があるのか、あるいは、その戦争下のストレスが問題があるのか、はたまた油田や工業地帯から出る煙や廃水が問題なのか、現時点で結論は出ていませんが、このどれであったとしても、イラクだけのためではなくて今後のためにしっかりとした調査は必要になるでしょう。

 そして、現地の人たちがこれを戦争のせい、つまりはアメリカなど多国籍軍のせいであると考えているということは、開戦当時、独裁者からの解放軍として迎えられるだろうという楽観論すらあったことを思えば皮肉なことだと言えます。

(Q.この戦争は、結局は大量破壊兵器があるという誤った情報によって始めたもの。それでも独裁者がいなくなったのだから良かったと言うのが欧米の言い分ですが、実際のところはどうでしょう?)

 確かに独裁国家であったサダム・フセイン政権がなくなったことで自由が増えたというのは、皆さん一致しした意見であるような印象を受けています。ただその後、単純化して言えば、スンニ派、シーア派、そしてクルド人といった宗派、あるいは民族間の緊張・対立、それに経済格差が加わって、国がバラバラになるリスクは常にあると思います。

 そして今現在、良いとは言えない公共サービスの質を上げるなどして、経済発展の成果をうまく分配していかないと、さらなる不安定化につながるのではないか、そんな印象を受けました。(09日23:20)

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