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最終更新:2013年4月9日(火) 18時47分

イラクの発展とひずみ、復興へ問われる日本の責任

 アメリカのイラク攻撃を支持した日本もイラクの復興には大きな責任を負っていると思いますが、10年経って、発展の一方でいろんなひずみも出てきているようです。

 日本のことでいえば、こちらバグダッドでも一、二を争うホテルですけれども、その前にある旗、この国旗ですがこの中にアジア諸国の中であるのは中国と韓国だけで、日本の旗はありません。対日感情は決して悪くないんですが、ビジネスという意味では、この2国に大きく存在感は遅れをとっている感じがします。

 左の方にいくと、10年前にフセイン像が倒された現場があります。台座も、そして鉄骨も当時のままです。経済は確かに上向きなんですが、人々の話を聞いてみますと、公共サービスなどはいまだにきちんと提供されていない印象を受けます。豊かさの分配が国民が納得するレベルに行き渡るには、時間がかかるでしょう。

 宗派対立は続いていますし、隣の国シリアの情勢も時折、国境を超えて波及します。そこへ「貧富の差」という国民の不満をあおりやすい要素が加わると、さらに不安定さが増しますし、不満を押さえつけようとすると、強権政治に戻りかねません。

 「大量破壊兵器はなかったけれども、独裁者がいなくなったのはいいことではないか」というのが、軍事介入をした欧米の言い分ですが、それはこの先、イラクがどのような国になっていくかによって説得力が大分変わってくると思います。(09日18:08)

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