日本のアベノミクス(安倍首相の経済政策)が為替戦争を誘発しているとの批判がある中、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は7日、日本の金融緩和策を支持する立場を明らかにした。世界経済の回復に役立つというのが支持の理由だ。
ラガルド専務理事は7日、中国・海南島で開かれた博鰲(ボーアオ)アジア・フォーラムに出席し「(量的緩和など)従来型ではない措置を含む金融緩和策は先進国の経済と世界経済の成長を促進する上で役立つ。そうした点で日銀が発表したばかりの政策を歓迎する」と述べた。
日銀は今月4日、今後2年間にわたり量的緩和を行い、市中への通貨供給量を2倍に増やす方針を発表した。
しかし、ラガルド専務理事は金融緩和策の危険性も警告し「通貨政策が景気浮揚しようとする努力の大半を担うことはできない。意図しない結果が生じることもあり得るので、政策担当者は計画的に(状況を)常に注視しなければならない」と述べた。
英紙フィナンシャル・タイムズは、ラガルド専務理事の発言について「日本に友好的な発言をしばしば行ってきたが、日本がIMFに対する出資を増やしたことが背景にある」と分析した。リーマン・ショック後の2008年11月、日本政府は経済危機に陥った国への支援を後押しするため、IMFに1000億ドルを融資。IMFが昨年、欧州財政危機の封じ込めに向け、加盟国に支援要請を行った際にも、日本は600億ドルの拠出を決めた。