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復興後はアパートに 石巻中心部に滞在型ホテル開業

開業した「石巻アパートメントホテル」の前に立つ大内さん(右から2人目)とスタッフ

 アパート型のホテル「石巻アパートメントホテル」が8日、宮城県石巻市駅前北通り1丁目にオープンした。市役所などが近い市中心部で、東日本大震災の復旧・復興に関わる企業関係者がターゲット。復興需要が落ち着いた後は一般のアパートに業態転換する。スタッフは被災者を採用し、雇用創出も図った。

 木造2階の2棟で、延べ床面積は計約1100平方メートル。24の客室は全て3Kタイプで、寝室三つと簡易キッチン、風呂、トイレがある。各部屋にベッドやテレビが備え付けられ、施錠もできる。長期滞在に対応し、共用の洗濯機も用意した。

 敷地内の食堂では宮城県産の食材を使ったメニューを提供する。工事関係者らの利用を想定し、料金は1室3人の場合で1泊2食付き1万8900円。2人以下でも利用できるが、1人当たりの料金は割り増しになる。

 経営するのは住宅設備機器の販売などを手掛ける塩釜市の「仙塩ホームサービス」。社長の大内章さん(40)は石巻市河北町にあった母親の実家が津波で流失し、祖母と叔父を亡くした。

 炊き出しなどで石巻に通いながら、復興が進まないことを痛感。工事関係者らの宿泊場所不足が一因と知り、ホテル建設を決めた。関連工事が一段落する8〜10年後をめどに、低賃料の高齢者向けアパートにする。

 スタッフ13人は全員、正社員として雇った。宿泊業の経験者はいないが、小野寺康子さん(52)は「震災で自宅を失い、仕事を探していた。みんなで新しいホテルをつくり上げる張り合いも大きい」と目を輝かせる。

 大内さんは「母の実家は親類が集まる場所だった。ホテルが人手不足の解消に役立ち、復興の一助になってほしい」と話した。連絡先は石巻アパートメントホテル0225(23)2045。


2013年04月09日火曜日


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