北朝鮮の新型弾道ミサイル情報をめぐり情勢が緊迫している。発射の可能性が高まっているとして小野寺五典防衛相はミサイル防衛(MD)の態勢を整えるよう自衛隊に「破壊措置命令」を出したが、ここは冷静に対処したい。 政府は2009年3月と昨年3月、同12月と過去3回、破壊措置命令を出している。そのたび県内も対応と緊張を強いられているが、過去はいずれも北朝鮮から「人工衛星」と称し国際機関への発射通告があった。
政府は今回、北朝鮮が新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられる物体を日本海側に移動させたことを確認。予告がない中での命令は初めてだが、「日本に発射される可能性が非常に高いわけではないが、不測の事態に備える必要がある」と説明している。
過去と違って政府は国民の不安を過度にあおらないとして、発令の事実は公表しない方針。予告がない段階で北朝鮮の刺激を避けたいとの判断もあるようだが、一方で海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載した海上自衛隊のイージス艦2隻を日本海に展開させた。航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)も今月下旬に県内に初めて常時配備する。PAC3は今回とは直接連動していないというが、一連の北朝鮮の動向が念頭にあることは明らかだ。
北朝鮮は2月に国際社会の制止を無視して3度目の核実験を強行。その後も国連安全保障理事会の追加制裁の動きに反発して威嚇や挑発を繰り返し、独自制裁を強めた日本にも圧力を強めている。北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は日本に対する先制核攻撃の可能性にも言及したほか、「米軍の前哨基地」の沖縄などを「われわれの射撃圏」とする記事を掲載した。
軍事的な緊張をつくり出し、相手の譲歩を引き出そうとするその姿勢は論外だが、国際社会は冷静に向き合い、身勝手な行動を思いとどまらせるよう努力を重ねなければならない。
沖縄には既に米軍が嘉手納基地にPAC3を配備しているが、専門家からも命中精度が疑問視されるPAC3を、自衛隊まで急いで配備する必要があるのか。ミサイル防衛の「抑止力」をことさら演出する過剰反応のように見える。
これ以上、北朝鮮の挑発を招くのも意味がない。国際社会は結束して対話の窓口を閉ざさず、ぎりぎりの努力を続けるべきだ。
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