東京電力福島第1原発の地下貯水槽から放射性汚染水が漏れた問題で、東電は7日、隣の貯水槽でも汚染水が漏れていたと発表した。七つある貯水槽のうち二つで漏れが判明し、東電は汚染水の保管計画を根本から見直す必要に迫られそうだ。一方、最初に漏れた貯水槽では3月中旬から水位が下がり始めていたが、東電は気づいていなかった。
貯水槽は地面を掘り下げ、その上を3層の防水シートで覆っている。東電は5日に最初の水漏れを公表後、東隣の貯水槽(縦約56メートル、横約45メートル、深さ約6メートル、容量約1万1000トン)の周辺の水に含まれる放射性物質の濃度を調査。6日夜にシート外側で1立方センチ当たり0.11ベクレルを検出、7日には2、3枚目のシートの間からも同2200ベクレルを確認し、漏えいと判断した。
東電は原因として、水面から約30センチ上に位置する測定穴2カ所付近でシートが1層になっており、水圧で下に引っ張られて裂けた可能性を指摘。その場合、漏えい量は最大3リットルになるという。東電は汚染水の一部を移送して詳しい原因を調べる予定。その影響で、最初に漏れた貯水槽の汚染水の移送完了は当初予定より2日遅れて11日になる。
一方、東電は最初に漏れた貯水槽で水位が3月中旬から低下していたことを示すデータを公表。3月20日にシート外側で1立方センチ当たり0.28ベクレルの放射性物質を検出し漏れの可能性があったが、東電は「数値が小さくその時点では漏れは分からなかった」と説明している。【岡田英、奥山智己】
2013年04月07日 23時28分