「土鍋やさん」の土鍋まめ知識

ここでは、「土鍋」や「食器」など「陶器」全般にわたっての、ちょっとした知識
(手入れ方法、注意事項etc.)を紹介しています。是非参考にしてみて下さい。
ただし、以下のことがらは四日市市の「万古(ばんこ)焼」の土鍋についての方
法です。他産地(伊賀焼、中国産他)の土鍋は製法が異なりますので取扱方法
も異なりますのでご注意下さい。
なお、ここに書かれていないことで「これも知りたい!」というようなことがあり
ましたらこちらまでご遠慮なくお問い合わせ下さい。


PART 1 土鍋にしみ込んだ「におい」をとる方法

寄せ鍋などで生の魚を材料に使った時に「生臭い」においがついてしまうことがあ
りますが、これについて我が家で行っている方法をご紹介します。


まず、洗った後に土鍋にお湯を7〜8分目くらい入れてそこに酢(レモンでも可)を小
さじ二杯くらい入れて軽くかき混ぜたのち、一晩置いておきます。
翌日ざっと洗ったのちに弱火で15〜20秒くらい空焚きして、さらに1日くらい自然乾
燥させてから収納しています。
こうすることによって、生臭さはきれいにとれます。


PART 2 土鍋をはじめて使う時ってどうするの?

土鍋を買って初めて使う時にはよく「おかゆ」を炊いて下さい。って書いてあります
があれってどうして必要なのですか?


土鍋には現在大きく分けて3つの産地があります。
@伊賀地方で生産している「伊賀鍋」
A当社のある三重県四日市市の「万古
(ばんこ)焼」
B「中国製」土鍋

それぞれの土鍋に特徴があるのですが、当然のことながら土鍋は火にかけるもの
で、特にその点を重視していろんなところ
(土、釉薬等)に工夫が凝らしてあります。
熱を加えると物は当然「膨張」します。土鍋を形作っている土も同じです。
しかし、土の粒子が詰まっていると膨張した時に割れてしまう事になります。
そこで、土鍋などの耐熱陶器はできるだけ粒子が詰まらないように工夫して「割れ」
を防いでいるのです。
極端な表現をすれば
(極端すぎますが)土鍋は隙間だらけと言うことなのです。
だから、その隙間を埋めるために「おかゆ」や「野菜のクズ」を炊いて下さいとなるわ
けです。

「土鍋やさん」で扱っている商品は、この点はしっかり研究しておりますので「割れる
」と言うことに関しては絶対の自信を持っておりますし、当店で御買上げいただいた
土鍋は最初に「おかゆ」など炊いていただかなくてもいきなり使っていただけます。
ただし、これは当店で扱っている商品のみに関してのことですので、他社及び他店
で扱っている商品に関しては一切責任は持てませんのでこの点につきましてはご
了承下さい。


PART 3 土鍋の「焦げ」をとるには?

土鍋で煮物などをしていてうっかり焦がしてしまうことがあるのですが、何かいい
方法はないですか?


土鍋って不思議なもので一度焦がしてしまうと次も焦げてしまいませんか?
よく「焦げグセがつく」って言いますが原因は今だナゾです。
でも、焦げたままでは使い物にならないのでちょっとしたアドバイスを。
(「焦げ」にも程度がありますのでとれない時は何度も繰り返して下さい。)
まず、焦がしてしまったら慌てないでとりあえず水
(できればぬるま湯)を土鍋に
半分くらい入れて一晩置いておいて下さい。決してスプ−ンなどで慌ててこすらな
いで下さい。一晩経ったら今度は布巾などでゆっくりと根気よくこすり取って下さい。
と以上です。
やることは簡単ですが、要は「根気」です。(^^;)
元来、土鍋は性質上吸水性がありますので水を入れて置いておくことにより土鍋
自体も水を吸って「焦げ」がとれやすくなります。
そして、無事取り除くことができたらあとはていねいに洗ってしっかり乾燥して下さ
い。←とにかくこれが一番大切です!!

以上が、私が実験(体験も含む)した結果です。
ただ、土鍋の材質、焦げの程度によって「確実に取れる」わけではないので、その
点はご了承下さい。
m(__)m


PART 4 「土鍋」の手入れのしかたについて

私は鍋料理が大好きで寒くなると毎日のように土鍋が登場するのですが、
この大切な土鍋を長持ちさせるような手入れの方法を教えて!


まず一番大切なことはとにかく
「しっかり乾燥」することです。
これさえしっかりしていればまず大丈夫です。
先にも書きましたが土鍋にはその性質上吸水性があります、一度お料理をされると
少なからず水分を吸ってしまいますのでこれを乾燥せずしまうと「カビ」や「割れ」の
原因になりま
すので乾燥は特に十分お願いします。
(関連情報がPART 1にありますのでご参考にして下さい)
あと、これも吸水性に関連したことですが、使った土鍋を洗う際に洗剤を使ってもか
まいませんが長時間洗剤に漬けたままにしないで下さい。
余談ですが、土鍋の使用説明書に「てんぷらなどは使用不可」とありますが
これも吸水性に関したことで「火事」になる危険大ですので絶対にしないで下さい。


PART 5 「土鍋」ってどうやって乾かすの?

PART4を読んで「乾燥」の重要性がわかったけど具体的にどうやって乾かせば
いいの?


これもよくいただくご質問です。
土鍋をご使用いただいたあとは、まず普段どおりに洗って下さい。
長時間洗剤の中に浸け置きしなければ洗剤の使用はOKです。
普通に水洗いしたあとで、土鍋の表裏の水分を布巾などでざっとふきとりその後
コンロにかけて弱火で15〜20秒くらい空炊き(フタはしないで下さい)して土鍋を
温めたあとコンロにかけたままそのまま一昼夜放置して下さい。
できれば次の日も風通しのよいところで乾燥すれば「完璧」ですがとりあえず一晩
おいておけば大丈夫でしょう。フタは洗ったあと普通に拭いて乾燥すればOKです。
あとは元のところに収納して下さい。
ここで、食器棚にしまう時に棚と土鍋の底の間に割り箸などを置いて棚と土鍋の
底が接地しないように少し上げて空気が通るようにしておけば、もう大丈夫です。
(底が小さい京型鍋は箸を挟むと安定性が悪くなる恐れがありますので注意して
下さい。)


PART 6 「電気コンロ」で土鍋って使えるの?

ワンル−ムマンションに住んでいるのですが、普通のガスコンロではなくて「電気
コンロ」が初めから設置されていて直火がつかえません。鉄製の鍋はいいのです
が、土鍋は使えるのでしょうか?


「電気コンロ」だということですが、いま流行りの「IH」でしょうか?
もしそうだとしたら「IH」対応の土鍋でないとムリですが、小学生か中学生の頃理
科の実験で使ったような「電熱器」(真ん中にニクロム線がぐるぐる巻いていて電源
を入れるとこの線が赤くなって発熱する)だったらOKです。
それと「電熱プレ−ト」もOKです。これは、普通のガスコンロと見た目はよく似てい
るのですが、スイッチを回すとこのプレ−トが発熱する仕掛けになっているので、
これなら普通のガスコンロと同じように使っていただけます。


PART 7 「IH」土鍋ってなに?

最近、家を新築したのですがキッチンのコンロをガスにするかIHにするか散々迷っ
た末に将来性を考えてIHコンロにしました。しかし、普通の土鍋はIHコンロでは使
えなく専用のIH土鍋というのが必要だと知りました。これってどんな土鍋ですか?

最近よく「オ−ル電化住宅」なんてのを耳にしますが、これは家の中でガスを一切使
わず全て電気でしてしまおうというものです。
これは、高齢者の場合ガスでは安全面で不安だとか経済性などいろんな面でメリット
があるようです。
IH(電磁誘導加熱)クッキングヒ−タ−では、その構造上普通の土鍋は使えません。
土鍋の底の外側もしくは内側に電熱プレ−トという電気を通す板を貼り付けたものを
使用します。(現在は、土鍋内の底に金属板を入れたものも出ています)これが「IH土
鍋」といわれる物です。
これをIHクッキングヒ−タ−にセットして調理するわけですが、これにはいろいろ注意
点があります。それを以下のPART8に掲載します。


PART 8 「IH」土鍋ってどうやって使うの?

IH(電磁誘導加熱)クッキングヒ−タ−においてIH用土鍋を使う際に気をつけなけれ
ばならないことを教えて!

IHクッキングヒ−タ−で専用の土鍋を使う際には以下の点に必ず注意して下さい。
@急激に火力(ワツト数)を上げず徐々に上げていく。
A調理の際の「焦げつき」に注意して常にかき混ぜる。
B煮汁などの「ふきこぼれ」に注意する。
C土鍋を洗浄する際には電熱プレ−トを傷つけないようにする。
D土鍋の使用後は十分に乾燥させる。

@に関してIHクッキングヒ−タ−は電源をオンにしてほんの数秒で土鍋の底の部分
だけが300℃以上の高温になってしまいますので底以外の部分との膨張が極端に
違ってしまって割れる原因になります。
それを防ぐために徐々に上げていくことを絶対に忘れないで下さい。

Aについて、内底が焦げ付いてしまうと電熱プレ−トがうまく通電せずにお料理が
「煮えない」ということが起こります。(電熱プレ−トが内張りまたは、鍋底に金属板を
装着する場合)

Bの場合は、Aと逆の場合で外側が汚れることによって通電しなくなり使えなくなり
ます。(電熱プレ−トが外張りの場合)

Cも同様で土鍋を洗う際に「たわし」などでこすって電熱プレ−トにキズがつくと通電
しなくなって使えなくなります。

Dについては、「土鍋の吸水性」に関連して、乾燥が不十分だと土鍋本体と電熱プレ
−トの間に入り込んでいた水分が急加熱によって急激に蒸発しその際に電熱プレ−
トが剥離してしまい土鍋が使えなくなります。

そして、全般にわたって言えることですが、誤った土鍋の使い方をして割れやヒビが
入ったことによって、IHクッキングヒ−タ−が壊れてしまい使えなくなってしまいます。
以上のことから、IH対応土鍋をお使いいただく際にはこれらのことを十分に注意して
お使い下さい。


PART 9 土鍋の保管の仕方を教えて

冬も終わってそろそろ土鍋を片付けようと思うけど、正しい保管の方法は?

これまで何度も「乾燥」の重要性を説明してきました。
冬場に大活躍した土鍋も、その役割を終えて戸棚に収納しますが、その前に、もう一
度しっかり乾燥したか確認してください。
できれば、収納する前に土鍋に水を八分目くらい入れ、10分ぐらい沸騰させたのち、
テ−ブルと土鍋の底にすきまをあけて3〜4日風通しのいい場所で完全に乾燥させて
ください。そして、いよいよ戸棚へということになるのですが、ここで1つ注意が。
普通は、土鍋を買ってきたときの箱に入れて収納する場合が多いようですが、これは
絶対にやめてください。
箱に入れることによって土鍋が「呼吸」できなくなり、「カビ」の原因になるからです。
箱に入れて1年おいて、翌年の冬に土鍋を使おうと思って出してきたら黒い点々がい
っぱいってことはなかったですか?
お客様から「1年ぶりに土鍋を使おうと思ったら黒い点がいっぱいで....」ってご質問が
実は一番多いのです。
収納の際に「箱」は使わないで下さい。



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