部落問題の解決と人権施策の充実に向け、部落解放関東甲信越ブロック共闘連絡会議が新発田市にて開催されました。新潟、長野、埼玉、群馬、栃木、東京、神奈川、千葉から約50名が参加しました。
初日の総会で、中央共闘会議の和田献一事務局長は「ネット上で部落地名総監が流出しており、グーグルの地図から被差別部落の写真が自由に見られる。日本は差別に寛容なのではないか」とあいさつをしました。新潟県共闘の齊藤正美議長は「@狭山の闘いを全力で取組み、A人権救済法の制定を目指し、B連合にいがたに事務局体制を移行し幅広い運動を展開する」と決意を表明しました。
各地域の報告では、埼玉は狭山事件の再審を求める市民集会、就職差別撤廃の取組み、自治体職員採用受験願書点検及び結婚相談事業での行政交渉、神奈川は部落問題意識調査の実施、新潟は統一応募用紙、狭山事件を考える住民の会の結成、長野は狭山再審闘争の取組み、群馬は狭山現地調査を報告しました。
第2部の講座では、新潟県人権センターの高山弘事務局長が「くやしさを共有し、進路保障をめざす」の演題で講演をしました。高山さんは「応募用紙に本籍の欄があるだけでやる気を削がせ、排除している」と指摘し、統一応募用紙の使用を呼びかけました。続いて新潟大学法科大学院の山崎公士教授が「人権侵害救済法の意義と課題」について講演をしました。山崎さんは「日本には国内人権機関は未設置で、また差別禁止法が制定されていない。人権救済を求めるには裁判で訴えるしかなく、手間とお金がかかる。安・簡・早・実の人権救済システムを早期に確立しなければならない」と訴えました。
翌日のフィールドワークは、部落解放同盟県連の長谷川サナエ委員長が新発田市と村上市を案内しました。ある被差別部落で、堤防の高低差が被差別部落地区の方が低くなっている実態を目の当たりにしました。もし洪水があったとき真っ先に被害を受けますが、堤防の高低差など指摘されるまでわかりませんでした。ここに差別が見えにくい構造になっていることに気付きました。フィールドワークを通し、新潟で未だに差別が根強く残っていることを知り、一層の運動の強化の必要性を感じました。
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