日本ハム・中田が７日、ソフトバンク戦（札幌ドーム）の８回に起死回生の２号逆転３ランを放ち（＝写真。チームメートと喜びを爆発させる中田）、チームの連敗をストップと最下位脱出に貢献した。

　０―２の８回一死一、二塁。ベンチの空気はどんよりと沈み、スタンドからは悲鳴にも近い声援が飛んでいた。期待を一身に背負った中田は「（走者を背負って苦しいカウントにしたくなかっただろう」とマウンドに立つ五十嵐の心理を読んでいた。「「速い球に絞って１球目から甘い球があればフルスイングする」と心に決め、迷いなく初球を振った。

　失速せず中堅左のスタンドに飛び込んだ打球は、チームとしての攻撃の結晶だった。この回先頭の陽岱鋼が失策で出塁すると、一死一塁から小谷野の打席で２度のエンドランをかけるなど揺さぶった。小谷野はしぶとく四球を選び、４番に託した。中田は仲間の期待に見事に応え、この試合の主役となった。

　試合後のお立ち台で「連敗の嫌な流れを止められるのは４番しかいないんで。この流れを止められるのは自分しかいないと思っていた」と胸をはる中田を見ながら、指揮官は「本当に苦しいところだったんで、大きなところを変えてくれた」とたたえた。

　この日、８番・右翼で先発し２回にソフトバンク・武田のチェンジアップを中前打した黄金ルーキー・大谷も「ああいう所で打てるのが凄いですし、（失投を）一発して仕留められる技術を目指して自分もやっていきたい」と、先輩に最敬礼だった。