阪神の3年目左腕・榎田大樹投手(26)が4日の中日戦(京セラ)でプロ初先発。拙攻、守乱で敗戦投手となったものの、ほぼ完璧な投球内容で今季の活躍を予感させるマウンドとなった。大きな期待を担う左腕。その根底には3月に引退したベテラン左腕・下柳剛氏(44)から受け継いだ「流儀」があった。
8回2安打1失点、自責点0。勝利投手になってもおかしくない内容だったが、打線が完封負けと援護なし。決勝点も味方の失策が原因だ。それだけに和田監督は「ナイスピッチングだった」と絶賛。榎田も「できすぎたぐらいです。ここまでいったら勝ちたかったけど、自分の仕事はできました」と大きな自信をつかむ一戦となった。
これまでセットアッパーとしてフル回転していた榎田は入団時から先発への思いを秘めており、中継ぎ投手の調整メニューだけでなく先発転向に向けたトレーニングも積んでいた。その成果が初先発での好投につながったが、きっかけは下柳氏だった。榎田が入団した2011年に下柳氏も阪神に在籍。その野球に取り組む姿勢に衝撃を受けた。
当時のことを榎田はこう打ち明ける。「下柳さんは練習メニューを自分で決めていました。投球練習の途中でグラウンドに出てきて走ってから、またブルペンに戻って投球練習をする。甲子園だとスタンドの階段を走る。そういう姿を見て“人と違うことをやらないといけない”と決意しました」
その後は下柳氏に“弟子入り”。「自分の走り方はストライドが大きくなかったんですが、下柳さんから『歩幅が狭くなると下半身が使えない。できるだけ大股で走れ』と言われて意識するようになりました。股関節の使い方、下半身の粘りを大事にされていたんだと思います。実際に球持ちが違う感じはしますね」(榎田)と様々なアドバイスを受けた。今年の開幕直前にも下柳氏から「まずは直球をしっかり投げろ。そうしないとチェンジアップも腕が緩んで意味がない」と初先発に向けた貴重な助言をもらった、という。
現役時代は阪神の先発ローテの柱として優勝に貢献した下柳氏。その“魂”を継承した若虎左腕の存在は和田監督にとっても頼もしいばかりだ。
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