ソフトバンクが５日の日本ハム戦（札幌ドーム）に勝って、開幕２試合目からの連敗を５でストップさせた。ヒーローは、開幕戦に続く２勝目のエース・摂津正（３０）。ここまでのチームの白星すべてを挙げる孤軍奮闘の投球に高山投手コーチも「たいしたものだ」と褒めちぎった。

　そんな摂津についてチーム関係者はこういう。「これほど気持ちの強い投手は、ホークスの歴史を見ても（斉藤）和巳（３６＝現リハビリ担当コーチ）くらいなもの。逆境に強く、ここぞという場面で必ずやってくれる。投球スタイルは全く違うけど、鬼気迫る姿は和巳と同じだよ」

　斉藤コーチといえば、右肩の故障で実働年数こそ少ないが、２度の沢村賞を獲得し、通算７９勝２３敗で驚異の勝率７割７分５厘を誇り、レンジャーズ・ダルビッシュ有が憧れていたことでも知られている。そんな鷹の伝説の投手に摂津が似てきたというのだ。

「和巳は勝ちへの意識がハンパなかったけど、摂津も今日の試合で“もう少し長いイニングを投げられれば”と話して悔しがっていた。普通の投手なら７回１失点で試合を作れたと満足するし、摂津にはＷＢＣで中継ぎ調整をしていた事情もあるのに…。本気で全部勝って全部完投しようと考えているのかもしれない。そのうち、和巳にあったようなオーラも出始めるんじゃないか」（別の関係者）

　これでレギュラーシーズンでは昨年８月１日の楽天戦（秋田）から年をまたいで１０連勝の摂津。“斉藤和２世”はまだまだ進化しそうな勢いだ。