広島投手陣が緊急事態に陥った。５日の阪神戦（マツダ）では２番手・福井の乱調での３失点を皮切りに中継ぎ陣が悪い流れを断ち切れず、最大で５点あったリードを守り切れずに逆転負け。開幕から継投が失敗し、接戦を落としてしまう試合が続いている。

　そんな状況を打破しようと野村監督は６日、３試合で８失点と不調の福井の登録抹消を決断。「ボール自体はいいが、本人もなんでだろうと思っているのでは。苦しみながら投げている感じなので二軍でリフレッシュしてこいと言った」　早くも二軍行きを命じられた福井は「昨日の負けは僕のせい。ちょっとしたことだと思うのでいろいろ修正して戻ってきたい」と猛省。これで、開幕前に思い描いていた福井、今村、ミコライオの“勝利の方程式”は早くも白紙となってしまった。

　福井に代わって戸田を昇格させる見通しだが、現段階で“７回の男”の適任者は見当たらない。「（先発要員だった）中崎には中継ぎに回ってもらう。あとは横山や河内に任せる」（山内投手コーチ）。中崎は「今までと変わらずしっかりと抑えるだけ。余計なことを考えずに集中して投げられる」と意気込むが、状況は厳しい。

　昨季の活躍で投手王国が再建したかに見えたものの、開幕７戦目にして苦しい台所事情が露呈してしまった。２２年ぶりのリーグ制覇のためには投手陣の活躍が不可欠なだけに、一刻も早くリリーフ陣を安定させたいところだ。