開幕したばかりのプロ野球で“怪現象”が起きている。昨季までの“飛ばないボール”が、今季から“飛ぶ”ようになったと現場で大きな話題になっているのだ。なかでも首をかしげているのが、東京ドームに本拠を構える巨人の選手たち。統一球導入3年目を迎えて各打者の打撃技術が向上したのか、それともボールメーカーがこっそり改良を行ったのか。噂の真相を追った――。
今年最初にこの“疑惑”が取り上げられるきっかけとなったのは、3月29日の東京ドーム開幕戦で、広島・梵が右翼ポール際へ放った大飛球だった。
フラフラっと上がった打球を、グラブを出しながら右翼・長野が追う。ところがボールは伸び続け、フェンスとスタンドの間の柵にぶち当たった。この打球はビデオ判定の結果、本塁打にはならなかったが、長野の驚いた表情が印象的だった。
さらに波紋を広げたのが、5日の中日戦でボウカーが吉見から放った一発だった。外角の変化球に右手一本で合わせただけに見えたが、逆方向の左中間へ高く上がった打球がスタンドまで届いたのだ。これには選手やコーチの間から「まさか入るとは思わなかった。昨季まではなかった当たり」という声が続出した。
実際に巨人の打者は、驚異的なペースで本塁打を打ちまくっている。6日まで開幕7試合で計10本(うち東京ドームは8本)。145試合計算では207本になる。昨季が94本でリーグ最多だったのだから、選手がビックリするペースなのも無理はない。
開幕カードでは、メーカー関係者のもとに選手が詰め寄り「ボール変わったんですか?」と質問を浴びせていたほど。昨年までは「気温が高くなり、ボールが温かくなれば飛距離は伸びる」という説もあったが、今年はまだ春先だ。また今回は東京ドームだけで起こる現象でもない。では本当のところはどうなのか。
メーカー関係者に聞くと「確かに選手の皆さんからも『今年は飛ぶ』と言われますが、ボールの仕様を変えたという話は聞いていません。昨年までの統一球と同じです。前回のボール変更の際も当初は『飛ばなくなった』という声があったそうです。それが後に『飛ぶボール』になったわけですからね。打者が対応したんだと思います」という。
巨人の打撃投手も「打者の技術向上」を理由に挙げた。「練習で投げていても『飛ぶな』とは感じますね。各打者のスイングも変わってきたように思います。よく言われることですが、ポイントを前に置いて打つようになったことが影響しているんでしょう」
はっきりとした原因は不明だが、いずれにせよ「飛ばなかったもの」が「飛ぶ」ようになったのは事実のようで、となれば首脳陣も何らかの対策を立てねばなるまい。
特に守備や走塁では、目測の誤りが命取りとなるため、巨人・大西外野守備走塁コーチは「今のところ確かに(球が飛ぶ)傾向はある。東京ドームは狭いから、大きい球場へ行く前までもう少し様子を見てみるが…。続くようなら、(対策を)考えないとあかんかもしれんな」と話した。
まだシーズンは始まったばかりだが、選手たちはボールの“異変”に大きな戸惑いを見せている。
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