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事件
福島第1汚染水漏洩 消えた水 不可解な状況
2013.4.8 22:43
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■薄まる濃度
3枚のシートには放射性物質を取り除く効果はないとされているが、シートを通過するごとに塩分や放射性物質の濃度が下がっているのも不可解な点だ。
貯水槽に入れられた汚染水は塩分濃度が約1500ppmで、放射性物質濃度は1立方センチ当たり約30万ベクレル。それが、漏洩検知孔で採取された汚染水は塩分が約500ppm、放射性物質が数千ベクレルにまで下がっていた。粘土質シートの外側にあるドレン孔で採取された水の濃度はさらに薄かった。
ドレン孔には地下水も流入するため薄まったと考えられるが、漏洩検知孔は2枚のシートに挟まれており、流入した汚染水が他の水と混じる可能性は低い。
■差し込み部分に隙間?
こうした中で、東電が示した一つの仮説が、漏洩検知孔の差し込み部分からの汚染水流入-だ。
漏洩検知孔はポリエチレンシートに丸い穴をあける形で差し込まれている。汚染水を入れた重みでポリエチレンシートが伸び、差し込み口に隙間ができて汚染水が流れ込んだというのだ。汚染水の濃度変化については「工事の施工段階で雨水などが入っていた可能性がある」としている。
一応の説明は付くが、汚染水の大量流出を否定するための、こじつけの印象は否めない。現場を確認すれば真偽は判明するが、汚染水が入っていたため線量は高く、確認は困難な状況。東電は差し込み部分からの汚染水流入を防ぐため、貯水槽を従来の95%から80%の量に減らして運用することにしている。
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