全日本プロレスの３冠ヘビー級王者・諏訪魔が６日、三度目の正直で“狼少年”の汚名を返上した。地元の期待を裏切り続けた諏訪魔だが、この日、神奈川・茅ヶ崎市総合体育館大会で開催したプロデュース興行「すわまちおこし」に３冠ベルトを手に凱旋。新たに「チャンピオン・カーニバル」（１８日、東京・後楽園ホールで開幕）優勝トロフィーを持ち帰ることを公約に掲げた。

ようやく諏訪魔が地元・湘南の信頼を回復した。諏訪魔は「一安心だよ。ベルトを取ってからは、それまでのことがなかったことのように『盛り上げてください』と言われるようになった」と安堵の表情を浮かべた。

　諏訪魔のプロデュースマッチは今回が３度目。昨年５月には出身地で現在も在住する藤沢市内で初開催。その際はカーニバル覇者に贈られる優勝トロフィーを持ち帰ると公約したが、無念の準優勝に終わった。さらに、９月の第２弾は３冠王者としての凱旋を宣言するも挑戦失敗…。以降、どんな大風呂敷を広げても支援者に信じてもらえず、狼少年化していた。

　だが、３・１７両国大会で船木誠勝を破って３冠王座に君臨。ようやく３本のベルトとともに帰還することができた。この日のメーンの６人タッグ戦にベルト持参で登場すると、花道には黒山の人だかりができ、大量のノボリも上がった。まさに英雄だ。

　諏訪魔は茅ヶ崎仮面、近藤修司と組んで世界タッグ王者の秋山準、潮﨑豪、世界ジュニア王者の金丸義信組と激突。祭典初戦で対戦する潮﨑とは敵意むき出しで肉弾戦を繰り広げ、金丸を観客のド肝を抜く強烈な左ラリアートで１回転半だ。そして必殺のラストライドで叩きつけ、完璧な３カウントを奪った。“口だけ男”から脱却した諏訪魔は「次はまずチャンピオン・カーニバルの特大トロフィーを持ってくるぞ。いずれ世界タッグのベルトもな」と決意をあらたにした。

　大会前には茅ヶ崎市元町商店街とのコラボで「街コン」にも突撃。男女１００人以上が参加したが、既婚者の諏訪魔はまるで相手にされず…。「交際にベルトは関係ないな」と悪巧みは不発に終わったものの、大会を成功させ祭典制覇へ追い風となった。