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【サッチャー元首相死去】頼れる英国の母 勇気ある生涯は映画にも
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国際的な人気が衰えることのなかったサッチャー元首相。政界引退後の生活と、過去の回想部分を交互に描いた映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」は、昨年3月に日本でも公開された。作品で元首相を演じた米女優、メリル・ストリープさん(63)が第84回米アカデミー賞で主演女優賞を獲得するなど、話題を集めた。
「彼女からはいろいろな物語が見える」。映画の公式ホームページに〈ヒトの普遍的テーマが描かれている〉とのコメントを寄せている漫画家の黒鉄ヒロシさん(67)はこう語る。
その例として黒鉄さんは、階級に厳しい英国で、それほど高くない階級に生まれながら女性首相になるまでの苦難苦闘、フォークランド紛争で見せた決断の速さなどを挙げる。その人生は「映画になっても全然不思議ではない」という。
政治家としてのサッチャー元首相の功績について「英国のプライドを取り戻し、強い英国を世界に見せた」と話す黒鉄さん。「一人の人間として、『女子の本懐』を遂げたのではないか」と、その生涯を評した。
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現代日本にとって学ぶべき政策も多い。特に就任時にはびこっていた自虐的な歴史教育や、子供の自主性ばかりを過大に評価する状態を正し、英国民であることに自信と誇りが持てることを目指した教育改革を行ったことが知られており、安倍首相の教育改革のモデルにもなっている。
政府の教育再生実行会議委員で高崎経済大教授の八木秀次さん(51)は「サッチャー元首相は、衰退した国を立て直すには教育の再生が重要であり、国が教育に責任を持つべきだという考え方を持っていた。打ち出した政策は国民の意識を変え、見事に国家を再建させた」と指摘。「当時の英国の状況は今の日本によく似ている。サッチャー元首相の政策は今も安倍首相にとって参考にすべき教科書となっている」と話し、その死を悼んだ。
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