サブカテゴリー

PR:

「鉄の女」サッチャー元英首相 脳卒中で死去

1982年9月、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見するサッチャー英首相
1982年9月、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見するサッチャー英首相
Photo By 共同 

 1979年から90年まで英保守党政権を担い、強力な指導力と反共産主義の姿勢から「鉄の女」と評されたマーガレット・サッチャー元英首相が8日午前に死去した。87歳だった。英BBC放送などが報じた。共同電によると、元首相の関係者は「脳卒中を起こした後、安らかに死去した」と語った。

 不況とストライキの多発で「英国病」と呼ばれた経済低迷を金融分野の大胆な規制緩和や国有企業の民営化推進、緊縮財政の断行などで克服。競争原理に基づいた市場経済路線を定着させ、社会構造に大きな変革をもたらした。82年のフォークランド紛争では大艦隊を送り込み、アルゼンチン軍を撃破した。

 サッチャー氏は企業勤務の化学者、弁護士を経て政界に。79年の総選挙でキャラハン労働党政権を破って英国初の女性首相となった。当時のレーガン米大統領と親密な関係を築き、冷戦終結に至る国際政治の舞台で活躍。84年にはソ連共産党書記長になる前のゴルバチョフ氏を英国に招待、他の西側指導者に先駆け「彼とは仕事ができる」と評価した。

 01年末に軽い脳卒中を起こし、02年に政界から事実上引退。近年は体調不良により度々入院し、12年12月にはぼうこうの腫瘍の切除手術を受けた。認知症による記憶力の減退も指摘されていた。

 キャメロン英首相は「偉大な指導者を失い、強い悲しみを感じる」との声明を発表。ゴルバチョフ氏も死去を悼み、冷戦を終結させた「偉大な政治家であり、傑出した人物だった」と称賛した。

 英首相官邸は、葬儀がロンドンのセントポール大聖堂で行われると発表した。日程は未定。

[ 2013年4月9日 06:00 ]

Webtools & Bookmarks
Yahoo!ブックマークに登録

注目アイテム

ニュース

注目アイテム

クイックアクセス
【楽天】オススメアイテム
スペシャルコンテンツ