菓匠「澤田屋」 珠玉の和洋菓子たち

投稿者:神藤 亘平 投稿日:2012年3月6日

 

冬の肌寒さは徐々に薄れ、温かい季節を迎えようとしています。「春の和菓子」というこの字面でも心がキュンとなりますね。ということで今回紹介するのは新城の菓匠「澤田屋」さんです。

 

 

新城から東栄に向かう151号線を走行している方ならこの画像の景色に見覚えがあるでしょう。場所は湯谷温泉近く、少し進めば左方面に赤い橋が見えるかと思います。

 

 

●店内は和菓子洋菓子の宝庫●

 

元々貸し店舗だった建物をリフォームし、入り口も北方面に設置するなどし、今の澤田屋があるそうです。店内は和菓子、洋菓子、お土産箱入りなど豊富な品が並びます。名物は土日限定のロングアップルパイ、火伏まんじゅう、スイス餅などありますが、今回注目するのは、

 

左は包みなし、右は包みあり。包みをはがすと仏法僧の目の輝きが失せてぎょろっと黒目に。あんこの瞳がチャーミング。

 

こちらの「深山仏法僧」。単品で136円。箱12個入りで1260円。6個入りなら630円。

 

仏法僧(ぶっぽうそう)とは・・・
鳳来寺山に住むコノハズクの「ブッポーソー」という鳴き声からきています。仏法僧というふくろうが別に存在しますが、近年になってブッポーソーという鳴き声の主が仏法僧ではなく、コノハズクのものだと認識されたようです。ちなみ に「鳳来寺山のブッポウソウ」という童謡が存在し、NHKの「みんなのうた」で放送されました。よく新城市内の道路上にふくろうのキャラクターが安全運転を謳っていますね。

 

きなこと香煎でつくられたこの落雁。元々モナカ風だったのがご主人の祖父はそれでは満足せず改良、今の形になったのが昭和50年。家族総出で型に焼いて一日描けて作ります。製造する和菓子の中では一番手間が掛かるそうです。

 

 

そんな澤田屋を経営するのが、和菓子職人の4代目となる保木井(ほきい)考幸さん。
「和菓子は高級志向なものではなく、子どもがお小遣いで買ってくるような、お手軽で楽しめるものがいいですね」

 

この澤田屋を創立したのは23年前。以前は自身の和菓子を湯谷温泉の旅館やお店に「卸売り」という商法で販売していました。保木井さんは父親の仕事の元で修行はせず、和菓子の見聞を広めるため東京の神田の専門学校で入学。90%の男子が和菓子屋のせがれ、10%が和菓子への関心で入学した女子。そんな専門学校の卒業生には森永製菓やボンどらやなど大手の菓子企業の社長の顔ぶれが。保木井さんは専門学校を卒業し、そこから和菓子屋へ就職、そして独立しました。

 

「町や都会の和菓子は小さくて高級なものや創造性、新しい和菓子を作ろうとするが、田舎の和菓子はもっと身近でお手軽に食べられるものでないといけないと思う」と語る保木井さん。この新城の湯谷温泉に拠点を置く澤田屋。ドライブが趣味で湯谷温泉で温泉に浸かってから帰りに澤田屋に寄って帰るお客さんもいるそうです。温泉の後に和菓子とは非常に贅沢な習慣ですね。

 

 

●春が旬ないちご餅●

単品の仏法僧(左)と箱入り(右)。大きさがだいぶ違いますね。並べると親子のようです。

 

もちろんこの季節に旬ないちご餅もおすすめ。中にはジュクジュクした甘酸っぱいいちごは至福のひとときを与えます。

 

 

自分へのご褒美に、家族のおやつに、親しい友人へのお祝いに、ぜひ美味しいお菓子を召し上がりください。

 

電話番号 0536-32-1038
住所  愛知県新城市井代字星越32-2
交通手段 湯谷温泉駅から619m
営業時間 9:00~18:00
定休日 木曜日

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母方の祖父母が豊根村に住んでいて、小さな頃から馴染みがありました。 まさか自分が奥三河について情報を発信する仕事に就けるなんて思いませんでした。 奥三河についての記事を見て、行ってみたいと思っていただけることが、 とても一番うれしいです。

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