東京商工リサーチが８日発表した2012年度の全国企業倒産状況によると、倒産件数、負債総額ともに４年連続で前の年度を下回った。負債総額1000万円以上の倒産件数は１万1719件と前の年度に比べて7.8％減少した。１万2000件を下回るのは1991年度（１万1557件）以来21年ぶり。中小企業金融円滑化法などの資金繰り支援策が寄与した。負債総額は３兆757億円と、22.9％減った。負債10億円以上の大型倒産が397件と、90年度（332件）以来の400件割れとなった。

　産業別でみると10分類のうち「建設業」や「サービス業」など７分類で前の年度を下回った。一方、燃料価格の高止まりや輸出の停滞で物流量が減ったことなどが響き「運輸業」は４年ぶりに増加に転じた。

　地区別では、９地区のうち北陸を除く８地区が前の年度を下回った。減少率が高かったのは東北で、13.9％減の354件。1967年度（322件）以来45年ぶりに400件を下回った。都道府県別でみると、33都道府県が前の年度を下回り全国的に倒産が減少した。

　2013年３月の企業倒産件数は、前年比20％減の929件、負債総額は52.4％減の1591億円だった。３月としては91年（772件）以来22年ぶりに1000件を下回った。負債総額100億円以上の大型倒産が12年９月以来６カ月ぶりにゼロ件だった。〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕