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武器貿易規制 実効性に課題と不安が 04月08日(月)

 通常兵器が市民の虐殺などに利用されないように国際的な取引を規制する武器貿易条約案が先日、国連総会で採択された。

 通常兵器は取引で拡散し、内戦やテロで使われることで市民が犠牲になっている現実がある。武器貿易に一定の歯止めをかけるルールづくりは初めてだ。非政府組織(NGO)や有志国の約20年にわたる取り組みで、採択できた意味は大きい。

 しかし、武器の輸出入に熱心な国はこうした制約には消極的だ。各国の条約への参加と着実な履行が今後の課題となる。国際社会は条約発効に向け、粘り強い活動を続けてもらいたい。

 条約は、武器が市民を狙った攻撃や人道に対する罪となる行為に利用されると分かれば、輸出入や仲介を禁じる義務を各国に課す。戦車、戦闘機などのほか、小型の武器も規制対象とし、貿易内容の記録と報告を求めている。50カ国の参加で発効する。

 採択までには曲折があった。日本を含む推進派が重視した昨年7月の会合は小銃などの小型武器、弾薬も含めるかが争点になった。中国が小型武器の除外を求め、米国が弾薬規制に消極姿勢を見せたことなどで決裂している。

 今年3月の交渉も北朝鮮やイラン、シリアの反対で合意に至らなかった。このため、推進派は多数決で決定できる国連総会に場を移し、採択にこぎ着けた。

 課題は多い。最大の武器輸出国の米国が賛成したとはいっても、政治的に影響力がある銃規制反対団体は批准を阻止する構えを見せている。武器貿易に積極的なロシアや中国などの対応も不透明だ。条約が発効したとしても、実効性が上がるか分からない。

 ストックホルム国際平和研究所の最新の報告によると、通常兵器の国際間取引は増えている。中国が冷戦後、初めて輸出量で5位に入った。輸入ではインド、中国、パキスタンなどアジア勢が上位5カ国を占めた。国同士の対立や紛争を通じ、アジアの軍拡が進んでいることを示している。

 日本は国是としてきた「武器輸出三原則」の下、武器輸出を慎んできた経緯がある。が、戦闘機の国際共同開発参加を決めるなど、例外を設けることで輸出緩和へ向けた動きを強めている。

 今回の条約づくりには積極的だったとしても、このような姿勢では国際社会の信用を失う。政府は三原則をしっかり守り、条約の実効性を高めることで世界の軍縮をリードしてほしい。

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