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“震災イシダイ”生き抜いた!漁船乗って太平洋8000キロ漂流
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日本漁船の船尾タンク内で元気に泳ぐイシダイ
Photo By AP |
2年前の東日本大震災による津波で流され、先月、米ワシントン州に漂着した日本の漁船内から、5匹のイシダイが元気に生きているのが発見され、7日までに米オレゴン州の水族館で一般公開された。漁船があった岩手県陸前高田市の港付近で船内に入り、そのまま太平洋を越えたとみられる。移動距離は推定約8000キロ。長旅に耐えた生命力が話題を呼び、人気を独占している。
イシダイは先月22日、ワシントン州のロングビーチに漂着した全長約6メートルの小型漁船「斎勝丸」の船尾タンク内で見つかった。成魚の体長は50センチほどだが、5匹はいずれも体長約10センチで手のひらほどの大きさだった。地元メディアによると最初に1匹が見つかり、さらに4匹が、よどんだ水中を元気に泳いでいるのが見つかったという。
水族館が1匹を引き取り6日に展示を始めたところ、「ツナミが運んだ魚」として話題に。はるばる太平洋を越えやって来た“奇跡の魚”に、驚きの声が上がっている。
イシダイは日本近海や東シナ海、朝鮮半島周辺の暖流海域など限られた水域にしか分布しない。漁船の持ち主の斎藤勝雄さん(72)によると漁船は震災当時、陸前高田市小友町の只出漁港に陸揚げされており、「日本の沖合を漂流している最中に棲み着き、そのままアメリカまで流れていったのでしょう」と話す。
日本近海で船内に入ったとすれば、漂着地までの距離は約8000キロ。さらに、イシダイは水温の変化に弱いとされる種類だ。米CNNは「一般的な魚の頑健さは承知しているが、これほどの長旅を生き抜いたことは驚き」とする専門家の見解を紹介し、5匹のたくましさを強調した。
生存できた要因について同専門家は、タンクのあった船尾が海面下に沈み、出入りできる「すみか」の役割を果たしていたと指摘。また、斎藤さんは「船にはフジツボがたくさん付着していたと聞いたので、プランクトンなどの栄養分が豊富な状態が保たれていたのではないか」と話した。
斎藤さんはすでに新しい船で昨年から漁を再開している。津波にめげず生き続ける5匹の姿が、「自身に重なる部分もある」としみじみ。「イシダイも頑張って生き抜いて向こうまで行ったんだから、自分たちも一生懸命頑張って、魚をいっぱいとっていきたい」と声に力を込めた。
▽イシダイ スズキ目イシダイ科に属する魚の一種。白地の体に、背から腹にかけて7本の太いしま模様が入っているのが特徴。成長は遅いが、寿命は20年以上とも言われ、大きい個体では全長70センチを超えるものも。成魚は主に荒磯の岩礁地帯に棲息し、環境の厳しさや個体数の少なさ、引きの激しさなどから磯釣りの対象として人気が高い。食材としても美味で、旬は秋ごろ。
[ 2013年4月8日 06:00 ]
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