福島第1原発:漏水、今後も最大47トン…地下貯水槽
毎日新聞 2013年04月07日 08時12分(最終更新 04月07日 10時02分)
東京電力福島第1原発の敷地内で、地下貯水槽から放射性汚染水約120立方メートル(約120トン、推定)が漏れた問題で、東電は6日、問題の貯水槽から別の2基への汚染水の移送を始めたと発表した。3日程度で完了する見通しだが、最大47立方メートル(47トン)程度が漏れる可能性があるという。東電は原因は調査中としているが、作業上のミスのほか、汚染水の塩分濃度が高いことに伴う防水シートの遮水機能低下の可能性が浮上している。
ためられているのは、放射性セシウムが取り除かれた後などに残る濃縮塩水で、ストロンチウムなどは含まれている。東電は漏えい防止のため、問題の貯水槽(縦60メートル、横53メートル、深さ6メートル)内の約1万3000立方メートルの水を全部抜く作業を開始。常設1台に仮設を加えた計5台のポンプを使っている。
東電によると、貯水槽は計7基あり、大きさは異なるが構造は同じ。防水のため、内側にはポリエチレン製のシート(厚さ1.5ミリ)2枚、その下に粘土質のシート(厚さ6.4ミリ)1枚が張られ、シート間には緩衝材の不織布が敷かれている。周りの土壌は水が通りにくいように改良。注水前には水漏れがないことを確認していたという。