福島第1原発停電:電源二重化を前倒し 東電が対策
毎日新聞 2013年03月29日 東京夕刊
東京電力福島第1原発で大規模停電し、複数の使用済み核燃料プールの冷却が停止した問題で、東電は29日、冷却装置の電源二重化の完了時期を前倒しすると原子力規制委員会の有識者会合で報告した。
東電は26日までに1〜4号機プールの冷却装置の電源二重化を実施。一方、1〜6号機の核燃料6377本を保管している共用プールは、9月末までに完了を予定していた二重化の計画を前倒しする。停電の原因となったネズミの侵入を防ぐため、ケーブル貫通部の隙間(すきま)を埋めるなどの対策も行う。
また、東電は今回の問題の発表に3時間かかった理由を「プール冷却停止の情報はあったが、確定情報でなかった」と説明。規制委の更田(ふけた)豊志委員は会合で「どの段階になれば公表するか、などルールの再検討を」と東電に求めた。一方で、「規制委としても早めの情報発信を指導できなかったのは反省点」と述べた。【岡田英】