福島第1原発:汚染水漏れ、3日に疑い浮上 対応後手に
毎日新聞 2013年04月07日 11時35分(最終更新 04月07日 12時07分)
福島第1原発の地下貯水槽から汚染水が大量に漏えいした問題で、東京電力は6日未明から断続的に県庁で緊急の記者会見を開いた。3日の時点で漏えいの疑いが浮上していたが、「断定できなかった」として、関係自治体への通報や公表は5日深夜になってから。対応は後手に回り、東電福島広報部は「みなさまにご心配をおかけし、誠に申し訳ない」と謝罪した。【蓬田正志、神保圭作】
東電によると、定期検査で、3日に貯水槽の外側の水たまりで通常より高い1立方センチ当たり20ベクレルを検出。しかし、「放射性物質が付着した土を含んでいる可能性もある」などとして通報・公表せずに調査を継続した。
4日には貯水槽の水位が3月上旬から0.5%減少しているのも確認したが、「蒸発なども考えられた」(東電)。5日深夜、貯水槽に張られている三重のシートの間にたまった水から同約6000ベクレルと高い数値を検出し、水漏れと判断。通報・公表したという。
会見では、3日時点で漏えいを疑っていなかったかとの質問に、広報担当者は「可能性はあったが断定はできなかった」などと説明。「早くお知らせするべきだったのかもしれない」と話した。
◇県が緊急会議
一方、県は6日、原子力などの担当者を集めた緊急の関係課長会議を開催。参加した職員からは「別の貯水槽に移送する間にどれだけの汚染水が漏れ出す可能性があるのか」など、さらなる汚染を懸念する声が上がった。