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【ゴルフ】

19歳 比嘉真美子が初V 4日間大会日本最年少記録

2013年4月8日 紙面から

◇ヤマハレディース葛城 <最終日>

 母親の彰子さん(右)、姉の久美子さん(左)に囲まれ優勝カップを手に笑顔を見せる(武藤健一撮影)

写真

 ▽7日、静岡県・葛城GC山名C(6549ヤード、パー72)▽曇り、気温14・2度、風速7・2メートル(12時現在)▽賞金総額1億円、優勝1800万円▽72選手▽観衆3835人

 またも新星現る。コース付近の磐田市で最大瞬間風速21・3メートルが計測されたほどの強風が吹き荒れる中、前日12位のルーキー・比嘉真美子(19)が、大江香織(23)、テレサ・ルー(台湾)=太陽生命=をプレーオフ2ホール目で破り、ツアー初優勝を飾った。通算4アンダー。19歳178日での初Vは史上6番目のスピード達成で、4日間大会初Vに限れば日本人最年少記録。森田理香子(23)=リコー=は横峯さくら(27)=エプソン=らとともに6位だった。

 右の握りこぶしが、腰の高さで大きく動いた。プレーオフ2ホール目、この日3度目の18番グリーンで、1・5メートルのバーディーパットを決めた瞬間だった。「入れることしか考えてなかった。入った後に手も足も震えてきました」と比嘉。19歳。昨年8月のツアーデビューからわずか10戦目、涙もない、貫禄の初勝利となった。

 時折突風が吹く、やっかいな天候となった最終日。比嘉は首位と5打差の12位から「優勝なんて考えずに、こういうコンディションだから、気持ちよく18ホールを終えられたらいいなと思ってスタートした」という。1番でいきなりボギーをたたいたが、2番以降は3バーディー、ノーボギー。終盤に向かって空はますます荒れたが「風とか雨というのは自然のもの。それらに勝つとかではなく、それらを利用して攻めようと思った。イヤだなと思わずにプレーできたのがスコアを伸ばせた要因だと思う」

 正規のラウンドを70で終えると、後続組の選手たちのスコアが崩れ、大江、ルーとの3人プレーオフに。「ここまで来たら絶対に勝ちたい。絶対に自分を曲げない。自分のスタイルを貫いて戦うと決めていた」と比嘉。持ち前の飛距離で果敢に2オンを狙う。そのポテンシャルの高さを十分に見せつけた。

 自身が7歳の時、8つ年上の兄・良樹さん(当時15歳)が病気で亡くなった。高校2年だった11年6月には父・宏さんが60歳で他界した。「5人いるはずの家族が3人に減ってしまって。本当につらい思いがたくさんありすぎて、母も姉も…。私は一番下で、明るく振る舞って元気づけるくらいしかできなかった。だから、プロになったら今度は私が2人を支えていくという気持ちが強くなった」という。

 今春から東京都内で一人暮らしを始めてたが、「いつも2人がツアーに帯同して、全力のサポートをしてくれてる。今回の優勝は家族みんなで勝ち取ったと思います」

 実力が問われる4日間大会、最悪の天候の中でのVに「ホントに大きな自信になる。まだまだ未熟な部分はたくさんあるけど、この優勝は今後に生きてくると思う」。プロとして身につけた自信は、アマチュア時代の輝かしい実績のどれより、これからの比嘉を強くしていくだろう。

  (月橋文美)

 

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