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【格闘技】

ほら吹き興毅 判定で6度目防衛

2013年4月8日 紙面から

試合後、リング上で土下座する亀田興毅=ボディメーカーコロシアムで(佐々木彰尚撮影)

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◇WBA世界バンタム級タイトルマッチ

 ▽7日▽大阪・ボディメーカーコロシアム▽観衆7500人

 WBA世界バンタム級王者の亀田興毅(26)=亀田=は、同級8位の挑戦者パノムルンレック・カイヤンハーダオジム(29)=タイ=に2−1の判定で辛勝。6度目の防衛に成功したものの3、5、8、10回のいずれかでKOするという予告を裏切る思わぬ苦戦に、顔面を腫らした興毅は「しょうもない試合をして、申し訳ありませんでした」とリング上で深々と頭を下げた。

◆涙…土下座…

 興毅が泣いていた。うれし涙ではなく、悔し涙だった。辛うじて、判定勝ちを収めると、「しょうもない試合で申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げた。さらに、リング上で四方に土下座までした。リングを下りる興毅の目は涙で濡れていた。

 前日は、ラウンドガールを務めるトップモデルに3、5、8、10と書かれたボードをそれぞれに持たせて、KOラウンドを予告した。「モハメド・アリもカシアス・クレイ時代にKOラウンドを予告して、ほら吹きクレイと呼ばれた。外れたら、ほら吹き興毅と呼んでや」と軽口をたたいたが、思わぬ苦戦を強いられた。

 タイ人は総じてボディが弱い。興毅はガッチリとガードを固めて、接近戦に出て、ひたすらボディ攻撃に出た。手数なら挑戦者のパノムルンレックが上回っていた。興毅の顔面は2回から真っ赤になり、4回に鼻から流血。ボディ攻めで挑戦者は終盤に失速すると思われたが、失速したのは興毅の方。ロープを背にするシーンが多くなり、11回、連打を浴び棒立ちになった。辛うじて、クリンチで逃れたが、薄氷の判定勝利だった。

 試合後はまるで敗者の会見だった。シャワーを浴び、約30分後に現れた興毅は腫れ上がった両目を隠すようにサングラスをかけていた。そこには、「予告が外れたら、ほら吹き興毅と呼んでくれ」とリップサービスをした強気の興毅はそこにいなかった。

 「まだまだですね。6度目の防衛でもアカンもんはアカン。言い訳するつもりもないし、この世界、結果が全てだから。何言うても意味がない。いつも、崖っぷちやけど、首の皮一枚つながったということ。涙? なんなんやろね。目にホコリがはいったんちゃうかな」と天井を仰いだ興毅。最後の“ジョーク”が、王者の精いっぱいの強がりだった。 (竹下陽二)

 

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