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志賀島2011年04月09日
衣替えには早いけれど、装いを新たに始まる「ぶら福」。まず訪れたのは、「漢委奴国王」の金印で有名な志賀島（福岡市東区）。ぽかぽか陽気が、気持ちよかったです。 島の高台にある潮見公園。展望台に登ると、海の中道や福岡市の中心部がはっきり見える。 渡辺 天気もいいし、海の青さがきれい。 渕上 公園も、木や草が刈られていて、ちゃんと手入れされていますね。 実は最近まで、木が生い茂り、眺めをじゃましていたという。公園に続く散策路は竹などがうっそうとし、昼間も薄暗い。地元自治会の三浦桂稜会長（７４）は「島を訪れた人に『こわくて通れない』と言われたこともある。高齢者ばっかりで、自力できれいにするのが難しかった」と振り返る。 住民と福岡市、ＮＰＯなどが協力して、放置竹林や樹木の伐採、道路の清掃などをした。道はきれいになり、公園に眺望が戻った。自治会の坂本勲副会長（６９）は「島に元気がみえるようになってきた」と手応えを感じている。 島の東海岸を歩くと、二見岩といわれる三角形の岩が二つある。ここは竜宮瀬ともいわれ、島独自の浦島太郎伝説が残る。 「島の北側の勝馬は、浦島（裏島）と呼ばれていた。そこに住む太郎は、郷長の一人娘と夫婦になる約束だった。ある日、海辺で助けた亀に連れられて、竜宮城で乙姫さまの歓待を受ける」 ところが、志賀島の太郎は玉手箱を開けて白髪の年寄りにはならない。竜宮城から村に戻り、最後は郷長の娘とめでたく結ばれる。 ＮＰＯ法人志賀島歴史研究会の古賀偉郎理事（６９）は「ハッピーエンドの浦島太郎はあまり聞かないですね。海の男は家族を思い、家族も夫や息子を大事に思った。そんなやさしさがハッピーエンドの裏にあるのかな」とほほえむ。 渕上 終わりよければすべてよし、という意味では「ぶら福」はいつも最後ですべってますね。 渡辺 で、最初につかんだワラを大事にして、長者に……なれたらいいね。 ■記者から ちなみに、海岸沿いの道を一周すると約１０キロ。潮見公園に向かう坂は、けっこう急だ。「ぶらつく」というよりは、ウオーキングかクロスカントリーに近かった。脚力に自身がない人は、自転車で巡るのも手だと思う。 ■「海神の総本社」 葬式に参列したら神社に入ってはいけない。参道は神の道で、棺を運んではならない。けがれへの厳しい習わしが、いまも島には残る。それだけ住民は、社を心から大切に思っている。 ■こだわりの干物 昨年６月には、福岡市中央区今泉１丁目に和食海鮮の店「かつやま」（０９２・７３５・２００６）を開いた。「本当においしい干物の味を、多くの人に知ってもらいたい」 ■安心の椿油 クレンジング剤として使ったり、水で薄めてリンス代わりに使ったり。「添加物が入ってないので、安心して使ってもらえます」 ■漁協 漁協では４月１７日から、毎月第１、３日曜日に朝市を開く。新鮮なアジやカレイ、タイなどが人気で、例年、朝８時の開始前から人が並び、３０分ほどで売り切れる盛況だという。
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