2013年03月01日

あす、琉球伝統競馬(ウマ ハラセ-)が復活

 沖縄には、かつて世界に類がない、

走りの美しさを勝負する競馬があった……


 沖縄の在来馬は、長い年月、人々の生活に近い場所でともに暮らし、作業の役割だけでなく、供犠、祭祀、催事に大きく関与してきた大切な生き物だった。その在来馬の重要性は単に経済的尺度のみではなく、耐病性、耐暑性などの遺伝資源としての重要性、体躯の大きさ、走り方など人間社会との関係からの文化資源としての重要性があげられ、沖縄の地域で成立した他では見られない馬となっている。 
 沖縄には琉球王朝の時代から世界に類を見ないスタイルの競馬が連綿として続いてきた。現在の競馬が多頭数によるタイムを競うスピードレースとすると、この琉球伝統競馬(ウマハラセー)は華麗な装飾を施された2頭の馬が「走りの優美さ」を競うものだった。その馬場の跡が現在も県内各地に残されている。
 現在も季節行事として、また県民の娯楽として続けられている「闘牛」とはちがって、この琉球伝統競馬は1943年を最後に途絶えてしまった。
3月2日と10日、沖縄こどもの国で70年ぶりに復活する。








 
(琉球新報3/1)



 
(沖縄タイムス2/28)



 (
琉球新報2/28)



 (
琉球新報3/1)



●書名 消えた琉球競馬  幻の名馬「ヒコーキ」を追いかけて
梅崎晴光著
四六判 344頁
1890円
2012年11月21日発行

■著者プロフィール
梅崎晴光(ウメザキハルミツ)
東京・高円寺生まれ。86年、スポーツニッポン新聞(スポニチ)入社。90年からJRA中央競馬担当。

 琉球・沖縄で行われていた競馬は「馬追」(ンマウーイ)「馬勝負」(ンマスーブ)などと呼ばれて、宮古馬などの小柄な沖縄在来馬が、速さを競うのではなく、足並の美しさを競った優雅な競馬である。馬具に華麗な装飾を施し、直線走路で美技を競い合う独自のスタイルが、琉球王朝時代から戦前まで約三〇〇年間、連綿と受け継がれて、沖縄人・ウチナーンチュを熱狂させた。昭和初期には、「ヒコーキ」という不世出の名馬が琉球競馬の頂点に立ったと伝えられる。だが今、その詳細は、どこにも明かされていなかった。何故、琉球の競馬は消えてしまったのだろうか? 名馬「ヒコーキ」はいずこへ……。

現役の競馬記者が沖縄各地の馬場跡を訪ね歩き、沖縄人も忘れ去った歴史と文化を掘り起こしたノン・フィクション! 沖縄の近代史を駆け抜けた琉球競馬の世界が蘇る!(ボーダーインク社HPより)


目次
プロローグ  10

第一章 幻の琉球競馬 
   琉球競馬との出合い/平良真地の大競馬/琉球競馬とは/独特な走り方/競馬の仕組み/沖縄の馬場/最後の名馬「ヒコーキ」

第二章 山原、中頭馬場巡り  
   蔡温がたたえた馬勝負― 今帰仁/在りし日の今帰仁の競馬 /ヒンプンガジュマルは馬場だった―名護/馬所読谷の宮古馬/琉球競馬の名人・屋良朝乗―読谷/馬場は基地の中―嘉手納、北谷/歴史に翻弄された松並木―宜野湾

第三章  琉球競馬の歴史
   琉球馬の進貢/琉球競馬の記録/琉球競馬の背景/農民の競馬/馬の事件/馬の商売/伝説の名馬 野国青毛と仲田青毛/二つの馬の絵画の謎/琉球競馬の伝道者

第四章 那覇、首里馬場巡り  
   馬主必勝祈願―上間/古波蔵の祝賀競馬/潟原の馬場/ジュリ馬スネー/新暦の行事として行われた競馬/蘇ったいにしえの馬場―識名/首里八景の御料馬/首里城の群馬

第五章 島尻馬場巡り  
   王朝から拝領された馬場―具志頭/フェアウェイになった馬場―玉城/伝説の調教師・松嘉那―南風原/古戦場だった馬場―大里/三山時代から続いた馬場―豊見城/「陸のハーリー」―東風平/糸満馬場巡り 

第六章  琉球競馬の終焉
   「ヒコーキ」のしっぽが見えた……か/高級住宅地になった馬場―北中城/十五夜の馬勝負―胡屋/ブリュンマの風俗画―石川/琉球競馬の終焉/琉球馬の最期

第七章  「ヨドリ与那嶺小」と「ヒコーキ」が歩んだ道 
   「ヨドリ」の謎/遺念火の出た馬場―具志川/ヤナムンの出た馬場―知花/知花の花織/ついに分かった「ヨドリ」の意味/ミツさんの思い出/ 「ヨドリ与那嶺小」の歴史/沖縄を駆け巡った「ヨドリ与那嶺小のヒコーキ」/消えた「ヒコーキ」/「父のかけがいのない宝物…」/ようどれから平良真地へ

番外編  島々の名馬ものがたり 伊江島、石垣島、宮古島編

   伊江島 波瀾万丈!マーパラシェ/戦時下の馬/戦後の歩み
   石垣島 赤馬の時代/馬行事/希代の快速馬と「馬のタン」
   宮古島 人頭税廃止と競馬/ヌーマピラス/伝統を受け継ぐ宮古馬/名馬「恒雄コーザ」



3/3追記

 
(琉球新報3/2)



 
(沖縄タイムス3/3、記事原文はこちら



 
(琉球新報3/3、記事原文はこちら



動画はこちらで見られます
     下
「琉球競馬」70年ぶりの復活 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130302/k10015906761000.html


3/10追記

 
(琉球新報3/7)



 
(琉球新報3/8)



 
(琉球新報3/9)



3/11追記

 
(沖縄タイムス3/11)



3/12追記

 
(沖縄タイムス3/12)



3/17追記

 
(琉球新報3/17)



 
(琉球新報3/17)



 
(琉球新報3/17)



 
(琉球新報3/17)



 
(琉球新報3/17)


1
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この記事へのコメント
 ウマハラセーと拙著をご紹介いただき、
誠にありがとうございました。梅崎
Posted by 梅崎 晴光 at 2013年03月02日 22:33
>梅﨑さん
はじめまして、ご本人から連絡いただけるなんて恐縮です。
2日の学会例会に参加することができずお話を直接お聞きする機会を逸しました。沖縄には時々来られるのでしょうか?
といいますのは、わたくし、仲原馬場のある今帰仁に住んでいるのですが、私が所属する「今帰仁グスクを学ぶ会(http://nakijingusuku.com/)」の勉強会に梅﨑さんをお呼びしたいとかねてより思っていました。しかし本土から来ていただく旅費の予算がわが会にはありません。今回のように沖縄に来られた時に、ついでに今帰仁まで足を延ばしていただけたらなんて虫のいいことを実は考えていました。
もしそんなご予定が今後ありましたらぜひ早めにお知らせいただけるでしょうか。こんな場で不躾なお願いをして気を悪くされたらごめんなさい。今帰仁からのラブコールということでお許しください。
Posted by ミチさんミチさん at 2013年03月03日 22:38
 ミチさま。
 梅崎晴光と申します。
 ご返信に気づかず、申し訳ありません。
 今帰仁村の今泊には親しくしていただいている方が
たくさんいるため、沖縄へ行った折にはまず今帰仁に
足を運んでおります。2日の学会例会の前にも参りま
した。次に今泊に行く際には「今帰仁グスクを学ぶ会」
様の勉強会を是非見学させていただきたく存じます。
Posted by 梅崎晴光 at 2013年03月12日 20:14
>梅﨑さん
今泊とそんなご縁があったとはうれしいですね。ぜひ今泊公民館に今帰仁の人を集めて梅﨑さんのお話を聞く会をセッティングしたいですね。そのときはよろしく。そしていつの日か今帰仁でも馬を走らせてみたい。史跡「仲原馬場」はそのために大切に残されているのですから。村と村民が一つになってそんな取り組みができたら実現するのではないでしょうか。
 2/28の新報に続いてきょうのタイムスに梅﨑さんの記事が掲載されていましたので上に追記しておきました。私への連絡方法ですが、「今帰仁グスクを学ぶ会」のHPに会の連絡先が載っていますので、そこで聞けば私のケータイを教えてくれるはずです。お会いできる日を楽しみにしています。         ヤマノウチ
Posted by ミチさんミチさん at 2013年03月12日 23:51
 ヤマノウチさま
 梅崎です。
 仲原馬場でのンマハラセー復活を沖縄こどもの国の方も強く願っています。かつての姿がほぼそのまま残されている馬場跡を舞台にした伝統競馬の復活を心待ちにしています。
 今帰仁村にうかがう際には連絡させていただきます。
Posted by 梅崎晴光 at 2013年03月13日 18:00
 
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