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風景描写観察日記
 小説を書く際に役に立つものの一つとして、日記やブログの記事があげられます。
 日記やブログは、自分の経験したことを自分の手でまとめたものですから、「以前昔がどのような経験をしたのか」というのが後からでも思い出すことができます。
 何も書き留めていなければ、なかなか思い出すのに苦労しますし、使える材料がそれだけ減ってしまうわけです。
 今からでも、日記をつける習慣をつけるというのもよいと思います。

 最近はツイッターがはやっており、一言だけつぶやくという手軽さがブログや日記とは違う利点を生み出します。
 自分が体験したことをちょっと一言つぶやく。これを繰り返すだけでも、もしかすると小説の材料として機能するかもしれません。
 わざわざ取材をする手間も省けますから、いろいろと気が付いたことをつぶやいてみましょう。


 ただ、日記は何も自分が体験したことを書き留めるだけではありません。
 例えば、自分が歩いていて感じたこと、風景や季節の移り変わりだけを書き留めておく、というのはどうでしょうか。
 すなわち、「風景描写観察日記」をつけてみることです。
 毎日と言わずとも、何か気が付いたときにメモしておくと、例えば夏に冬の風景描写をしたい、というときに役に立つかもしれません。

 一例を挙げてみましょう。昨日の通勤時の風景です。

 朝七時すぎ、いつもより通勤時間が遅い、駅前の道路。
 自転車で走ると、冷たい空気が肌を切り裂く。ちょうど通勤者が多いためか、いつもより車が多く走っている気がする。
 あたりを見ると、黒や深緑と言った、暗い色のコートや上着、そしてデニムを穿いている男性が多い。女性は、白くてふわふわした飾りがついたコート。
 少し暗い空、今日は雪が降ると言っていた。歩く途中、夜の間に雪が降っていたのか、わずかに積もった雪が点々としていた。
 駅のバス停に到着したバスから、次々と乗客が降りてくる。その乗客たちは、降りるとすぐさま駅の改札に走って行った。おそらく、次の電車の乗継時間があまりないのだろう。
 自転車を駐輪場に停め、走って駅の改札に向かう。改札口は、通勤客でごった返し、なかなか改札を抜けられない。
 駅のホームは思ったより少なかった。反対方向へ向かう客が多いためだろう、反対側のホームの客の数はとても多い。
 電車が到着すると、中にはほぼ満員の客。だが、その客が一気に降りると、席はがらがらになった。次の駅が終点のためだろう。


 という感じで、「天気」「場所」「人通りの多さ」「交通量」「道端の様子」「気温」「建物の様子」「人の動き」等を書いていくとよいのではないかと思います。

 風景描写の書き方については、小説をたくさん読んで、風景描写をどのようにしているかの勉強をすればいいでしょうが、思い浮かべる風景というのは実際の経験が生かされます。
 たくさんの経験を無駄にしないためにも、いろんなメモを取っておくとよいでしょう。


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