韓国GMが富平の第1・2工場統合、中型車減産か

 韓国ゼネラル・モーターズ(GM)が、小型車を生産する富平第1工場と中型車を生産する富平第2工場を来年までに単一工場として統合する。韓国GMのセルジオ・ロシャ社長が最近、労使の幹部会議で「富平工場は一つの巨大な工場として完全に統合する」と発言したことが3月6日までに分かった。

 会議録によると、現在二つの工場で生産中の4車種(アベオ、トレックス、マリブ、アルフェオン)は統合以降、単一の組み立てラインで生産する計画だ。韓国GMは統合理由について「小型車と中型車を一つの生産ラインで生産することで、需要の変化に効率的に対応するため」と説明した。しかし一部では、ゼネラルモーターズ(GM)が富平工場での中型車の生産を減らすための事前措置なのではないかとする見方もある。この場合、後々人材削減などの構造調整が行われる可能性がある。

■軽自動車・小型車を除いた完成車の生産は減少か

 会社側は、第1、2工場を統合しても現在の水準の生産台数や雇用は維持できると主張する。しかし、これが最後まで守られるかどうかは未知数だ。実際に、富平の第1、2工場に投入する次世代モデルの中小型車「アベオ」の後続モデルは今後も引き続き生産が維持されるか増加される見通しだが、中型車「マリブ」の後続モデルの生産は減っている、と韓国GMも認めているからだ。「アベオ」の後続モデルの生産が大幅に増加しない限り、富平工場全体の生産台数は徐々に減ってしまう可能性があるというわけだ。

■GM「韓国GMの人件費は削減すべき」

 ロシャ社長は同日、韓国GMのCKD(半製品の組み立て輸出)と整備部門を外注に回すとの方針も明らかにした。現在、韓国GMに占めるCKDの割合は全生産の60%に上っている。これについて、同社長は「整備部門での損失が内需部門の赤字の相当部分を占めているため」と説明した。

 従って、整備部門の施設賃貸、希望退職、部署移動、他の会社への転職サービスを提供したり、正規職の社員が整備事業所を買い取って運営できるよう資金を援助したりする計画を検討中だ、と会社側は明らかにした。CKDを収益性の改善に向け外注化すると同時に、希望退職や部署移動もあり得るとの説明だ。

 韓国GMが生産の外注化や効率化に乗り出したのは、GM本社が、韓国GMの製造コストが非常に高いと見ているためだ。また、韓国GM全体の生産台数のうち内需の占める割合が30%は超えなければならないが、現在のところわずか17%にとどまっており、収益性に問題があると判断している。韓国に販売網やアフターサービス網を敷き、シボレーブランドを定着させるために数千億ウォン(数百億円)を投入したものの、それほどの効果は上がっていないというわけだ。

 その一方、GMが大宇ブランドを捨ててシボレーに乗り換える過程で、韓国人消費者の要求に応じようとする努力が足りなかったのではないか、とする批判の声もある。

 このほか、米財務部が今も保有中のGMの持分(全体の20%)が、来年初めに全て売却されることも一因と見られている。米財務部は持分をできる限り高く売ることで、2009年にGMが破産保護申請を提出して以降に投入した膨大な公的資金を回収しなければならない。従って、GM側にコスト削減を通じた企業価値の向上を強く要求しており、GMは韓国GMの製造コストを減らし、その要求に応じる以外に手立てはないとの見方が強まっている。

崔元碩(チェ・ウォンソク)記者
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