大山復活Ｖへ２打差２位　副賞ピアノ欲しい

　▽６日、静岡県・葛城ＧＣ山名Ｃ（６５４９ヤード、パー７２）▽曇り、気温１８・４度、風速５・４メートル▽賞金総額１億円、優勝１８００万円▽７２選手▽観衆２８１７人

　２００６年賞金女王ながら肘、肩の故障からシードを手放し、今季に復活をかける大山志保（３５）＝大和ハウス工業＝が３バーディー、４ボギー７３と踏ん張り通算５アンダー。首位と２打差の２位で最終日を迎える。運動能力には定評のある大山は、実はピアノ演奏も得意で、大会Ｖ副賞のグランドピアノにひときわ魅力を感じている。首位は７アンダーのイ・ボミ（韓国）、４アンダーの３位に横峯さくら（２７）＝エプソン＝ら４人が続いている。

　２週連続、単独２位で最終日に突入する大山。前週は首位と３打差。今回は２打差から復活Ｖを目指す。

　激しい雨と、時には傘もさせないほどの強風が吹く、大荒れの一日となった第３ラウンド。大山は天気の穏やかだった前半、７番ホールで８メートルのパットを沈めるなど３バーディー、１ボギーとスコアを伸ばした。「雨風で大変だったけど、それでも風は好きなので、楽しみつつ慎重にプレーしました」。暴風雨となった１２番以降に３つボギーを出したが「得意のパンチショットを試せるチャンスだったし、忍耐力をつけようと思って頑張った」と言う。

　今週のエネルギー源の１つは、クラブハウスロビーのど真ん中に鎮座している優勝副賞のグランドピアノだ。「私、子どものころからずっとピアノを習ってました。新しい家を建てた時（賞金女王翌年の０７年）にピアノルームも作ったんですけど、まだ主役がいないままなんです」と大山。うっとりとピアノを眺めながら「弾きたいですねぇ。宮崎に連れて帰りたい」とつぶやいた。

　「明日も風が強いみたいなので、パンチショットで攻めて、たくさんパットを決めて、早いうちにトップとの差を詰めていきたい。ゴルフは全体的にいい感じなので、チャンスはあると思う」。１１年１０月のマスターズＧＣレディース以来の通算１３勝目へ、大山のピアノ狂騒曲が始まる。　（月橋文美）