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【プロ野球】

菅野プロ初勝利 「巨人に入ってよかった」

2013年4月7日 紙面から

巨人ー中日プロ初勝利を挙げた菅野(右)をねぎらう原監督=東京ドームで(市川和宏撮影)

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◇巨人6−4中日

 23歳の青年らしい、無邪気な喜びがあふれた。「1年間我慢してここまで来られた。あらためてジャイアンツに入って良かったと思います」。巨人・菅野が8イニング4失点で初勝利。浪人生活を耐え抜いたルーキーがプロの第一歩を踏み出した。

 5回まではゼロ行進。6回にルナにプロ初被弾となる3ランを許すと、8回にはクラークにも1発を浴びた。「前半はすべてうまくいったけど、2巡目以降は見逃してくれない。1球の怖さを感じました」。反省はあるが、2度目の先発で堂々と勝ち名乗りを受けた。

 一昨年ドラフト、日本ハムの指名を拒否した。投手として伸び盛りの時期に、1年間ゲームから遠ざかることを意味する選択だった。暗中模索の毎日の中、心掛けたのは実戦勘を失わないことだ。「打者を想定することは常に意識してやってきたつもり」。週に一度は東海大の後輩相手にマウンドに立った。昨夏の神奈川大会前には母校の東海大相模高のグラウンドに出向き、シート打撃に登板。金属バットを持った高校生を相手に腕を振ったこともあった。

 一足先にプロの門をたたいたライバルの姿も目に焼き付けた。広島・野村(明大出)とロッテ・藤岡(東洋大出)。ともに大学ビッグ3と呼ばれた2人の登板試合は全試合を映像でみた。自分なら…。しのぎを削った好敵手をフィルターに、プロのレベルを体感した。すべては1年後、伯父の原監督率いる巨人のユニホームを着て飛躍するため。先の見えない日々を支えたのは、幼いころに誓った夢だった。

 伯父としてのコメントを求められた原監督は「(伯父の自分は)家で涙を流してるんじゃない?」と漏らした。菅野の目標はずばり、伯父としてかわいがってくれた指揮官を超えることだ。「今は(原)監督のおいっ子という立場だけど、いつかは自分の伯父さんが(原)監督と言われるようにしたい。超えたいな、と思う」。菅野はこう言い切った。「原さんは、あの有名な菅野の伯父さんなんですね…」。いつかそう言われるように。憧れたマウンドで、夢の続きを追う。 (臼杵秀之)

 

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