ハプスブルク家:120年の友情…皇帝のひ孫が初来日

毎日新聞 2013年04月04日 15時01分

ハプスブルク家の紋章「双頭の鷲(わし)」が描かれた旗を手にするハプスブルク・ロートリンゲンさん(右)とマクシミリアンさん=東京都渋谷区で2013年4月3日、袴田貴行撮影
ハプスブルク家の紋章「双頭の鷲(わし)」が描かれた旗を手にするハプスブルク・ロートリンゲンさん(右)とマクシミリアンさん=東京都渋谷区で2013年4月3日、袴田貴行撮影

 欧州の名門「ハプスブルク家」の一員で、王家崩壊につながった第一次世界大戦中にオーストリア皇帝位にあったフランツ・ヨーゼフ1世のひ孫に当たるマルクス・サルバトール・ハプスブルク・ロートリンゲンさん(67)が初来日した。日本に関心が深く、オーストリアの古城に日本の骨董(こっとう)品などを集めた博物館や文化交流センターを造る計画を進めている。今年は祖先に当たるオーストリア皇太子が来日してから120年。両国の交流史を彩るさまざまな人とも交流予定だ。【袴田貴行】

 ◇日本ゆかりの博物館計画

 ハプスブルク・ロートリンゲンさんは3日に来日。9日までの滞在中、かつてオーストリア皇太子も訪れた日光や浅草などを訪ねる。「日本に来ることができて感激している。100年以上続くオーストリアと日本の友情を一層深めたい」と話す。

 欧州文化を愛する人たちで作る「日本ハブスブルグ協会」の事務局長で東京都内に在住するギーブ・ヘルムートさん(64)と以前から交流があり、オーストリアと同様、古い伝統と文化を持つ日本への関心を深めたという。

 ハプスブルク家で歴史的に有名な人物の一人が、第一次世界大戦の引き金となった「サラエボ事件」で暗殺されたオーストリア皇太子フランツ・フェルディナント。1893(明治26)年8月、世界一周旅行中に日本に立ち寄った。

オーストリア皇太子の来日を似顔絵入りで報じる1893(明治26)年8月の東京日日新聞(毎日新聞の前身)
オーストリア皇太子の来日を似顔絵入りで報じる1893(明治26)年8月の東京日日新聞(毎日新聞の前身)

 この2年前の1891年、来日中のロシア皇太子が日本人警官に切りつけられる「大津事件」が発生。日本の国際的な評価が低下すると懸念されていただけに、明治政府は「墺(おう)国」(オーストリア)の皇太子を熱烈に歓迎した。皇族や陸奥宗光(むつむねみつ)外相が駅のホームで出迎え、3週間の滞在中に新聞も大きく報道。今年はそれからちょうど120年後という節目の年になる。

 オーストリア皇太子の来日時は、駐日公使のビーゲレーベン男爵や書記官のクーデンホーフ・カレルギー伯爵らが随行した。男爵のひ孫は現在、横浜市在住でスキーインストラクターをしているダウブレブスキーシュテルネック・マクシミリアンさん(59)。伯爵はその後、日本人女性と結婚し、孫のリヒャルト・クーデンホーフ・カレルギーさん(75)は神奈川県茅ケ崎市に在住し、画家として活動している。

 5日に都内で開かれる歓迎パーティーには駐日オーストリア大使のほか、マクシミリアンさんやクーデンホーフ・カレルギーさんも出席予定だ。

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