「重大事故の敷地境界線量評価をせよ」滝谷紘一氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
アドバイザリーグループ 5人の元原発技術者が「新安全基準骨子案」の問題点を暴く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/72000
■出席者 「原子力規制を監視する市民の会」アドバイザリーグループメンバー
小倉志郎氏(元東芝原発技術者)
後藤政志氏(元東芝原発設計技術者、元ストレステスト意見聴取会委員)
滝谷紘一氏(元原子力技術者、元原子力安全委員会事務局技術参与)
田中三彦氏(元日立原発設計技術者、元国会事故調査委員会委員)
藤原節男氏(元三菱重工原発設計技術者、元原子力安全基盤機構検査員) 他
司会 菅波(すげなみ)
「原子力規制を監視する市民の会」アドバイザリーグループとして、
今回 5人の元原発技術者が新安全基準の問題点を暴くということで、
主に報道機関への解説をしていただくということでこの場を設けさせていただきました。
私は今日の司会を務めさせていただきます、「原子力規制を監視する市民の会」事務局の菅波と申します。
柏崎刈羽科学者の会の事務局長もしております。
どうぞよろしくお願いします。
今日の場では、いま規制庁の方で進められている新安全基準の問題点について、
直接原発のリスクに関わってこられた経験をお持ちの方に解説をしていただこうと思います。
この「原子力規制を監視する市民の会」では、3月26日にも記者会見を開催させていただいておりまして、
規制庁の方が、「さらなる信頼性の向上のための措置だ」と言っていることについて、
5年の猶予をするだとか、
大飯原発については今稼働中のものをそのまま、
7月の新しい新安全基準の施工に合わせて止めずに、
そのまま次の定期検査のところでこれを適用するという事を言って、
結局こういった形で新安全基準の施工自体を骨抜きにされて、
再稼働の突破口にされようとしている問題があります。
で、今日のこの記者会見ではそれ以前の問題で、
その背景になるそもそもの新安全基準の問題性について、
専門の方からコメントを頂こうということで考えております。
短い時間ですので5人の方に5分程度でコメントをしていただいて、
その後でみなさんから質問を出していただくというような形で進めたいと思います。
最初の方は滝谷紘一さん。
元原子力技術者で元原子力安全委員会の技術参与を務められた方です。
まず新安全基準、重大事項の敷地境界の線量評価という案件についてのコメントを
滝谷さんの方から頂きたいと思います。
早速始めていただきたいと思います。
滝谷紘一氏(元原子力技術者、元原子力安全委員会事務局技術参与)
「重大事故の敷地境界線量評価をせよ」という題で、
法律規則への複合性という切り口から問題の一つを述べさせていただきます。
敷地境界での線量積算値ですね、
それに着目する理由をまとめました。
原子炉の位置、これが適切であるかどうかは立地審査指針で的確に評価されます。
そこでは判断の目安線量というのは、
現在100ミリシーベルトとなっています。
じゃあ、福島第一原発の実態はどうなのか?という事について調べますと、
事故発生後から3月末までですね、20日あまり。
そこで実測の最大値が234ミリシーベルトという値で、
モニタリングポストNo7というのが一番大きな値を示しています。
それはこの100ミリシーベルトを倍も上回っているんですね。
さらに4月1日から翌年3月31日までの丸一年間。
ここでは956ミリシーベルトになっていまして、これは国会の環境委員会でも取り上げられた問題です。
ご承知の様に今なお、線量は増加の一途をたどっている訳ですね。
そういう事から福島第一原発はこの立地不適合を自ら実証したという事になります。
ここで、じゃあ、他の全国の原発はどうなんだろう?
重大事故が発生した時にですね。
そういう問題が湧いてきます。
また、新安全基準では重大事故対策としてフィルターベントをする事を求めたりもしてきています。
じゃあ、フィルターベントをした時には、線量はどうなっていくのか?
現行法になるんでしょう(?)
という論点でこの問題を取り上げております。
「重大事故の線量基準を逃げる新安全基準」というタイトルにしていますが、
現行の安全審査指針ではどうなのか?
敷地の境界での値がですね、重大事故、仮想事故、この場合にはどちらも全身被ばく線量、
ま、ガンマ線による。
それは100ミリシーベルト以下。
先ほども申しましたがそういう基準になっています。
じゃあ、今回の新安全基準骨子案ですね、そこではどうなっているか?といいますと、
重大事故対策の有効性評価というのが、一つ章を設けられています。
そこでは放射性物質の総放出量はその性能要求値以下という事が記載されておりまして、
敷地境界の線量評価というのは…、入っていないんです。
で、私はパブリックコメントでこの点について、「これをやるように」と記載した事に対して、
先日の28日の検討チームの中で、こういう意見に対する考え方という資料が配られておりまして、
その中に書いてあります。
それは「敷地境界での線量評価は安全性の向上のための評価というなかで、
格納容器の機能が維持されている場合、およびフィルターベントによる管理放出の場合には行う」という、
これは、そういう限定条件付きの評価をしています。
ただしそれは運転と安全性向上のための評価というのは、
運転開始後ですね、定める時期ごとに行う総合的安全評価ということで、
改正の原子炉等規制法で、新たに創生されたものですね。
これは届け出制。
事業者が自主的に行ってそれを届け出るというような扱いなんです。
そういうことで現在のこういった状況はですね、
私としては参加できないような改悪であるというふうに言わざるをえません。
限定条件無しでの重大事故の敷地境界線量が目安線量内に収まらないから
こういう方法を打ち出しているというふうに思っています。
つまり、立地条件の不適合隠しじゃないかと。
これを裏付けるような検討が出来ないかと思って、次のような事をやってみました。
「重大事故の敷地境界線量の推算」というのをしました。
計算しようとしまして、敷地境界の全身被ばく線量を、公開されている安全審査資料ですね、
それを基に放出量比例で概略計算するというやり方であります。
計算対象及びその条件として、BWRとPWR。
お手元の資料の89が890とか、135が1350と、ゼロが一つ多くなっておりますので、
そこだけ申し訳ないんですが訂正をお願いします。
で、こういった100万キロクラスをいくつか、および希ガスに注目しまして、
その炉内蓄積全量が排気筒から放出されるケースをやりました。
計算結果ですが、BWR、PWRともに、1000メガ(ミリ?)シーベルト以上の値。
先ほどの100ミリシーベルトの10倍以上ですね。
で、細かな数字はですね、最後のページの表の一番下の量が相当します。
2000から、…原発によってそれぞれ違うんですが、
2000から9000ミリシーベルトぐらいの値がついています。
こういうことで明らかに
立地審査指針の判断目安の100ミリシーベルトを大幅に超えるような見通しが出ております。
次に、格納容器のフィルターベントをするとどうなるのか?
この時に取り上げました希ガスというのはですね、
その性質上、現在考えられているフィルターではほとんど除去できません。
非常に不活性ですし、ガスですし、
ま、セシウムとかヨウ素、
それはフィルターベントのフィルターでかなり低減することは事実だと思うんですが、
希ガスではそうはなりません。
ということで、単純な計算ですが、
本積算レベルの線量になる可能性が大きい、ベントをするとですね。
そういう事になります。
立地条件が不適合の疑いがあると、私は思っています。
で、これはかんりょう計算ですので、規制委員会に求めたい事は
設置許可申請の安全審査の計算書で詳細に線量評価をする事を求めたいとおもいます。
以上です。
つづくーー
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