2009年11月02日
劇団☆新感線2009秋興行 「蛮幽鬼(ばんゆうき)」
劇団☆新感線2009秋興行 「蛮幽鬼(ばんゆうき)」@新橋演舞場
作:中島かずき 演出:いのうえひでのり
出演:上川隆也、稲森いずみ、堺雅人、早乙女太一、橋本じゅん、高田聖子、他
10月24日(土)に3階席で観に行っています。
劇団☆新感線公演ですが、今回メインのキャラクター&出演者の上川隆也さん、稲森いずみさん、
堺雅人さんは劇団メンバーではありません。
この夏、東京ではシアター・コクーンでの「怪談牡丹燈籠」をいのうえひでのりさんが演出して、
いのうえさんらしい、めりはりのある演出でおもしろいと思いましたが、今回は
まさにホームグラウンドに戻ってきたというか、水を得た魚というか、とびきりおもしろかったです。
中島かずきさんの常識にとらわれないスケールの大きな物語世界と、いのうえさんの派手な
演出はまさにゴールデンコンビ、と思いました。
物語は「巌窟王」がベースかと思われる復讐譚。
舞台は、時代も場所もはっきりしないが古代中国を思わす果拿(かだ)の国と、古代日本を
思わす鳳来国(ほうらいこく)。
鳳来国から果拿の国へ留学してきた4人の若者。
数年が過ぎ、故国に戻る直前、仲間の一人が何者かによって殺される。
犯人としてとらえられた留学生の一人、伊達土門(だてのどもん、上川隆也)は離島に幽閉される。
さらに数年後、やはり、そこで捕らえられていたサジと名乗る男(堺雅人)と共に島を脱出。
故国に戻った伊達の土門は、かつての許嫁がすでに帝のもとに嫁ぎ、さらに自分が仲間に落とし
入れられたことを知る。
サジはどうやら殺し屋らしいが、身の上の多くは語らず、果たして味方なのかどうか?
これが物語の導入部。
細かい説明は私にはうまくできませんが、上川隆也さん演じる伊達土門は鬼気迫る感じだし、
始終薄笑いを浮かべたサジも、その正体不明の部分が不気味でもあり、堺雅人さんの持ち味を
活かしたおもしろい、魅力的なキャラクターになっていました。
橋本じゅんさん、高田聖子さん、粟根まことさん、山内圭哉さんなど、十分主役をはれる演技力と
魅力のある俳優陣の競演も楽しい。
観客を巻き込み、盛り上げ一瞬イベント会場のようなノリにしてしまうのも、これまた楽しい。
物語は、民衆を惑わす飛頭蛮(ひとうばん・じつは伊達土門)に、帝が亡くなり「新たな帝」となった妃
(=かつて伊達土門の許嫁=稲森いずみ)が民のため彼と対決するというラストを向かえます。
単純な復讐譚に終わらない、味わい深くひねりのきいた物語。
稲森いずみさん、細く華奢な感じですが、ラストのたくましい姿はまるでドラクロワ描く「民衆を導く自由の女神」のようでした。
(ウィキペディアでの解説サイトはこちらで)
小峰リリーさんによる、衣装も美しい。
とにかく観ていて楽しい、迫力のある大娯楽作品でした。
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