福島第1原発:汚染水漏れ120トン 冷温停止後、最悪

毎日新聞 2013年04月06日 11時29分(最終更新 04月06日 14時26分)

汚染水の漏れが見つかった福島第1原発の貯水槽(中央下の四角いグレーの真ん中部分)=福島県大熊町で2013年4月6日午前10時33分、本社ヘリから西本勝撮影
汚染水の漏れが見つかった福島第1原発の貯水槽(中央下の四角いグレーの真ん中部分)=福島県大熊町で2013年4月6日午前10時33分、本社ヘリから西本勝撮影
汚染水の移送先(上)と、地下貯水槽の構造
汚染水の移送先(上)と、地下貯水槽の構造

 東京電力福島第1原発の敷地内で地面を掘って造った地下貯水槽から汚染水が漏れた問題で、東電は6日、漏えい量は推定で最大約120トン(120立方メートル)、含まれる放射性物質は約7100億ベクレルと発表した。海に流出する可能性は低いとしている。11年12月に野田佳彦前首相が「冷温停止状態」を宣言して以来、最大。地下貯水槽からの漏えいは初めて。東電はすでにあるポンプに加え、仮設ポンプを3台設置し、汚染水の別の地下貯水槽への移送を始めた。完了までに5日程度かかる見通し。

 過去の汚染水トラブルとしては、11年4月に2号機取水口付近から4700兆ベクレルを含む520立方メートルが、海洋に流出したケースなどがある。

 東電によると、貯水槽は、原子炉建屋西側の敷地内に七つあり、三つに汚染水が入っている。貯水槽の構造はすべて同じで、内側から1、2枚目が厚さ各1.5ミリ、3枚目が6.4ミリの防水シートが張られている。

 問題の貯水槽(縦60メートル、横53メートル、深さ6メートル)に、ためられていた量は約1万3000トン(約1万3000立方メートル)。塩分を除去した際に生じる濃縮塩水で、放射性セシウムは取り除かれているが、ストロンチウムなどは残っている。2枚目と3枚目のシートの間にたまっていた水から1立方センチ当たり6000ベクレル、3枚目のすぐ外側の水から微量の放射性物質が検出された。このため、内側の2枚が破れているほか、一番外側の継ぎ目から漏れている可能性があるという。4月6日の水位は3月2日と比べて4センチ下がっていた。

 東電は3日、貯水槽の外側の水たまりを調べ、同20ベクレルが検出された。これまでの定期検査では未検出だったため、詳細な調査を始めた。報告が2日遅れになった理由を、東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は6日の記者会見で「放射性物質の特徴から数値は変わりやすく、きちんと調べようと思った。5日になって数値が上昇し漏えいは間違いないと判断した」と語った。

 貯水槽は標高35メートル、海から約800メートル離れている。周りの土壌は水が通りにくいように改良してあり、尾野氏は「海へ流出する可能性はないが、心配をかけて申し訳ない」と陳謝した。【鳥井真平、大場あい】

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