「サラリーマンの仕事の質がフリーランスよりも低い理由」がだいぶ反響を得ているので、引きつづき書いてみます。
「売りたくないものを売らなければいけない」
サラリーマンとフリーランスの最大の違いは、「売りたくないものを売らなければいけない」ストレスからの逃れやすさです。
サラリーマンは会社の予算に縛られるため、お客様のためにならない商品・サービスを提供する必要に駆られることがあります。言い換えれば、プロとしての魂を売ってまで、稼がないといけないわけです。
もちろん会社の経営方針や、扱っている商品にもよりますが、「売りたくないものを売らなければいけない」というストレスは、多くのビジネスパーソンが一度は経験しているのではないでしょうか。
で、この「売りたくないものを売らなければいけない」というのは、実に強烈なストレスです。よほど鈍感であれば気にせず売りつづけられるのでしょうけれど、「売りたくない」と気付いてしまったが最後、売りつづけるためには、「自分の存在意義」を削り取っていく必要があるのです。
売れば売るほど、「なんでこんな仕事をしているんだろう…わたしは何のためにお金を稼いでいるんだろう…お客様のためになっているとは思えない…」というどん詰まりに陥ります。いっそ鈍感に徹して開き直れる人もいれば、悩みつづけてしまう人もいるでしょう。あまりにも強烈なストレスなので、うつ病の原因にもなると思います。
ストレスから「逃げ」よう
起業家、フリーランス、新規事業を立ち上げたビジネスパーソンの話を聞いていると、「前職時代、売りたくないものを売らなければいけないのが嫌で、今の仕事をやることにしました」と語る方が少なくありません。
名前は出せませんが、某有名ベンチャーのCEOは「ソーシャルゲームに携わるのが嫌で」、事業を立ち上げたと伺ったことがあります。「この仕事(ソーシャルゲーム)に意味があるのか悩みつづけたけど、好きになれなかった」そうで。
かくいうぼくも、この種のストレスから逃げた人間のひとりです強烈にストレスを感じることはありませんでしたが、やはり「うーん、これ”ぼくが”やる必要あるのか…?」と思ったこともありました。売り物は悪くないのですが、なぜ自分がそれを売るのかが理解できなくなってしまった、という感じですね。
逃げるのは決して悪いことではありません。もし「売りたくないものを売らなければいけない」という悩みを抱えている方がいたら、ぜひ異動なり、転職なり、新規事業立ち上げなり、独立なり、自分の哲学を貫き通せる場を、自分でつくりだしてみてください。自分のこだわりを存分に発揮し、磨けるので、ビジネスパーソンとしての存在価値も上がるはずです。
★この記事を読んだ人にはこの本がおすすめ。
貧乏、ひきこもり、中卒。
逃げてばかりで、コンプレックスの塊の僕は、
ビジネスを立ち上げて「場」をつくり続けることで、
自分の仕事をつくっている。
「逃げ」を肯定する家入さんの本は、価値観を変えてくれるはず。特に若いうちは失うものはないですし、ガンガン逃げていいとぼくも思います。