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【大リーグ】

守護神リベラ、復活セーブ ペティットと83歳リレーで初勝利

2013年4月6日 紙面から

◇ヤンキース4−2レッドソックス

 【ニューヨーク穐村賢】最強守護神が帰ってきた! 昨季右膝手術を受けたヤンキースのマリアノ・リベラ投手(43)は4日(日本時間5日)、当地でのレッドソックス戦で9回に今季初登板。1安打1四球で1点を許したものの、昨年4月30日以来となる今季初セーブを挙げた。先発左腕のアンディ・ペティット(40)との“計83歳リレー”でチームも今季初勝利。今季限りでの引退を表明している史上最高のクローザーが、自身6個目となるチャンピオンリング目指してラストイヤーを投げ抜く。

 ヤンキースファンが、いやメジャーファンが待ちに待った瞬間だった。3点リードの9回。最強守護神のテーマ曲、メタリカの「エンターサンドマン」が球場に流れるとスタンドのボルテージは最高潮だ。ブルペンから静かにマウンドに向かったリベラ。大歓声が注ぐ中、投球練習を終えるとセンター方向を向いて約10秒間目を閉じた。

 「多くの感情が込み上げてきた。ただ、それをコントロールして試合を終わらせなければならなかった」

 無理もない。昨年4月以来となるヤンキースタジアムのマウンド。高ぶる気持ちを押し殺して集中すると、“代名詞”で押しまくった。この日投じた20球はすべて「カットボール」。先頭のペドロイアはきわどい球をボールと判定されて四球。ゴームズには三塁線へ運ばれ、次打者の一ゴロの間に1点を失った。だが、最後の打者となったブラッドリーには“らしさ”を発揮。2球で追い込み、最後は外角のボールからストライクへ急激に入ってくるカットボールで見逃し三振。健在ぶりを見せつけた。

 昨年5月3日の練習中に右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。そのまま引退かと思われた。だが、「このまま終われるか」と6月に手術。リハビリに耐え、1年かけて復活マウンドにたどりついた。

 チームは開幕から連敗。重いムードの中、先発ペティットが8イニングを8安打されながらも1失点と力投。ともに名門を支えてきた戦友からバトンを受け、今季初勝利をチームにもたらした。

 「(ここまで)長かったし、我慢が必要だった」。試合後、自身が持つメジャー最多セーブを609に更新し、しみじみと語った右腕。だが、ここで満足するために戻ってきたわけじゃない。

 「マウンドに戻るまでに1年待ったんだ。野球への愛情や情熱を持って、プレーし続けたい」

 目指すはワールドシリーズ制覇ただひとつ。数々の金字塔を打ち立ててきた背番号42が挑むラストイヤー。メジャー19年目の有終の美へ、史上最高のクローザーが集大成を見せる。

 

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