フセイン後の北朝鮮
日時: 2003/12/16 16:35
名前: 侵乱消人

フセインの政治も金正日の政治も、そのモデルはスターリンの圧政にあるのでしょうね。

ただ、フセインは共産主義でもなければ、レーニンを崇拝していたとも思えない。しかし、油がある。
一方の金正日は共産主義ではあるものの、資源が乏しい。そして国を開放していない。
共通しているのは、ともに陸続きで外国と接していることと、国のインフラの整備が偏っていることなどなど。

今回のフセイン拘束のニュースは金正日にとっては心中穏やかではないはず。では今後、北朝鮮はどのように進路をとるのか。
アメリカにとっては、資源の無い国を攻めてもメリットがなく、フセイン政府のように【金打倒】などと布告しても国際的非難を浴びるだけだと読んでいるとすれば、これからも諸外国への恫喝的おねだりが続くのだろうか。

当初の経済援助はやむを得ないとして、KEDO後のインフラ整備を進めてもらわないと周辺国も疲弊してしまう。
国民の人権問題も、伝え聞くような粛清ではなく、北朝鮮的民主主義を進めていく必要がある。
中国のような開放政策を選択すると金体制は消えてしまうと考えているだろうが、そうではない選択肢は無いものか。

などなど、この板で議論しても仕方のないことのようにも思えますが、みなさんのご意見をお聞かせください。

Re: フセイン後の北朝鮮 ( No.1 )
日時: 2003/12/16 21:27
名前: い〜くん

 フセインや金正日がどのような主義を信奉しているかは不明ですが…。
 バース党は原則の1つに社会主義を掲げており、また一党独裁国家であったこと、党指導者が絶対的権力を握ったこと、民族主義を強調していることなどが、北朝鮮と似通っているように思います。
 また、米国やその他自国に刃向かう国家を敵対視し、その圧殺策動により人民が苦しんでいると主張して内部の結束を図る手法、大量破壊兵器を抑止力としてではなく実際の武力行使手段と捉える点なども、共通しているように思います。

 ただし、イラクにおいてフセインが実力と反抗勢力の抹殺により台頭してきたのに対し、北朝鮮においてこれに該当するのは金日成であり、金正日はこの権力基盤を継いだに過ぎない点を考えると、(金日成がスターリンの影響を受けていたことを考慮に入れても)金正日の政治がスターリンの政治をモデルにしたとは考えにくいのですが…。

 米国の武力行使については、私は別の理由で、現段階ではあり得ないと考えてます。
 米国にとっては、同盟国である日韓両国と、東アジアで影響力を発揮したい中国が北朝鮮の隣国であり、武力行使を考えにくい状況にあります。
 そもそも北朝鮮の核問題は、現段階では国連安保理にすら取り上げられておらず、前もって国連安保理決議1441により「深刻な結果」を警告されていたイラクのケースとは異なります。
 また、万が一武力行使した後の復興の件については、ご指摘のように北朝鮮にある資源は少なく、無煙炭や希少金属が中心であり、イラクのようなオイル・フォア・フード的な発想による復興は期待できません。この点からも、北朝鮮への武力行使には踏み切りにくいでしょう。

 中国のような改革開放政策については、北朝鮮も考えていると思います。
 実際に北朝鮮が経済改革を行ったとしても、政治の運営方法によっては、体制崩壊を招かずに済むでしょう。
 問題は、北朝鮮が国内政治や体制の変革を行いつつ国際社会との協調を図っていくのではなく、自分勝手な論理を振りかざし行き当たりばったりの政治を行っていることにあり、このような方針を転換して苦しくとも国際協調の中で生き延びていく道をとってさえいけばいつか普通の国となることができるだろう、と私は考えるのですが…。