タイトル 素朴な疑問
記事No 210
投稿日 : 2003/01/30(Thu) 18:57
投稿者 暇人
 素朴な疑問として、「北朝鮮は果たして社会主義国なのか?」と思うのです。

 重村智計氏の著書には「儒教社会主義」と表現されておりましたが、
師匠のスターリンや兄弟子の毛沢東を見習って、政敵を根こそぎ粛清する
までは、モデルが存在しましたが、社会主義国において「権力の世襲」は
あの国が初めてであり、あのスターリンですら行なわなかったのですから。

 スターリン時代のソ連では一応マルクス・レーニン主義を思想として尊
重していた筈ですが、現在の北朝鮮ではどうなのでしょう? もしかして
「チュチェ思想」が一番でしょうから、我々がかつて「社会主義国」と呼
んでいた国々とは全く違う気がします。

 まあ、金日成一族による権力世襲を確固とするためにも「チュチェ思想」
は必要だったのでしょうが、むしろ私はあの国は李王朝に先祖がえりして
いるような気がする。 そうすると労働党と軍部が「両班」という構造だ
から何となく納得してしまうのです。 

 でも、日本の政治家に占める世襲議員を考えると日本がもし旧ソ連に占
領されて社会主義国になっていたらやはり世襲をやってかも知れない。

タイトル Re: 素朴な疑問
記事No 211
投稿日 : 2003/01/30(Thu) 20:50
投稿者 ピョートル   <shouheirinn@naver.co.jp>
「先祖帰り」となると、李氏朝鮮に見られたように、身分制度が見られますね。それに加えて、白丁(日本のえた・否人にあたる身分)が存在しますね。旧地主や旧資本家の子孫たちや、政治犯が、それに相当しますし・・・。まあ、金日成がどう思っていたかに係わらず、結果として、そうなっているということです。

タイトル Re^2: 素朴な疑問
記事No 213
投稿日 : 2003/01/31(Fri) 09:29
投稿者 暇人
> 「先祖帰り」となると、李氏朝鮮に見られたように、身分制度が見られますね。それに加えて、白丁(日本のえた・否人にあたる身分)が存在しますね。旧地主や旧資本家の子孫たちや、政治犯が、それに相当しますし・・・。まあ、金日成がどう思っていたかに係わらず、結果として、そうなっているということです。

 「歴史の皮肉」という話になるのでしょうが、藤井一行氏のサイトには
「北朝鮮型スターリン主義を告発しよう。」と書いてあるのだが、スター
リンさえなしえなかった偉業(?)を達成するのには、過去の王朝の方が
却って参考になったのではないかなどという妄想を抱いた次第です。

 歴史の皮肉と言えば、「社会主義国家」の発祥地だった旧ソ連にしても
「圧政からの解放」だった筈の「革命」が生んだのは結局新たなる「圧政」
だったわけで、池東旭氏はその著書の中で「朴正煕の独裁は国民を富ませ
たことにより崩壊したが、金日成の独裁は国民を飢えたままにしたことに
より存続した。」と書いてあるのを読んで妙に納得した記憶がある。

タイトル Re^3: 素朴な疑問
記事No 214
投稿日 : 2003/01/31(Fri) 14:13
投稿者 祖父は警官
>  歴史の皮肉と言えば、「社会主義国家」の発祥地だった旧ソ連にしても「圧政からの解放」だった筈の「革命」が生んだのは結局新たなる「圧政」だったわけで、池東旭氏はその著書の中で「朴正煕の独裁は国民を富ませたことにより崩壊したが、金日成の独裁は国民を飢えたままにしたことにより存続した。」と書いてあるのを読んで妙に納得した記憶がある。

これは暇人さん、まだ認識の半ばであります。他山の石というのはそれがあるとわかればよいのではなく、自国の問題、あるいはその国の内発的な社会の問題解決能力と照らし合わせて考察してはじめて論理が完結するのではないかと。

それは一方では北朝鮮の未来がどうかの地の住民によって切り開かれてゆくかという事で今後の路線が決まってくると思うのですが、なんかリヨンファ教授あたりが最有力ということになっているようですが・・・彼とその周辺の在日コリアンの方々がその任に対して北全土を現状のキムジョンイル政権より「まし」に統治できるのか、どうか? あるいは他のどんな勢力がそれをできるのか? アフガンにおけるナジブラ→タリバン→カルザイの推移とどう違うのかと思うと、なんだか「ふりだしにもどる」になってしまう今日この頃です。もう一方はこの会議室の議論に余るので割愛せざるをえませんが、すくなくとも表板で主催者さまと錦繍山38号さまとが議論なさっておいでの野卑な排外主義の突出の中にあるのではないことだけは私もつよく同感し懸念するところであります。

タイトル Re^4: 素朴な疑問
記事No 215
投稿日 : 2003/01/31(Fri) 15:54
投稿者 暇人
> これは暇人さん、まだ認識の半ばであります。他山の石というのはそれがあるとわかればよいのではなく、自国の問題、あるいはその国の内発的な社会の問題解決能力と照らし合わせて考察してはじめて論理が完結するのではないかと。
>
 ご指摘に対しまして汗顔の至りですが、だから「素朴な疑問」ですって、
1972年に韓国において朴正煕の「維新体制」が発足し、北朝鮮でも呼応す
るみたいに金日成を国家主席とする体制となり個人崇拝と神格化が進んだ
訳ですが、片や韓国には米国という重しがあり時のカーター政権との軋轢
も朴正煕政権崩壊の一因となったのも確かです。 一方北朝鮮については、
東側陣営では個人独裁は問題にならなかったし、中ソ対立で「どっちつか
ず」の「自主独立」に終始した分逆に両国ともに決定的な影響力を行使し
得ずに終わったと思うのですが…。

 結局、東欧の社会主義国がドミノ倒しのように倒れたのには「ペレスト
ロイカ」の旧ソ連が最早自らの衛生国を養えるだけの余裕が無くなった結果
であり、それ以前に北朝鮮の場合は「自主独立路線」の「鎖国体制」で
国民に耐久生活を強いていたから無事に済んだとすればあの体制は結構
強いと思うのです。

 巷間では米国がイラクのフセイン体制を打倒したら、日本が復興資金を
拠出してアフガニスタンみたいに支援するという噂が既に飛び交っており
ますから、北朝鮮についても李英和氏というのも「まさか」とも思えませ
んがどちらにしても、北朝鮮の体制が崩壊すれば日本も無縁ではいられな
いし新体制への支援は行なうのでしょうね。

タイトル Re^5: 素朴な疑問
記事No 217
投稿日 : 2003/01/31(Fri) 17:42
投稿者 祖父は警官
>  結局、東欧の社会主義国がドミノ倒しのように倒れたのには「ペレストロイカ」の旧ソ連が最早自らの衛生国を養えるだけの余裕が無くなった結果であり、それ以前に北朝鮮の場合は「自主独立路線」の「鎖国体制」で国民に耐久生活を強いていたから無事に済んだとすればあの体制は結構強いと思うのです。
>
ソ連の単なる衛星国というのは東欧諸国のそれぞれを概括するにはすこし事情が違うのではないかと思います。1)ユーゴはもっとも苛烈に激変しましたが、中国より先行し、北朝鮮より徹底して対ソ自主性を確立したチトー政権でありました。2)また一概に「スターリン主義の抑圧体制が倒れた」と言い切っていいのか? もちろんスターリン主義の抑圧体制があったわけですし、国民の何割かはそれに対抗したり反発していたでしょうがむしろその体制と共存していた面もあろうと思います。それが崩壊したのか? むしろ旧ソ連ではソ連崩壊後に人口の減少が始まっていまして、それは平均寿命の低下として現れ、貧富の格差の拡大として現れてさえいまして、これが「抑圧体制から解き放たれた自由な国民の姿」と言えるのかという手放しに喜べない現状があります。3)もう言及はさけますがベトナムの現状も「自主独立」でありドイモイでありますが、官僚機構の腐敗や貧富の差の拡大は忘れてはならない個所ですが、経済拡大をまがりなりにも続けています。キューバとて同じ。「ドミノ」だというのは「世界共産主義体制」というようなものの「脅威」からの防禦、というような20世紀中葉の冷戦的世界観から抜け出ていない発想ではないかと。

先に書いたもので、アフガンのことを述べました。あれもソ連の衛星国の崩壊でありましたが、結局治安も民生もソ連以前、ソ連属国、タリバン中、タリバン以後とどれだけ進歩したのか、全然みえません。

いつぞやの下の議論のカンボジアに関してもそうです。単純に「ドミノ」とか言えるものではないし、内発的なその国の住民の発展と自治がどう確立されるかでありまして、恣意的に自国の利益から何かを押し付けては逆効果になってしまうばかりなのです(ああ、カンボジアで今度は排外主義の暴動が起こっていますね。あそこはまた鎖国するのでありましょうか?)。

タイトル Re^6: 素朴な疑問
記事No 218
投稿日 : 2003/01/31(Fri) 17:59
投稿者 祖父は警官
> でも、日本の政治家に占める世襲議員を考えると日本がもし旧ソ連に占領されて社会主義国になっていたらやはり世襲をやってかも知れない。

個別にレスしてこうした掲示板で議論すると、ともすると抜けてしまいがちな個所で、重要なのでここにあげますが、ここが実は私の言いたいことの中心でありまして、暇人さんのご意見に真っ向から対抗というより、少し補足的に考えることを書き記しているという感じであります。

タイトル Re^6: 素朴な疑問
記事No 219
投稿日 : 2003/01/31(Fri) 18:35
投稿者 暇人
>「世界共産主義体制」というようなものの「脅威」からの防禦、というような20世紀中葉の冷戦的世界観から抜け出ていない発想ではないかと。
>

 ご指摘ごもっとも、確かに「鎖国」により体制が守られるのなら、アル
バニアだって社会主義政権が存続している筈であります。 
 個人的な感想としては以下のとおりです。

1.ユーゴスラビアの崩壊についてはチトー死去後のミロシェビッチに
 代表されるセルビア民族主義の台頭が、連邦内の先進地域であるスロ
 ベニアを刺激し、自分達の富がセルビアを中心とした連邦に吸い上げら
 れてしまう現実に不満を募らせたことに対して、チトー死後の連邦政府
 がかつてのように連邦内の民族主義を押さえつけられなくなっていたと
 いう現実がありました。 あまりに民族的平等にこだわる余りに、却っ
 て連邦政府の権力を弱めてしまったのが、チトー亡き後のユーゴ連邦と
 いう点では自壊というべきでしょう。

2.現在のロシアが平均寿命の低下や治安の悪化に悩まされているのは確
 かであり、これが「共産主義からの解放」の成果とすれば皮肉な話では
 あります。 こういう現象は例えば、東欧諸国で初めて非共産党政権が
 発足したポーランドでもかつての高度成長時代のギエレク政権を懐かし
 む人々が存在し、共産党の後継政党が選挙で勝ったりするのも事実です。
  これは、ポーランドに限った話ではなく、旧東欧諸国の中ではチェコ
 以外は全て一度は旧共産党の後継政党が選挙で勝っているのを見ても、
 旧共産党時代の治安や福祉を懐かしむ風潮がうかがえますが、現実には
 かつての福祉を実施できずに再び野に下ったりしています。 かつての
 配給制度では金はあったが品物は無かった、現在は品物は売っているが
 金が無い、これが市場原理ということでしょうか。

3.ベトナムは個人的に旅行していますが、あの国はかつて米国と戦争し
 ていたというのが嘘みたいに、米ドルが現地通貨のベトナム・ドンと
 同じく通用しています。 まあこれがドイモイの成果というべきでしょ
 うか?ある意味中国の「改革・解放」と同じで、政権は共産党だが経済
 は市場論理にしたがっている。

 個人的にベトナムを旅行して、経済のグローバル化という現象を身を以
って感じた次第です。 つまり一国だけでは経済自体が成り立たなくなっ
ている訳でこの時代に「鎖国」を続けられる国は北朝鮮だけでしょうが
ただ、あの国とて何時まで痩せ我慢を続けられるのかは疑問であります。
 李朝時代に朝鮮半島は事実上「鎖国」状態で両班は眠りから覚められず
国を失ったわけですが、北朝鮮がどういう道を辿るかには、凡愚の一市井
人として無関心でもいられないのは事実です。
 

タイトル Re^7: 素朴な疑問
記事No 220
投稿日 : 2003/02/01(Sat) 02:37
投稿者 祖父は警官
まったく無関係の業務連絡ですが
あの藤井さんのHPの暇人さんはこちらの暇人さんですか?

あそこで「在日韓国人J」さんが妙にからまれていますね。
「J」さんの方は、有田よしふさんのところでお見かけしたが
なぜあんなにああいえばこういうと突っ込まれるのか、これ不思議。
ついでにいうと、有田さんの所でも、なにやら別の人が別の人に
からまれていましたよ。大の大人同士とは到底おもえませんでしたね。

あの議論にならない、自分では議論だと思っている人たちって
一体何なのでしょうか? 暇人さんはどうごらんになりましたか?

タイトル Re^8: 素朴な疑問
記事No 225
投稿日 : 2003/02/02(Sun) 15:52
投稿者 暇人
> まったく無関係の業務連絡ですが
> あの藤井さんのHPの暇人さんはこちらの暇人さんですか?
 
 亀レス済みません。
 私めの浅学非才をこれ以上披露するのもまずいと思ってたら、話題が逸
れて助かった。  確かに、あの掲示板の暇人は私ですがもう書き込みはつまらないので、止めるつもりです。 貴方様も有田氏の掲示板をROM
しておられたんですか、世の中の狭さを実感いたします。
>
> あそこで「在日韓国人J」さんが妙にからまれていますね。
> 「J」さんの方は、有田よしふさんのところでお見かけしたが
> なぜあんなにああいえばこういうと突っ込まれるのか、これ不思議。

 私なぞはあの掲示板が閉鎖になることを知らずに、1月27日になって
「掲示板が無いぞ。」と騒いでいた大間抜けです。 ただ、あの掲示板は
サーバの関係で書き込みできずおまけにメンバーに気後れしてROMでし
たが、せっかくJ氏が出現したので会話したくなったのです。
 そう言えば、「友北氏」こと滝本太郎弁護士が掲示板を立ち上げたそうですね。
 http://6626.teacup.com/takitaro/bbs

 私が推察するのに、あのJ氏は韓国や在日に関する偏見や差別感を感じ
ると黙っていられない性質なのでしょう。 一人であれだけの人数を相手
によく奮闘するものだと他人事ながら感心する次第であります。
 ただ相手を論破するのに熱心な余り、時々書き方がぞんざいになるきら
いがあるのは、掲示板を構成する要員としてのROMに与える印象を考え
た場合に残念です。

> ついでにいうと、有田さんの所でも、なにやら別の人が別の人に
> からまれていましたよ。大の大人同士とは到底おもえませんでしたね。

 ネットの匿名性は相手の顔が見えない分「言い得」と勘違いする人間が
多いのが残念です。 例え相手の顔が見えなくても罵倒しあえば自分も相
手も不愉快だという簡単な現実に何故気がつかないのかが不思議です。
>
> あの議論にならない、自分では議論だと思っている人たちって
> 一体何なのでしょうか? 暇人さんはどうごらんになりましたか?

 私が凡愚の一市井人としてこのような場所に書き込むのは、それで何か
新たな知識を得られれば幸いと思っているからであります。 したがって
ああいう「議論のための議論」はおよそ非生産的であり、時間の無駄使い
にしかならないと存じます。 個人的には「俺も暇だが彼らも暇だなあ。」
というのが実感です。

 やはりこう言う場所で、皆様や主宰者様に刺激を受けて己の勉強不足を実感し、勉強する気になることにこそ意義を感じている次第であります。