◇再生可能エネルギー普及へ 地域の発電所育てよう
太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの普及を目指すNPO法人ソーラーシティ・ジャパンのシンポジウムが5日、毎日新聞東京本社の毎日ホールで開かれました。
再生可能エネルギーは火力発電や原子力発電と違って、繰り返し使えるエネルギー源のことで、太陽光のほか太陽熱、風力、地熱、さらに生物由来のバイオマス発電などがあります。
シンポジウムはソーラーシティ・ジャパン主催で、水と緑の地球環境本部が協力しました。はじめにドイツ在住の環境ジャーナリストの村上敦さんが講演しました。全電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合が1990年の3.4%から2012年には21.9%に伸びたドイツの取り組みを紹介し、「エネルギーにかかる費用は地域から出ていきます。地域で再生可能エネルギーを普及させてエネルギー自立の道を目指し、地域を活性化させましょう」と述べました。
次に講演した千葉大学特任講師の馬上丈司さんは、エネルギー自給率が100%を超える自治体が全国に52市町村あるなど、日本の現状を報告し、「再生可能エネルギーは地域のエネルギーであるという意識を持つことが大切です」と訴えました。
「市民発電所」づくりに取り組む上岡裕・エコロジーオンライン代表、住宅分野の省エネルギー化を目指している早田宏徳・マングローブクリエーション代表を加えたパネルディスカッションでは、早田さんや村上さんが協力して福島県川内村で進められている太陽光発電施設建設の経過が報告されました。また、最初に必要な資金を集めることの難しさ、行政機関にも経験がないので対応が遅いなど、地域での発電施設の建設・普及に向けた問題点が指摘されました。村上さんは「やってみて分かってくることが多い。まず、走り出そう」と呼びかけました。<毎日新聞社水と緑の地球環境本部・斗ケ沢秀俊>
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