小樽商科大:新歓コンパ「禁酒」 昨年飲酒死で学生自治会
毎日新聞 2013年04月04日 22時33分(最終更新 04月04日 23時08分)
小樽商科大(北海道小樽市)アメリカンフットボール部の学生が入学直後の昨年5月に急性アルコール中毒で死亡した事故を受け、同大の学生自治会は、サークルの新入生歓迎コンパ(新歓)などで上級生を含めて飲酒を禁じる新ルールを決めた。違反したサークルには「罰則」も設ける。【坂本太郎】
同自治会によると、対象は加盟の体育系・文化系サークルなど約60団体。新歓会場への酒の持ち込みや会場となる店舗での酒類注文を禁止する。違反団体には来年度までサークルへの勧誘活動を禁じ、自治会からのサークル配分金を無期限停止。体育館など施設の使用も禁止する。
自治会委員長の商学部4年、伊藤賢紀さん(23)は「大学側が縛りをかけるよりも、自分たちで規則を設けることで自主的に律していくことができる」とし、「事故前の規則に戻した上で、事故が起こらないようになることが理想」と話した。
新入生の商学部1年、塩俵正規さん(18)は「飲酒事故では先輩も後輩も自己管理がなっていないと感じた。ルールがあっての自由。(飲酒の強要には)周りから固いと思われてもきっぱりと断りたい」と話した。
アルコール依存防止啓発などに取り組むNPO法人ASK(東京都)によると、新歓の場で上級生にも禁酒を求めるルールは「聞いたことがない」という。担当者は「学生にはお酒がなくてもコミュニケーションができることを知ってほしい」と話す。
同大では4日、入学式があり、山本真樹夫学長はあいさつで昨年の飲酒事故にふれ、「二度と不幸な事故を繰り返すことのないよう、紳士、淑女として行動してほしい」と呼びかけた。
同大は事故後、学内での飲酒を禁じている。