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一方、シズクに殴り飛ばされたクオンは…
「うわぁああああっ!!」
あまりに唐突に殴られたので全く受身を取ることも出来ずにそのまま勢いよく吹き飛ばされ

「ほらほらぁどうしたのよ!!二人掛りでかかっているくせにさっきから一撃ももらっていないわよ!
皇帝陛下を倒した貴方達の力はそんなものなのかしらぁ?!こんなんじゃあ退屈しのぎにもなりはしないわぁっ?!

「うおっ!!」
「げっ?!」

その先にいたタイガとオウキを同時に相手してかつ圧倒していたシオンの背中に直撃し、オウキとタイガも巻き添えにして派手にぶっ倒れた。
位置的にオウキが一番下でその上にタイガが乗っかり、タイガの顔がシオンの胸で押し潰され、シオンの背中にクオンが乗っかっているという形になっている。

「いたたた……。な、なにをするのよクオン……!」

せっかくの愉しみを邪魔されてシオンは圧し掛かっているクオンに憤ったが、打ち所でも悪かったのかクオンは気を失っていてピクリとも動かない。
クオンが気を失っているので、腰から伸びる九本の巨大な尻尾がシオンたちにだらりと纏わり付いてきてかなりの圧力をシオンたちに与えており、そのためシオンたちも身動きが取れないでいる。
「ちょっとクオン!聞いてるの?はやくどいて……。まさか、気絶しているの…?!じ、冗談じゃないわよ…!」
焦って尻尾の海から体をどかそうとシオンはじたばたともがくが、尻尾の重さは相当なもので全く動く気配がない。
それでもなんとかしようと身を捩ったり捻ったりとあれこれ細工を施すシオンの下から、くぐもった悲鳴が聞こえてきた。

「ち、ちょっと……。動かないで……。息が、でき、なぃ……」

見ると、シオンの胸の下敷きになっているタイガが腕をじたばたさせながら苦しそうにもがいている。
「あ…、ゴ、ゴメン……!」
どたばたと巻き込まれた異様な状況からつい自分の立場も忘れ、シオンはちょっと顔を赤らめて謝ってしまった。
が、その時ふとあることを思いついた。
正直言って、下敷きにしているこの二人にシオンはそれなりの興味を持ち始めていた。
自分には遥かに及ばないとしても、さすがに魔界から生還してきただけあってその力は地上の人間の中では群を抜いている。
体から発散される精気も純粋な上に強大で、さすがに四部族王の末裔ということだけはある。
もしテラスの命令がなければ、捕まえて監禁してその精力をぎゅうぎゅうと搾り尽くしてしまいたいと思ったくらいだ。
もちろん、テラスがいる前でそんなことは出来はしない。しかし、この状態ではシオンたちはクオンの尻尾に覆い隠されて外から何をしているのかは見えないし、そもそもテラスは先ほど悲鳴を上げながら森の奥に消えてしまってここにはいない。
(もしかしたら、この状況は……チャンス?)
そう思うと、胸の下でもがくタイガにムラムラッと妄念が湧き上がってくる。少しくらいつまみ食いしたとしても誰も気づきはしないだろう。
(そうと決まれば…)
目を好色そうに細めたシオンは、タイガのズボンをずり下ろそうと手を伸ばそうとした。下半身さえ露わにしてしまえばどうとでもいたぶれる。
ところが、クオンとタイガにサンドイッチにされているシオンの手はどう頑張っても下には伸びなかった。
よく考えてみればそこまで手が自由に動かせるなら、とうにこの状況から脱出できている。
(くっ、しまった!)
悔しそうに唇を噛んだシオンだが、すぐに別の手を思いついた。
確かに手も足も完全に挟まれていうことを聞かない。
だが、尻尾ならどうか。
固定されていない尻尾なら僅かな隙間さえあればするすると入っていける。
ズボンの隙間から尻尾を突っ込み、チンポを包み込んで精液搾り出しても良し。尻に突っ込んで精気を吸い取るのも良し。
「そうそう……、私に尻尾がついているのをすっかり忘れていたわ……」
まだまだ人間だった時の感覚が抜けないと苦笑しながら、シオンは尻尾をぐねぐねと体の僅かな隙間に潜りこませた。
「むぐっ!な、なんだぁ!」
自分の太腿あたりをゾワゾワと這いずってくるおぞましい感触にタイガは声を上げたが、体の自由が全く聞かないのでそれがなんなのかを確かめる術はない。
代わりに、シオンが胸をタイガの顔に押し付けながら甘い猫なで声をかけてきた。
「うふふ……、こんな状況じゃああなたも退屈でしょぉ?
お姉さんがすっごいことをして、気分を紛らわせてあげるわぁ……」
「はぁ……?うわっ!!」
シオンが何を言っているのか分からず眉を顰めたタイガが急に上ずった声を上げた。
シオンの尻尾がタイガのズボンにもぐりこみ、タイガの股間をつるんと撫で回したのだ。
「ど、どうしたタイガ!!」
タイガに圧し掛かられて何が起こっているのかわからないオウキがタイガに声をかけるが、とてもタイガはそれに応えられる状況ではない。
「さあタイガくん、あなたはどっちから責められたい?
おちんちん?お尻?好きなほうをグチュグチュにしてあげる……」
シオンの尻尾の腹がタイガの尻孔を擦り、ペニスをきゅっと扱いた。
「い、ひゃぁあっ!!」
冷たい尻尾に今まで他人に触らせたことのない急所を弄られ、タイガは飛び上がりそうに激しく体を動かした。
もっとも、サンドイッチにされている体はたいして動きはしなかったが。
「ほらほら?ちゃんとどっちか言わないとダメよぉ?男の子なんだからしっかりしなさいな」
「あっ!や、やめっうわぁぁあっ!!」
胸に隠れて顔は見えないのだが、自分の責めでタイガが感じていることはシオンにもよくわかった。くちゅくちゅと扱くペニスがあっという間に大きく膨らみ、お尻の谷間からも火傷しそうな熱が伝わってきているからだ。
もし手が自由に動かせるならタイガの顔を胸に押し付け、人間の心を犯す魔乳を飲ませて肉欲の虜に堕としてじっくりと調教できるのにとシオンは考えていた。
姿が見えないのでテラスの目を誤魔化せるからつまみ食いするくらいの感覚で、とかいった考えはこんこんと湧き出てくる年下いじめの暗い欲望に塗りつぶされていた。
「もう…、ちゃんと言ってくれないからどっちにすればいいのかわらないじゃないの。
じゃあいいわ。両方いっぺんに犯してあげる…、ククク!」
シオンの尻尾は体に似合わず大きく勃起したタイガのペニスにくるくると絡みつき、その先端はさらに延びてタイガの尻孔をぴとりと突付いた。
「このまま、おちんちんをきゅうきゅう扱きながらお尻の孔に尻尾を挿れてあげるわ。ものすご〜〜く気持ちいいのよ。チンチンとお尻を一緒に弄られるのって……。狂っちゃうかもしれないけど、頑張ってね」
「や、やだぁ……。やめろぉ……っ?!がああぁっ!!」
手も足も自由に動かせない中タイガは懇願するかのようにシオンに断りを入れ続けたが、アナルを直接突付かれた快感に背筋をゾクゾクと震わせてしまった。
それまで強張っていたタイガの筋肉がぐんにゃりと萎え、全身でシオンが与える快楽を待っているのが触れているだけでよくわかる。
「うふふっ、どうやら素直になったみたいね。じゃあごほうびに…、狂わせてあげる!」
シオンはペニスに巻きつけた尻尾をきゅうっとしぼめ、先っぽをタイガの中に埋め込もうとグッと力を込めた。
「うがあぁああああおっ!!!」
体内につぷつぷと入り込んでくる尻尾に、タイガは痛みからとも快楽からともとれる悲鳴を上げ、自由にならない手足をばたつかせた。
「タイガ!タイガ!!くそっ、やめろぉ!!」
「うふふっ、やめろと言われてやめる馬鹿はいないわ。
しばらくジッとしていなさい。タイガくんの次はあなたの精気を搾り取ってあげるから!」
わめくオウキを鼻で笑い、シオンは尻尾をびくびくと蠢かしながらさらにタイガの体の奥へと沈めていった。
「さあ、おちんちんから精液どぴゅどぴゅ吐き出しなさい!その精気、全部吸い取ってあげるから!!」
そろそろ頃合と見たシオンは、絡めつかせた尻尾に力を込めてタイガの精気を搾り出そうとした。
が、その時

「なにをやってんのよあんたたちはぁ!!!」

突然の怒号と共にシオンの横っ腹に力一杯の蹴りがめり込み、何段にも折り重なっていたシオンたちは空に巻き上げられるかのようにバラバラに吹っ飛ばされてしまった。
もちろんシオンはタイガと離れ離れにされ、せっかくのお愉しみを邪魔されたシオンは蹴りを放った張本人を恨みがましく睨み…
言葉を失った。
「せ、せっかくのいいところを……って、テ、テラス様?!」
そこには、全身から怒りを顕わにしたテラスが仁王立ちに立っていた。
体の所々には折れた枝や葉っぱがくっつき、服はあちこちが引っかき傷のようにビリビリに裂けている。
急いで戻ってきたからか大きく息が切れ、忙しなく肩を上下させていた。
どうやら森の相当遠くまで投げ飛ばされ、草木を掻き分けたり隙間を飛んだりしてやっと戻ってこれたようだ。
「人が散々な思いをして来たというのに、随分愉しそうなことしているじゃないの。
しかも、憎っくき仇を相手にして……。本当使えない仙人様ね。頭の中まで色ボケてんじゃないのかしら?!」
怒り狂ったテラスに散々に罵倒されるが、まったく本当のことなのでシオンは反論することすら出来ずしゅんとうな垂れた。
ひとしきりシオンを詰り倒したテラスは、今度はタイガとオウキをじろりと睨んだ。
「あなた達もよ!今の自分達の立場ってのを自覚しているの?
私たちは敵同士なのよ!かつての主君と部下の立場じゃない。私たちにとってあなた達は、大事なご主人様を殺した仇ってのを忘れてもらっては困るのよ!!」

「「う………」」

つい今までシオンに下半身を嬲られていたタイガは頭がまだうまく働かずにろくに言い返すことが出来ず、オウキはまだテラスを敵として割り切ることが出来ないのかやはり反論することが出来なかった。
「そして……」
いよいよ怒りのテラスの矛先は、いまだ意識を取り戻さないクオンへと向けられた。
「なに不様に気を失っているのよあなたは!」
テラスの怒りの蹴り上げがクオンの頭をガツンと小突いた。
そのショックからか、クオンの体がぴくりと反応する。
「たかが人間に気絶させられるってどういうこと?!大方エロ妄想で注意を逸らしている時に不意打ちでも食らったんでしょ!
シオン様もそうだけれど、昔の人間ってどうしてこうもいやらし頭しているのかしら!1000年間、ずっといやらしいことばっかり考えていたとしか思えないじゃない!!」
シズクに投げ飛ばされた腹いせからか、テラスはクオンの体をガツンガツンと踵で踏み周りをあぜんとさせていた。
一方クオンのほうもガシガシ蹴られている痛みに意識を呼び覚まされたか、硬く閉じられていた瞼がゆっくりと開き始めた。
「あなたがもう少ししっかりしていたら、リュウガとシズクはとっくにくたばっていたのに!まだ二人とも生きて………えぇっ?!」
蹴りながらリュウガとシズクのほうを見たのだろうか、テラスはビックリした悲鳴を上げクオンを蹴る足をぴたりと止めた。
不審に思ったシオンやタイガたちもテラスが見ている方向を見てピタリと体が固まってしまった。
そこには、リュウガの上に圧し掛かって熱い口付けを交わしているようにしか見えないシズクがいた。
よほど夢中になっているのか、シズクもリュウガも周りの喧騒を全く気にする様子はなく、またピクリとも動く様子はない。

「な、な、な……」

そのあまりにも場違いな行為に、テラスだけでなくオウキたちも呆然と眺めることしか出来なかった。
「シ、シ、シオン様たちだけでなくリュウガ……、あなたたちまで一体どういうことなのよ――ッ!!」
自分は憎き光の戦士を殺すため、手駒の中でも最も強いシオン、クオンを引き連れて待ち構えていた。
この二人の力なら光の戦士たちに不覚を取ることはまずないだろうと思ったからだ。
だが現実は、皇帝陛下を倒した光の戦士たちの実力は予想以上に高かった。
向こうでカレンと互角に剣を交わしているショウを見ても、地上にいる皇魔族で1対1で対抗できるものはそう多くはない。
が、それ以上にシオンとクオンがまともに戦えてないことが誤算だった。
クオンは心が壊れて遮二無二力押しすることしか出来ず、シオンは自分の力に溺れて明らかに手加減をしていた。
それだけでも非常に苛立つことだったのに、よりにもよって光の戦士のほうまでもが真面目に殺し合いをしていないとは!
「これじゃあ、不退転の覚悟であなたたちを待ち構えていた私の立場がないじゃないの―――っ!!」
怒りに震えたテラスの槍がドカッ!と音を立てて地面に突き刺さった。確かに自分は真面目に物事にあたっているのに周りにそんな気持ちが微塵も感じられないとあっては怒りたくなる気持ちも分かる。
もっとも、それは多分に自分勝手な怒りではあるのだが。
そして、テラスの下でもう一人自分勝手な怒りに燃えている者がいた。

「なぁっ………?!」

テラスの殴打で意識を覚醒したクオンの目に飛び込んできたのは、抱擁してキスを交わすリュウガとシズクの姿だった。
もちろん壊れたクオンの目には、その光景はサイガを押し倒して無理矢理唇を奪っているポラリスに見えている。
勿論そんな光景はクオンにとって容認しがたいものだ。
「が、が、鎧羅王………っ!きき貴様、どういうつもりだぁ………っ!!」
踏みつけているテラスの足を振り払うこともなくクオンはその場にゆらりと立ち上がった。
その煽りでテラスが派手にひっくり返るが全く意に介さない。というよりテラスなどもはや眼中にない。
だから、足元でギャーギャー喚いているテラスの声も当然耳には入ってこない。
怒りでギシギシと歯軋りが鳴り、体中から発せられる瘴気はぶすぶすどころかもくもくと、まるで炎上しているかのように勢いよく吹き上がっている。
「私の……私のサイガ様に手を出すとは……不遜極まる!!」
その目に爛々と殺意を湛えたクオンは、腰の剣をズラリと抜くと組み合っているシズクとリュウガ目掛けて黒い弾丸となって突っ込んでいった。
そのあまりの疾さはテラス達もオウキ達も反応できない。

「鎧羅王!死ねぇぇぇ――――っ!!」

凶刃を振りかざして、クオンはリュウガの上で蹲っているシズクの首に小太刀を振り下ろした。
唸りを上げた刃は正確にシズクの首を捉え、頭と胴体を切り離す。
はずだったのだが
今一歩で刃があたる瞬間、下からにゅっと伸びた手がクオンの小太刀を掴み抑えてしまった。

「なっ!サ、サイガ様?!」

その行為にクオンは目を見開いて驚いた。
いや、それは自分の渾身の力を込めた小太刀を止められたことよりサイガ(リュウガ)がポラリス(シズク)を庇ったことである。
サイガと自分の心が通い合っていると思いこんでいるクオンにとって、サイガがポラリスを庇うなんてことは少しも思いもしなかったからだ。
「何故です!サイガ様!!何故なんですか!!」
まるで裏切られたような気持ちになり、クオンは泣きそうな顔でリュウガに問い掛けた。が、シズクの下にいるリュウガの表情を窺い知ることは出来ない。
「サイガ様!何とか言ってください、サイガ様ぁ!!」
がっちり捕まれた小太刀をブンブンと揺すりながら、クオンは半狂乱になってリュウガに叫び続けた。
すると、その声が届いたのかシズクの体を押しのけて、リュウガがゆっくりと立ち上がってきた。
「サイガ様!!」
自分の声を聞き届けてくれた!と思ったクオンはパッと顔を輝かせ、リュウガに抱きついて体を摺り寄せてきた。
「………」
が、そんなクオンの媚びた態度に対してリュウガは俯いたまま何の反応も示そうとしない。
そんなつれない態度を取るリュウガに、クオンはさらに体を密着させてきた。
「もう、どうしたんですかサイガ様ぁ?ずっと黙ってしまわれて」
何か気に触ったことでもあったのかとクオンは頭を捻り、ふと足元に倒れ付しているシズクのことに思い至った。
「そうですか。この小娘がサイガ様に圧し掛かっていたのが煩わしかったのですね!
本当に、サイガ様を襲うなんて身の程を知れというものですよね!!」
クオンはゴミでも見るような眼をシズクに向け、踵でシズクの体をゴン!と蹴っ飛ばした。
意識が全然ないのか、シズクはそのまま惰性で転がり数メートル先にどさりと突っ伏した。
「アハハッ!これで煩わしいゴミはなくなりました!さあサイガ様ぁ、さっきの続きをしましょうよぉ」
シズクの無様な姿に快哉を上げたクオンは、目をうっとりと潤ませながらその手をリュウガの股間のほうへと伸ばしていった。
が、その手をリュウガの手ががっしりと握って遮ってきた。
「えっ?!サイガ様……?」
リュウガの態度に不審がるクオンの耳に、リュウガのボソッとした低い声が飛び込んできた。

「…お前も、煩わしい」

「…ぇ」
リュウガが何を言ったのか理解できないクオンの横顔に突然の衝撃が走ったのはまさにその時だった。
「がっ!!」
まるで丸太のような太いものがぶつかった痛みと共に、クオンはシズクが転がっているあたりまで派手に吹っ飛ばされた。
全身に響く痛みに、クオンは信じられないといった表情をしていた。
「な、な!何をなさるのですサイガさ、ま……?」
自分が吹き飛ばされた理由が全く理解できないクオンは非難めいた目をリュウガに送ったが、その目は驚きに大きく見開かれた。
復活
ゆらりと佇むリュウガの背中から、鮮やかなピンク色をした触手が何本も伸び、一本一本が意思を持つかのようにうねうねと蠢いている。
「………」
クオンを見るリュウガの眼は鮮やか過ぎる紅色に輝き、底知れない深い闇を湛えていた。
「あ、あ、あ………!」
その眼を見た途端、クオンの心の奥の何かがドクン!と跳ね上がった。

それは、人間を辞め皇魔になった時から心の奥に植え付けられたが、自分には関係ないことだとずっと押し潰してきたもの。
だが、日を追うごとにそれはどんどんと体を蝕み、いつの日か堪え難いものになってきたもの。
それをあくまで否定し続けた結果、自分を壊してしまった原因となったもの。
そして、壊れた自我の中に溶け込み、もはや形すら止めずに埋め込まれてしまったもの。
それがあの目を見た途端体の中で騒ぎ出し、不定形な形だったものがかちかちと再生され自分の心の中でひとつのものを形作っていってる。
『それ』は、クオンにとって決して認めてはならないものだ。『それ』を認めた時、自分は自分ではなくなってしまう。
だが、皇魔になってしまった体は本能で『それ』を求めてしまい、クオンの壊れた自我をさらに蝕んでくる。
「うぁっ!がっ、がぁあっ!!!」
かくんと腰を落として膝立ちになったクオンは両手で頭を抱え、内なる衝動に必死に抵抗するかのように悶え苦しんでいた。
が、それもわずかな間のことで、呻き声がぴたりと止まったかと思うとクオンの顔はみるみるうちに歓喜の笑みに包まれリュウガの元へとにじり寄っていった。
「あ、あぁ……」
が、それは先ほどまでリュウガに向けていたものとはまるで異なる。
リュウガをサイガと誤認していた時にクオンが見せていたのは、敬愛する主人に向けた敬慕の笑みだった。
だが、今クオンがリュウガへと向けているのは奉仕するべき主人に向けている奴隷の笑みだ。


なんで、今まで気が付かなかったのだろうか。
この目の前にいる方はサイガ様などではない。
サイガ様は、1000年前に既に亡くなられている。
もう、この世におられないのだ。
そうだ、このお方は『サイガ』などでは断じてない。
この自分が、その全てを賭して仕えるべきお方なのだ。


「……あははぁ…」
まるで子供のような無邪気な笑みを浮かべたクオンは、リュウガの足元に跪いてその足に両手を絡めてしなだれかかった。
大事な者を慈しむかのようにリュウガの太腿を撫で、その肌に舌を這わせて丁寧に舐め清めている。
そんなクオンを冷たい目線で見下しているリュウガは、背中の光の触手を伸ばしてお漏らしのような染みを作っているクオンの股間に潜り込ませた。
「はぅぅっ!」
突然の挿入にクオンはビクン!と顔を震わせたが、すぐに歓喜に蕩けきった笑みを浮かべ下半身から沸きあがる快感に酔いしれていった。
「あっあっあっ!もっと、もっと深く挿して、挿してくださぁい!!」
ずっと年下の少年により大きい快感を求めるクオンの姿には、かつての伝説の忍者の面影も限りない破壊と死を求めてきた皇魔の面影もなかった。
そこにいたのは、主人の施しに咽び泣いて悦ぶ一匹の奴隷にすぎなかった。





「ど、どうしたっていうの……?」
目の前で起こっている光景を、テラスは呆然と眺めていた。
起き上がったリュウガの背中からわさわさとピンク色の触手が伸び、それを見た途端クオンが頭を抱えて苦しんだと思ったら目を潤ませてにじり寄り、リュウガの足元にしなしなと傅いて快感に燃え狂っている。
それまでの地上のあらゆるものを憎み、破壊と死を欲し続けていたクオンを知っているテラスにとって、今のクオンは信じられないものだった。
もっとも、それよりさらに信じられないのはリュウガの変貌だ。
その姿形は背中から光る触手が生えていることを除けばなんら変わっているところはない。
が、今のリュウガからは触手だけでなく全身から怖気がはしるくらいの濃い瘴気がむんむんと湧き上がってきている。
こんなに強大で濃く邪悪な瘴気をテラスは今まで見たことがない。
自分は勿論、そこにいるシオン、クオンですらここまでの瘴気を放つことは出来ない。
まだ見たことのない魔将軍、もしくはそれよりさらに強大な皇魔でないとここまでの瘴気は発し得ない。
ましてや、ただの人間のリュウガにこんな瘴気を発することが出来るなんて到底考えられなかった。
「リュウガ……あなた……」
テラスは理解できないことへの慄きを込めた目でリュウガを見つめていた。


一方、訳も分からず呆然としているテラスとは違いシオンはリュウガの背中の触手を信じられないものを見る目で眺めていた。
「あれは……皇帝陛下の光の触手(ライトテンタクルス)!!」
1000年前にマステリオンを見たことがあるシオンは、リュウガの触手がマステリオンのものだというのはすぐに理解することができた。
もしあれが本物の光の触手だとしたら、今のクオンは皇帝陛下自らの手でその身を嬲られているということになる。
そう考えたらあのクオンの乱れきった姿も納得が出来る。
だが、納得できないことがある。
「でも……、なんで光の触手がリュウガから……」
今のリュウガから発せられるドス黒い気配は、絶対に人間から発せられるものではない。
でもリュウガはさっきまでは間違いなくライセンの元で一緒にいた時のリュウガだった。
では一体何が…
「………ハァッ…」
一体リュウガに何が起こったのか。それを考えようとしていたシオンだったが、ふと自分の胸が物凄い高鳴っていることに気が付いた。
「え……?なに、これ……」
胸の奥がボッと熱くなり、今すぐにでもクオンのようにあの場にひれ伏したい衝動にかられる。
あそこで光の触手に捉われ体を貫かれているクオンに、どうしようもないほどの嫉妬心が湧いてきている。
自分もされたい。この体に、あの光の触手を埋めてもらいたい。
「あ……ああぁ……!」
心の中でどんどん膨らんでいく衝動に、シオンは戸惑いながらもこれ以上ない恍惚感を感じていた。
あの太くて逞しい触手にこの体を捧げたい。全身をメチャクチャに犯されて頭がはじけ飛ぶような快感を味わいたい。
「はぁぁ……」
胸や股間がジンジンと疼き、シオンは無意識の内に乳首を扱き蜜壷を掻き回しながらリュウガのもとへと歩き始めていた。
リュウガばかり見ていてシオンは気づかなかったが、隣にいたテラスもシオンと同様にリュウガに熱い目線を向け、体中を弄りながらリュウガに歩み寄っていっている。
その瞳は歓喜で熱く潤み、尻尾が興奮からかぴこぴこと細かく震えており、股間からは熱い蜜が糸を引いて垂れて太腿を伝ってぽたぽたとこぼれているが、そんなことが気にならないほどシオンもテラスもリュウガに魅入られていた。

「リ、リュウガぁ……」
「お、お願い……私にもぉ…」

シオンもテラスももどかしそうに下着を脱ぎ捨て、お漏らしでもしたかのように潤みきった下半身をあらわにした。
別には恥ずかしいかはしたないとかという感情は湧いてこない。
シオンもテラスも、そうすることがごくごく当たり前なのだと思い込んでいた。
リュウガに近づきたい。リュウガの元に跪きたい。
リュウガにこの体の全てを捧げたい。
今のテラスの目に見えるリュウガはよく窓を伝って遊びに来た初恋の男の子ではなく、シオンの目に見えるリュウガはライセンの元で共に修行をこなしてきた弟弟子ではなかった。

「………」

そんな二人の思いを分かっているのかリュウガの背中の光の触手が幾本も二人に襲い掛かってその体を絡め取ると、ぽっかりと開いている二人の股間に勢いよく潜り込んできた。

「うぁっ!!」
「はうぅっ!!」

決して丁寧な挿入ではなかったが、股を押し開く感触に二人の顔は興奮に戦慄き、満ち足りた笑みを浮かべていた。
「あっ、ああぁ!挿入ってくる!挿入ってくるのぉ!!
お師匠様のよりずっといい!太くて、熱くて、気持ちいいのぉ!!」
「これ、これよ!これなのよぉ!!私がずっと求めてきたのは!!
こんな気持ちいいの初めてよぉ!気持ちよすぎてなにも考えられないぃ!!」
まわりに光の戦士たちがいることなど構いもせず、シオンもテラスも光の触手がもたらす快感に我を忘れ声を枯らさんばかりに嬌声を張り上げていた。





「リ、リーダー!あのリュウガの背中から生えている奴。あれってどう見ても……」
「ああ。あれは……、マステリオンの光の触手だ…」
自分達が散々苦戦したマステリオンの主力武器を、そうそう簡単に忘れるはずがない。
なぜリュウガからマステリオンの触手が伸びているのか。
なぜリュウガから凄まじいほどの邪悪な気配が発せられているのか。
なぜシズクがリュウガの足元で倒れ伏しているのか。
今までシオンとの気が抜けない激戦でリュウガ達のほうに気が回せなかったオウキたちに、今の状況はまったく訳がわからないものだった。
そして、自分達が悩んでいるその時に、シオンとテラスが熱に当てられたかように顔を染めながらふらふらとリュウガに近づき、足元にいるクオンも含めて淫らな肉宴が開始された事態を、オウキもタイガも呆然と眺めていた。
「え、あ、あれぇ……!」
「タイガ、見るな!!」
一応オウキは良識ある行動に乗っ取って真っ赤に赤面しているタイガの目を両手で塞いだ。さすがに子供に目の前の光景はあまりにも刺激的過ぎる。
「おいリュウガ!お前一体どうしたんだ!!なんでお前から光の触手が生えているんだ……!」
オウキは血相を変えてリュウガに問い掛けたが、リュウガは真っ赤に輝く目でオウキを一瞥したまま全く口を開こうとしない。
そして、返答の代わりにオウキに向って来たのは勢いよく伸びてきた光の触手だった。
「うおっ!」
「うわっ!」
不覚にもタイガの顔を抑えていたオウキは反応が遅れ、タイガ共々触手に捕らわれてしまった。
二人に絡みついた光の触手は物凄い力で二人の体を締め上げ、みしみしと肉と骨の軋む音があたりに響いている。
「いっ…痛ぇ!離せリュウガ!」
「や、やめろリュウガ!俺が分からないのか!!」
呼吸すら満足に出来ない中、タイガもオウキも何とか声を絞り出してリュウガに解放してくれるように頼んだが、リュウガは全く力を緩めず自分の元へ二人を引きずりこんできた。
「………」
二人を見るリュウガの目には底知れないほどの憎悪の炎が滾っている。
そのあまりにも濃い悪意を感じてオウキはゾッと背筋を振るわせた。
「なんでだ……。リュウガ!お前は自分が何をしているか、わかっているのか!!」
何故自分達がリュウガにこれほどの敵意を向けられるのか理解できない。
全身を締め付けられる痛みと相まって、オウキは苛立ちを交えながらリュウガに怒鳴りつけた。
すると、それまで完全無視を決め込んでいたリュウガがオウキを睨みつけながらその口を開いた。

「うるさい……。俺の名前はリュウガじゃない……」

「?!」
今目の前にいるのはどう見てもリュウガだ確かに背中から光の触手を伸ばしているがその他の外見は間違いなくリュウガのものだ。
だが、リュウガは自分のことをリュウガではないといっている。
その時オウキは、ある『嫌な予感』が脳裏をよぎった。
リュウガから感じられる邪悪な気配。そして、背中から生える光の触手。そして今の言動。
そう思いたくはないのに、そう思わざるを得ない展開。
はたして、次にリュウガの口から飛び出した言葉はオウキのその嫌な予感が最悪な形で当ったものになった。

「俺は……マステリオン。
魔界の魔神、マステリオンだ……!」

その瞬間、リュウガの眉間がグバッと割れ、翡翠色に輝く眼球がニュッと競り出して来た。
全身から発せられる瘴気もさらに濃く強くなり、ギラギラと光る光の触手に貫かれる三人の皇魔たちも増した瘴気と魔力にあてられてそれまで以上に声を高く哭き叫び快楽に悶え踊っていた。
「馬鹿な……!なんで、お前がマステリオンに……!」
「お前が知る必要はない。とにかく、俺は今復活したばかりで力が足りないんだ。
お前達もここにいる下僕達と同じく、俺に力をよこすんだ……!」
「ち、力…?」
その真意を量りかねて訝しむオウキとタイガに光の触手が伸び、あっと思う間もなく口に触手が飛び込んできた。

「「むぐっ!!」」

急に口をふさがれ戸惑うオウキだったが、次の瞬間喉まで潜り込んだ触手から全身を貫く官能が響き渡った。
「ぐっ!」
そのあまりの心地よさに、逆にオウキは底知れないほどの戦慄を感じたがすでにどうすることも出来ない。
ぐちゅぐちゅと動き回る触手に全身の力が吸い出され、力の抜けた体はまるで温かいベッドの中でまどろんでいるような感覚に捕らわれ、ここから逃げ出そうという気分すら奪い取っていく。
オウキの横にいるタイガもオウキと同じ快楽を味わっているのか、虚ろな視線を空に向けて触手に身を委ねている。
「ふふふ…、美味しいよオウキの精気…。さあ、もっともっと俺に捧げるんだ。この体に、お前達の生命力をいっぱいいっぱい吸わせるんだ」
リュウガの自我と融合しているのか、どことなく幼い言葉づかいをしているリュウガ=マステリオンは犯している全員の精気をさらに搾り取らんと光の触手を細やかに動かしてきた。
喉に震える振動が更なる快楽を誘発し、オウキの思考が快楽によって塗りつぶされていくのが感じられる。
(まずい、な、なんとかしな い  と………)
オウキは残った気力を総動員して光の触手を吐き出そうとした。
が、喉の奥まで入り込んだ触手を吐き出すことは到底不可能で、その間にも触手がどんどんオウキの抵抗する心をこそぎ取っていく。
「う、うぐ……うぅ……」
吐き出そうとしていた口からは断続的な呻き声しか漏れなくなり、どろんと垂れた目からは意思の光は感じられない。
最早オウキに触手に抗う気は全くなく、タイガやテラスたちと同様に触手が与えてくれる快楽にズブズブと溺れていった。


「あぁ…いい気分だ……。力が蘇ってくる…けど…」
都合5人の体から精気を吸いだし、リュウガ=マステリオンは体に満ち溢れてくる力にすがすがしい笑顔を浮かべた。
だが、まだまだ魔神の体を持っていたころに比べたら雲泥の差がある。
「もっと…、もっと力を吸わないと……」
何か獲物はいないか、キョロキョロとあたりを見回したリュウガの目に素早く動き回る二つの影が飛び込んできた。
「……いた…!」
美味しそうな獲物を見つけニィッと微笑んだリュウガは、光の触手を数本獲物へ向けて解き放った。





「ほらほらぁ!腕の動きが遅くなってきたわよショウ!もうへばったなんて言わないでよね!!」
「姉さんこそ、さっきから打ち込みが荒くなっていますよ!自分の力に振り回されすぎじゃないんですか?!」
すぐ近くで予想も出来ないことが起こっているにも拘らず、ショウとカレンはそんなものには目もくれず姉弟相克の戦いに明け暮れていた。
別に周りに注意を向けていなかったわけではない。そっちを省みる余裕が全くないだけだ。
なにしろ姉弟だけに互いのことはいやというほど理解しており、少しの隙でも見せたら一気に相手のペースに持ち込まれてしまう。
しかもカレンはさっきまであったショウへの容赦が全くなくなり、ショウのほうも一切の加減抜きで迎え撃っていた。
そのため、全神経を眼前の血を分けた敵に集中しなければならず、周りへの警戒が疎かになっていた。
だから、自分の体が光の触手に絡め取られるまでその存在にお互い全く気づくことはなかった。
「きゃあっ!!」
「な、なんですかこれは!!」
ショウもカレンも、突然背後からシュルシュルと伸びてきた触手に体を拘束されてようやっと周りの異常な事態に気がついた。
「リ、リュウガ君?!それってまさか……!」
ショウは自分を絡めとっているものが光の触手だということにすぐに気づいたが、それがリュウガの体から生えていることに軽い混乱を覚えた。
「いやっ!!なんなのこれ!ちょっと、離してよぉ!!」
一方カレンのほうは訳もわからず体を拘束されたことにパニックになり、体をブンブン揺すって触手を引き千切ろうともがいていた。
が、カレンがどれほど力を込めても巻きついた触手は千切れるどころかますます力を増してカレンを縛り上げてきている。
「なんでぇ?!なんで切れないの?」
皇魔になって新しい体を手に入れ、その力も人間の時とは比べ物にならないくらい増している。そう考えればこんな触手を千切るのは簡単だろうと思っていた。が、現実にはびくともしない。
もし、カレンが光の触手の事を知っていたら、事態はそんな容易なものではないと気づいたのだろうが。
カレンとショウに巻きついた触手は二人の動きを完全に封じた後、その先端がにゅるにゅると伸びて双方の顔のあたりに移動してきた。
まるで蛇のように鎌首をもたげ、触手は二人の顔を覗き見るように蠢いている。
「な、何をするのよ……やめて!!」
カレンは先の見えない恐怖に顔を引きつらせている。
「リュウガ君!どうしたんですか。正気に戻って……」
ショウは触手の持ち主のリュウガに必死に訴えかけている。
が、そんな二人の気持ちを全く顧みることなく、触手はシュッと伸びて二人の口の中に潜り込んできた。

「「むぐ―――っ!」」

口を強引に割り喉元まで押し入ってきた触手の不快感に、二人ともくぐもった悲鳴をあげた。先端が食道にまで至っているので息継ぎも碌に出来ず、全身を縛られる痛みとあわせて意識も飛びそうな感覚に陥っている。
が、そんなものすら子供だましに過ぎないものだった。
二人の口に潜り込んだ触手は淡い光を放ちはじめ、その瞬間カレンとショウの体がビクン!と大きく跳ねた。
「んんん!!」
触手が触れている部分が酒を飲んだ後のようにカァッと熱くなり、そこから体の芯から込み上がってきた力が搾り取られていく感覚が全身を伝わりまわっている。
それが吸い取られていくたびに体の力が抜け、思考がボーッと薄れていく。
普段なら、体の力を吸われていることに危機感を覚え、即座に触手を吐き出そうとしたことだろう。
ところが、ショウもカレンも瞳をどんよりと曇らせて触手による蹂躙にさせるがままになっていた。
「ん……んふぅ……」
カレンの顔からは先ほどまでの恐怖が嘘のように消え失せ、まるで貪るかのように激しく口を動かして触手を味わっている。
毛皮の間から露出している肌はほんのりと汗ばんで股間から溢れてくる蜜が触手を伝ってとろとろと糸を引いており、ひくひくと切なそうにひくつくそこへ一本の触手がずぶりと突き刺さってきた。
「んぐ―――っ!!」
その瞬間を待ちわびたかのようにカレンは口を塞がれたまま歓喜の雄叫びを上げ、入ってきた触手を離すまいと太腿をキュッと絞めて悶え狂っていた。

一方ショウのほうも鼻を鳴らして触手を飲み込み、ぐんにゃりと力の抜けた四肢を触手の為すがままに任せていた。
ショウはまだセックスの経験はないが、もしあったとしてもそんなものがどうでもよくなるくらいの愉悦をショウに与えている。
ズボンを突き破らんばかりに勃起したペニスは中に潜り込んだ触手によってぐちゃぐちゃに嬲られ、すでにズボンはペニスから噴き出した先走りによってじっとりと濡れていた。

(あ、あああ!気持ちいい!!)

触手と粘液が絡まってぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てるズボンの中が蕩けそうなほど気持ちいい。自分のペニスがつるつるした触手に擦られるたびに痺れるような快感が脳天まで駆け抜けてくる。
そのうち触手はショウのペニスを嬲るのに飽きてきたのか、先端がぐちゅりと裂けるとそのままショウのペニスに喰らいついてきた。

「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

敏感なペニスが生暖かい粘液に覆われた触手に包まれ、ショウは声にならない悲鳴を上げたかと思うと触手の中に派手に射精した。
噴き出した精液は包み込んだ触手の中に一滴残らず吸いこまれ、ぐびりぐびりと蠢きながら吸収されていった。
「あ、あひぃぃ……」
腰が抜けるような快感がショウの全身を支配し、同時に重だるい倦怠感がショウの体を包み込んでいた。
ショウが精液として吐き出したものには大量の精気も含まれており、それらが触手によって急激に吸い出された結果ショウの活力も大幅に奪われていったのだ。
だが、それがたまらなく心地よい。
「き、きもちいぃぃ……こんなの、はじめてですぅ……
もっと、もっと吸われたいぃ……。せーえき、しゃせぇしたいですぅ……」
力を吸われるという行為に対し、ショウは自分でも信じられないほどの興奮に包まれていた。
他人の力で自分の体から自分の力を吸い出されるという行為がこんなにも気持ちがいいものだとは思わなかった。
いつまでも吸われ続けたい。いつまでもこうしていたい。
姉さんも、僕の隣で気持ちよさそうに喘いでいる。
ね、ねぇさぁん……。
気持ち、いいですかぁ……?
僕、今とっても気持ちいいです……!


あぁ……、ショウ…!
私も、私も気持ちいいのよ!!
すっごい幸せ!
いつまでもこうしていたい!!
姉弟の肉宴
つい先ほどまで敵同士で剣をあわせていた姉弟は、いまや同じ触手の虜となり、同じ姿で縛られ、同じ触手で局部を嬲られ、同じ顔をして悶え、精気を吸われ続けている。
「ショウ、ショウ!」
「姉さん、ねえさぁん!!」
どっちともなく手を取り合って体を寄せた姉弟は、触手によって与えられる快楽をぶつけるかのように肌を絡ませ、歓喜の声を上げる口を重ね合わせて貪るように吸い続けていた。


「はぁあぅ!これすごぉい!さいこぉぉ!!」
空中で触手に拘束されながら蜜壷に激しい抽送を繰り返されているテラスはかつて感じたことのない悦楽を味わっていた。
皇魔になってから他人を堕とすために性行為は自然と行うようになり、尻尾で肉を穿つ気持ちよさを知りペニスを咥え込んで精気を搾り取る気持ちよさも覚えた。
だが、この触手はこれまで味わってきたものが児戯と思えるほどの強烈な快楽を全身に与えてきている。
一突きされるごとに身体が悦びに震え、肉を擦られるたびに目の前に火花が飛ぶ。
テラスに纏わり付く触手の動きは情け容赦がないもので、幼いテラスの体はバラバラに引き裂かれそうなほどに不自然に激しく揺れているが、そこからもたらされる痛みもまたテラスにとっては得難い快感だった。
この触手がテラスに与えてくるものは、その全てがテラスの体と心にとって快感だったのだ。
そのあまりの快感に意識が飛びかけているテラスの視界に、うねうねと触手を動かしながら悦に浸っているリュウガの顔が見える。
「あぁ……」
さっきまであれほど憎たらしかったリュウガが、今のテラスにはなぜかとても愛しく感じられる。
それは、自分にこれほどの快感を与えてくれている存在ということもある。
だが、それ以上にテラスの目にリュウガは従わなければならない、仕えなければならない、この身の全てを捧げなければならない存在に見えてきていた。
それが、快楽に全てを流されかねないテラスの心に微かな戸惑いを浮かび上がらせる。
(わ、私は…私は皇帝陛下の下僕なのに……。なんでこんなに…昂ぶっているの……?)
このままリュウガに身も心も捧げるのが当然という思いと、自分の立場からそれを拒まなければならないという相反する思いがテラスの心に湧きあがっていた。
だが、どんなに否定しようとしてもリュウガにひと突きされるたびに子宮は歓喜の悲鳴をあげ、体から精気が抜き取られるたびに心が悦びに色めき立つ。
もし、今急にリュウガがテラスへの責めを全て止めてテラスを解放したとしたら、恐らくテラスは半狂乱になってリュウガの触手を求めるのは間違いない。
それほどテラスの体も心も光の触手が与えてくる快感に溺れきっていた。
「こ、これ以上さ、されたら……きひいぃ!!」
あまりにも強烈な快感を受け続け息も絶え絶えになっているテラスの顔がまた人知を越えた悦びに彩られる。
テラスを挿している光の触手が暗く輝き、テラスの体から精気をズルズルと搾り取っているのだ。
体から力がどんどん抜けていっているのに、テラスの体はそれを拒むどころかそれを求めて触手の動きに全身を同調させ、効率よく触手が精気を抜き取るのに協力している。
精気を吸われ続けるテラスの肌からは艶が失われ目尻にはげっそりと隈が浮かび上がってきているが、テラスの顔には肉欲に猛り狂った狂気の笑みが零れ、上の口からも下の口からも熱い涎がダラダラと滴り落ちていた。
「あんっ!あんっ!!もう止まらない!気持ちいいのが止まらないぃ!リュウガぁ!もっとして、もっとぉぉ!!」
もう皇帝としての矜持も恥も外聞も捨て、テラスはリュウガの頭上でより強い快楽を求め叫び続けている。
「………」
その声があまりにも鬱陶しかったのか、リュウガか顔を上に向けてジロッとテラスを睨みつけた。
「もっとぉぉ……っ?!」
その顔。正確には暗い緋色に輝く瞳と、眉間に開いた翡翠色の瞳の輝きを目にした瞬間、ぎゃあぎゃあ喚いていたテラスの顔が驚きに凍りついた。
別にリュウガの眉間に三つ目の目があるからではない。
その目を見た途端、テラスの皇魔の本能が大きく揺り動かされたのだ。
「!!」
その瞬間テラスは確信した。
今、自分の下にいるのはリュウガじゃない。リュウガの姿形をしているが、決してリュウガじゃない。
自分はあの方を見たことがない。だが、自分の本能はあの方を知っている。
いや、知っていなければならない。
なぜなら、あの方こそは自分達を統べるお方であり、この世界の頂点に立つお方。
自分の前に降臨されるまでずっと待ち続けていたが、滅ぼされたと聞いて深い絶望に落とされたこともあった。
が、あの方は自分のために蘇ってくれた!!
「あ、あぁあ……!まさか……」
それまで強い快楽によって彩られていた壊れた笑顔が、みるみるうちに歓喜の笑顔に変わっていく。
自分を見るその目には何の感情も感じられないが、そんなことはどうでもいいことだ。
大事なのは、今この場にこの方が存在する。そのことなのだ。
「マステリオン……皇帝、陛下!!」
自分を犯している者が誰か。そのことを理解したテラスは顔を嬉し涙と悦楽の涎でグシャグシャにしながら込められる限りの敬意を込めて、眼下に佇む魔神に瞳を潤ませた。


テラスが犯されているすぐ下では、シオンとクオンが体中を触手で嬲られながら精気を吸われていた。
クオンもそうだが、シオンも光の触手に体を貫かれた時に自分を犯している者が何者かということを瞬時に理解した。
過去に一度もマステリオンにあったことのないテラスはともかく、シオンもクオンも1000年前の戦争のときにその目でマステリオンを見る機会があり、その気配を感じる機会があったのだ。
「あうっ、あうっ!こ、皇帝陛下ぁぁ!!」
「あぁああ!て、天に昇る心地よさですぅ!!」
シオンもクオンも体内で暴れ回る触手のもたらす快感に悶え狂い、普段の面影を全く感じないほどに乱れている。
ことにクオンの様は凄まじく、自らの九本の尻尾が光の触手と絡まりあって白と黒の触手が鮮やかな紋様を描いていた。
「陛下、陛下ぁ!陛下にこの身を捧げることが出来て、クオンは幸せ者ですぅ!!」
一体この体のどこにこれだけの液体が詰まっているのかと思うほどクオンは触手と尻尾を自らの吐き出した粘液で濡らし、リュウガの腰に腕を回して悦びにむせび泣いていた。
「あはは…っ!どうしたのよクオン、そんなに嬉しそうに皇帝陛下に抱きついて……。愛しのサイガ様はどうしたのよぉ……!」
「さ、さいが、さまぁ…?」
リュウガに噛り付きながら悶えるクオンに、自らは宙で触手に拘束されているシオンが嫉妬を込めながら皮肉混じりに出した『サイガ様』という単語。
その言葉にそれまで我を忘れて悦楽に浸っていたクオンがピクンと眉を動かし、上にいるシオンを睨みつけた。
「あらぁ…?」
これは禁忌に触れてしまったかとシオンは思ったが、クオンの口から出てきたのはある意味予想外、そしてしごく最もなものだった。
「サイガ様ぁ……?誰だそれは…!
私が愛しいと思うのは、この世にただ一人ぃ……!マステリオン、皇帝陛下……だけだぁ…!
皇帝陛下だけが、私が忠誠を捧げる……ただ一人のお方だ……あぁあぁ!!」
テラスの手によって皇魔に堕ちたクオンにとって、本来マステリオンは絶対の忠誠を捧げる対象の存在だ。
が、今までのクオンは過去の主君であるサイガの存在が心の中に占める割合が多すぎ、マステリオンへの忠誠心など微塵も湧いては来なかった。
が、こうして目の前にマステリオンが現れた時、それまで頑なにマステリオンを拒み続けたクオンの心はあっさりと溶け崩れた。
クオンの細胞の一片一片がマステリオンの存在を感じることに悦び、皇魔の本能が飽くなき忠誠心をこんこんと湧き上がらせてきている。
マステリオンを目にした瞬間、それまでクオンの心に残っていたサイガへの想いは一瞬にして消え去り、ぽっかりと空いた空間にマステリオンへの絶対の忠誠心が寸刻の間を持たずに満たしてきた。
もうクオンの心にサイガという存在は欠片すら残っていない。
クオンの敬愛する対象はマステリオンただ一人であり、それ以外は路傍の石ころ以下の存在でしかないのだ。
「サイガなど知らないぃ!過去に皇帝陛下を封じた不敬者など、私は知らないぃぃ〜〜っ!!」
クオンはサイガの名前を憎むべき対象として吐き捨てるように絶叫している。
その顔にはサイガに対する憎しみが色濃く浮かび上がっているが、金色に禍々しく輝く瞳からは青い血の涙がはらはらと流れ落ちていた。
それはまるで、敬愛すべきサイガを憎むべき対象に作り変えられてしまった自分に対する怒り。
そして、その怒りの心を血の涙とともに流しだして身も心も完全にマステリオンの下僕へと変わっていく儀式のように見えた。
先ほどのサイガ様サイガ様と壊れたように呟き続けていた時は正反対にマステリオンへの忠誠を露わにしているクオンに対し、シオンはしごく納得した笑みを浮かべていた。
「そう……よぉ!皇魔である私たちにとって、忠誠を誓うお方は、マステリオン皇帝陛下だけ……!
陛下とサイガなんて……比べ物にもなりはしない……!ましてや、とっくに死んだ人間と、今ここにいる陛下となんて!!」
こうして皇帝陛下に直に抱かれ、精気を捧げられることがどれだけ幸せなことか。
自分達の力で陛下が癒されていくのだ。なんという光栄なことなのだろう。
「陛下ぁ!もっともっとお吸いだしくださいぃ!私の全て、陛下にお捧げ致しますぅ!!」
「陛下!クオンも、クオンの精気ももっと吸い出してください!陛下のお力になれることこそ、私の幸せなのですぅぅ!!」
かつて共に皇魔族と戦い、その後1000年もの間次の戦いに備えてきた仙人と魔人は、二人共々倒すべき皇魔へとのその身を堕とし、戦うべきマステリオンに抱かれ精気を吸われる事に無上の悦びを感じ、率先してその身を捧げて与えられる快楽にずぶずぶと溺れていった。





「うん……いい感じだ…。やっぱりこうして直接力を吸うと……ん?」
テラスたち5人の体から吸い出される精気が光の触手を通してドクドクとリュウガの体に流れ込み、その力の大きさにリュウガは満足そうに微笑んでいたが、そのとき足元に転がる一人の人間が目に入ってきた。
「………」
それは、先ほどまでリュウガに圧し掛かり、マステリオンの本体を吐き出し続けていたシズクだった。
出すものを出し切ったシズクはすでに抜け殻になっているのか、光を失った目で虚空を見つめながら指一本動かそうとしない。
時折体が思い出したかのようにビクンと痙攣しているから死んではいないのだろうが、人間として生きているのかと尋ねたら少し疑問を呈さざるを得ない。
もう吸い出すものすら残っていないシズクは、もちろんリュウガにとっては用のないものだ。
だが、リュウガは倒れているシズクから目を離さずにじっと眺めていた。
それはマステリオンと融合したリュウガの意識の影響か、それともまがりなりにも自分がまた復活できたきっかけを作ってくれた人間に対する多少なりとも感謝の意思なのか。
少しの間シズクを眺めたリュウガは、背中の光の触手を一本シズクのほうへと伸ばした。
その先端がピッと割れたかと思うと、中から血走った目玉が一つ迫り出してきてギョロリとシズクを睨んだ。
「俺を追い詰めるまでの力を持つ鎧羅の末裔…このまま朽ち果てさすのも惜しいよね。
さあ、俺の触手を飲み込むんだ。そして君は光の戦士から、俺の下僕の皇魔として生まれ変わるんだ」
触手はそのままシズクの口へと割り込むとずぶずぶと潜り込み、ズルズルとシズクの体内へと飲み込まれていった。
そして、根元が千切れてシズクの体内に完全に収まりきると

「…っ?!」

それまで微動だにしなかったシズクの体がビクン!と跳ねた。
「…………っ!!」
シズクの体は、まるで陸に上がった魚のようにその場でビクンビクンと大きく跳ね上がり、胸の傷口あたりにうっすらとピンク色の蚯蚓腫れのようなものが浮かびあがると物凄い速さで全身に伝播していった。
それはまるで、飲み込まれた触手が胸から顔を出して全身に細かく行き渡るような光景だった。
表情を無くした顔にもまるで浮かび上がった血管のように蚯蚓腫れがびっしりと覆って幾何学的な模様を描いていき、髪の毛に隠れて外からは分からないが頭頂部まで蚯蚓腫れが覆い尽くしたとき、意識がないはずのシズクの瞳がギラリと金色に輝いた。
「………ぁ」
僅かではあるがシズクは意志ある言葉を紡ぎ、次の瞬間シズクの全身から夥しいほどの量の瘴気が噴き出してきた。
「あ、あ!あぁあ〜〜〜〜っ!!」
シズクの体から噴き上がった瘴気はそのままシズクの体を覆い、その体を瘴気をまとうに相応しい体へと作り変えていく。
この過程はテラスたちが『黒い光』を注ぎ込んで皇魔を増やす手順に似ているが、シズクの変化には決定的に異なる所があった。
黒い光で皇魔化する際は全身が瘴気で形成された黒い卵に覆われ、その中で自分の欲望を為す皇魔の姿へと変わるのだが、今シズクに纏わり付く瘴気はそのままシズクの体を皇魔のものへと変化させていった。
着ている服は瘴気に侵されてボロボロに崩れ落ち、露わになった足から瘴気と共に光の触手がビチビチと這いずりだしてシズクの両足に絡み付いて侵食しまるで蛇の胴体のような形へと変えていく。
肩のあたりが不自然に盛り上がったかと思うとにょっきりと腕が生え、絡み付いてきた瘴気が表面を覆ってまるで鎧のように表面を硬質化していく。
胸にぽっかりと開いた傷口からは、内側からまるで聖龍石のように翡翠色に輝く輝石が盛り上がってきて傷口を塞ぎ。妖しい明滅を繰り返している。
体を作り変えられるショックに開ききった瞳孔は蛇のように細く絞り、虹彩が金色に変色したかと思うと白目の部分が瘴気で染められたかのように黒く変化した。
「うぁぁ〜〜〜っ!!ふわぁ〜〜〜〜っ!!」
シズクの口から発せられる悲鳴は体が作りかえられるにつれ甘いものが混じり始め、だらしなく開いた口からは錐のように鋭く尖った牙と先が二股に割れた蛇のような長い舌が覗いていた。
染み一つない綺麗な肌は毒々しい暗緑色に染まり、背中や胸には皮膚から浮かび上がってきた滑る粘液を伴った鱗にびっしりと覆われていく。
最後に、瘴気がシズクの4本の掌に一際濃く凝集されると曲刀へと変わり、其々の手に掴まされたそれは鈍い光を輝かせた。

「うぅ………うがぁああぁ〜〜っ!!」

蛇と人間が不気味に融合したような皇魔へと変化したシズクは、生まれ変わったことを悦ぶかのように大きく吼えると、シュルシュルと蛇の下半身を蠢かせてリュウガに近づくと、刀を置いてから恭しく頭を下げた。

蛟魔獣シズク
……皇帝陛下、この私めを陛下の末席に加えてくださりまことにありがとうございます。
このシズク、陛下に永遠の忠誠と隷属を誓わせていただきます……

リュウガに忠誠を誓うシズクの顔はリュウガに従うことへの悦びで喜色に染まり、無意識に口から舌がしゅるしゅると出入りしていた。
「シズク、その姿人間だった時よりよっぽど綺麗だよ。どうだい、皇魔になってよかっただろう?」
「はい。この高揚した心、人間だった時には感じたこともありませんでした。
陛下にお仕えすることの出来る悦び。湧き上がる力を抑え切れない恍惚……どれもこれも素晴らしいものです」
シズクは自分の体を4本の腕で抱きしめ、ゾクゾクと背筋を振るわせた。
「あぁ…この手を振るって人間をバラバラにしたい。この体で締め付けて骨も肉も粉々にしたい。
この牙で噛み付いて毒液を流し込みたい!尻尾で突き刺して精気吸い取りたい!!
もう辛抱できません!人間、にんげん、ニンゲンどこ〜〜〜っ?!」
内から湧き上がる力を持て余しているのか、シズクは蛇体をぐねぐねと暴れさせながらリュウガの目の前で嬌声を張り上げた。
もともと活発で活動的な性格だったのだが、皇魔になってそれがより顕著に、しかも負の方向に向って突き進んでいるみたいだ。
(良かった……彼女を皇魔にして大正解だったみたいだ)
どっちかというと感傷的な理由でシズクを皇魔へと生まれ変わらせたのだが、元々肉体のポテンシャルが高かった上に内に潜む負の心が予想以上に大きかったのだろう。
その体も心も、並の皇魔とは比べ物にならないくらい強大で邪悪なものになっている。
これは実に使い勝手のいい手駒へと仕上がった。
ただ、皇魔へとなった悦びで少し気持ちが昂ぶりすぎているところがあるところが気になった。
「ふふふ、落ち着くんだシズク。そのうち、飽き飽きするほど俺の敵を殺すことになるんだ。今の内からそんなにいきり立っていたら、肝心な時に疲れちゃうよ」
「あ…も、申し訳ありません…!私、あまりにも嬉しくてつい……」
気持ちを落ち着けさせようとしたリュウガの軽い窘めに、シズクは逆に少し自分が調子に乗りすぎていたと後悔し、顔を真っ赤にしてうなだれてしまった。
別にシズクに悪気は全くなかったのでこれはさすがに気の毒と思ったリュウガは、しゅんと縮こまっているシズクの顎に手をかけてくい、と持ち上げるとニコリと微笑んだ。
「ああ、そんなにしょげることはないよ。皇魔になったばかりのシズクが俺の為に頑張ってくれるっていう証だからね。
あ、そうだ。せっかく皇魔になったんだ。水嶺のシズクって人間の名前も捨てちゃおうよ。そうだなぁ……
………蛟魔獣(こうまじゅう)シズク。これがシズクの新しい名前だ。どうだい?」
「蛟魔獣…シズク……」
自分につけられた新しい名前、その名を口にした途端うな垂れていたシズクの顔がパッと明るく輝いた。
「蛟魔獣…なんて今の私に相応しい名前なの……!
そう、私は蛇。皇帝陛下に逆らう輩を噛み殺し、絞め殺す蛇なのよ…。ふ、うふ、うふふふふ!」
よっぽど蛟魔獣という響きが気に入ったのだろう。シズクは口から毒液を滴らせながらバッタンバッタンと蛇体を地面に叩きつけて喜びを露わにしていた。
「皇帝陛下!私、いただいた蛟魔獣の名に恥じない働きをしてみせます!陛下の御為に、命を賭して仕えさせていただきます!
陛下に逆らう愚かな者どもを皆殺しにしてみせます!」
皇魔として生まれたばかりにも拘らず、主人であるマステリオンから直々に名前を賜ったことにシズクはこの上ない喜びを感じ、植え付けられたマステリオンへの忠誠心はもうどんなことがあっても消えないまでに強固なものとなっていった。
凛とした表情で改めてマステリオンへの忠誠を誓ったシズクは、そのまま顔を上に向けて手に持った剣をあるところへと掲げた。
「それで陛下、そいつらをどうするおつもりなのですか?」
シズクが剣で指しているところには、光の触手に絡め取られて精気を吸われ夢見ごこちになっている光の戦士たちがいた。
光の戦士たちを見るシズクの眼は憎悪で暗く光っている。
もちろんシズクに人間だった頃の記憶は残っており、オウキ達のこともちゃんと覚えている。
だが皇魔になったシズクにはテラスたちと同様光の戦士たちはマステリオンを倒した仇敵として写っており、そこに憎しみ以外の感情が入ることはない。
ましてやシズクは自分自身がマステリオン消滅に参加していたという過去があるため、非常に後ろめたい気持ちと共に自分を連れて行ったほかの光の戦士たちに対する憎しみはただならぬものがあった。
「こいつらと一緒にいたために…、私は取り返しのつかない過ちを犯してしまいました……
願わくば、こいつらの血と肉でもってその償いを致したいと思います……!」

先輩風を吹かしていたリーダーは、全身をギューッと締め上げて体中の骨をバラバラにしてやる…
馬鹿なタイガには頭から噛り付いて、ちっぽけな脳味噌をジュルジュルと啜ってやる…
なよなよしたcVョウは媚毒液を流し込んでから、いきり立ったペニスを齧り切って地の噴水台にしてやる…

「お願いします陛下。こいつらの始末をご命令ください!こいつらを殺し、私は過去の忌まわしい私と完全に決別いたします!」
シズクは断固たる決意を眦に込めてリュウガに懇願してきた。
下手をするとリュウガの命令を待たずに光の戦士たちを奪い取って、そのまま殺しかねない勢いだ。
自分を滅ぼした憎い仇。自身の過去と決別するシズクの思い。
正直シズクはリュウガがこの申し出を断るとは全然考えていなかった。
ところが、リュウガはそんなシズクに首を横に振った。
「………だめだ」

「!!」

まさか断られるとは思っていなかったシズクは4本の牙をギシギシと歯軋りさせながらリュウガに迫ってきた。
「何故です!なんでダメなんですか!なんで私に殺させてもらえないんですか!!」
まるでリュウガに覆い被さるかのような迫力で迫って来るシズクを、リュウガは冷たい目で睨みつけた。
「…お前は俺の命令が聞けないのか?」
そこにはさっきまで感じられた気遣いや心遣いはまるで感じられない、冷徹な絶対者としての雰囲気がありありと噴出していた。
「うっ!!」
その気配を敏感に感じ、シズクはザザッと後ずさると剣を下ろして慌てて平伏した。
「も、申し訳ありません!出すぎた真似をしてしまいました!!
私、蛟魔獣シズクは皇帝陛下の忠実な下僕!陛下の仰られることに一切の疑問、反論を挟むことは致しません!!」
ガクガクと体を震わせて頭を下げるシズクを冷たく見下ろしたリュウガは、背中の光の触手をシズクに向って伸ばした。
「きゃっ!」
光の触手はシズクの両腕を掴むと、そのまま強引に立ち上がらせシズクをまるで磔の様に拘束した。
「へ、陛下……何を……!」
「俺は別にお前が謝ろうがどうしようが関係ない。それよりも俺は力が欲しいんだ……。分かるな」
戸惑うシズクの前にもう一本光の触手が伸びてくる。
淫靡に鎌首をもたげる光の触手を見て、シズクはリュウガが何を求めているのか即座に理解した。
「っ!!……はい」
シズクの顔はあっという間に紅潮し、残った二本の腕を自らの陰部へと回し指でくいっと押し広げた。
そこは光の触手を前にして見る見るうちに濡れ始め、とろりと粘性の高い液体が蛇体を糸を引いて垂れていった。
「ど、どうぞ……。皇魔になったシズクの体を……存分に、御賞味ください……!」
光の触手を前にしたシズクの体は小刻みに震えている。
別に触手の太さに脅えているとか、そういうことではない。
たった今皇魔に生まれ変わったばかりだというのに、もうその体を捧げることが出来ることに無上の喜びを感じ、全身が官能に打ち震えていたのだ。
「はやく…はやくお願いします…!陛下にこの身を捧げることが出来ると思うだけで、もう我慢が…」
それに対する返事の代わりに延びてきた光の触手がシズクの秘部に口付けをする。

「ひゃうん!!」

ただそれだけでシズクは軽く達してしまって触手との接合部から軽く潮を噴き出して、入りかけていた触手を粘度の高い液体でどろりと濡らし その粘液で滑りがよくなった触手はそのままズルズルッとシズクの中へと埋まっていった。

「あはぁ―――っ!」

勿論それまで性交渉などしたことがないシズクにとってこれが始めての経験であり、子供の腕ほどもある触手に挿された秘部からは傷ついた媚粘膜と処女膜を突き破ったことでの血が溢れ出し、青い筋が触手と蛇体をつぅっと流れ落ちていった。
初めてでこれほどの太さのものを受け入れたのだから当然シズクの体には体を引き裂かれるような激痛が走っているのだが、シズクの心は痛みを感じる以上にマステリオンに捧げられたことに対する幸福感と触手がもたらす愉悦によって満たされ、触手で拘束された体を右に左にうねらせながら喘ぎ声を上げていた。
「あぁぁっ!私の、私の体から力が吸い取られるっ!気持ちいい!!
陛下ぁ!もっと、もっと私の体から吸ってくださいぃ!他の連中より、いっぱいいっぱい吸い出してくださぁい!!」
その望みをかなえるためなのか、シズクの長い蛇体にさらに幾本かの触手が絡みついたかと思うとその先端がぶすぶすと突き刺さってきた。
シズクに刺さった光の触手はその瞬間から鈍く光り始め、シズクの体から精気を搾り取っていく。
その吸い出される感触がシズクにはかつてない快感をもたらし、全身の精気をリュウガに捧げたくなる気持ちが嫌でも湧いてくる。
「へ、陛下ぁ…!シズクは、とっても幸せ者です……!
この体の全てを陛下に捧げることができ、陛下からこんな御寵愛を授かることが出来るのですからぁ……っ!」
触手に全身の精気を吸い取られてすでに意識も朦朧としているのだが、シズクはリュウガに至福の笑顔を向け吸精の快楽に浸り続けた。


リュウガの触手の虜になっていた犠牲者に新たにシズクが加わり、寒風吹く薄暗い空の下に皇魔と人間の嬌声と幾本もの触手が滑る音、そしてびちゃびちゃと滴る淫らな水音が周囲に撒き散らされていた。
だが、この狂宴の中心であるリュウガの顔は晴れない。
「……もっとだ…。もっと力が欲しい。早く元の力を取り戻して、この体を完全なものにしないと…」
挿している6人から際限なく精気を搾り取りながらも、リュウガはまだ満足せずその瞳を飽くなき渇望に光らせていた。


○エピローグ・魔宴舞台の傀儡人形


既に空に日が差さなくなって何ヶ月が過ぎたろうか。
常に真っ黒な厚い雲に覆われた空は日の光を全く通さず、暖かみが失われた大地からは草木は枯れはて、不毛な姿を延々と晒している。
空から降る雨は瘴気混じりの真っ黒なもので、大地を腐らせ飲み水を汚し、口に入れた動物の心身を侵して凶暴化させる。
事実、それまで人間と共存はしないまでも互いの領域を侵すことはなかった原生モンスターが凶暴化して、人間の集落を次々に襲い大被害を与えている。
もっとも、人間にとっての脅威は原生モンスターなんかではない。
本当の脅威はおよそ1000年ぶりに地上に現れ、その圧倒的な力で侵略を続ける皇魔族だった。
中央大陸から選りすぐりの精鋭が各地に散らばり、一時はその侵略も食い止められたかに見えたものの、ある時を境に質、量ともに人間を凌駕する皇魔族がよりにもよって中央大陸から各地に散らばり、細々と抵抗を続けていた人間の集落を瞬く間に蹂躙していった。
なかには見知った友人や仲間が皇魔族になって襲い掛かってきたという話もあるが、それを確かめる術はなかった。
なぜなら、それを確かめる間もなく皇魔族に狙われた集落は潰され、一人の生存者すら残らないからだ。
僅かに生き残った人間や、中央大陸から派遣された北斗七星など図抜けた能力を持つ兵士が各地で散発的な抵抗を続けてはいたものの、あまりに数が多くなった皇魔族の支配をひっくり返すことは最早不可能だった。
そしてそれら抵抗も時間をかけて一つ一つ、潰されていく運命にあった。



かつて神羅連和国の中心部であり、人類の栄華の象徴だった中央都市宮殿。
だがいまやそこは、地上にはびこる皇魔族の拠点と化していた。
荒れ放題の宮殿にはそこかしこに皇魔族が徘徊し、思い思いの行動を勝手気ままに行っていた。
そこに秩序はなく、傍から見れば無法者の集団にしか見えないが、これこそがここに集った皇魔族のあるべき姿だった。
自分の好きなことを好き勝手に行う。
ただ一つ守らなければならないことは、彼らが崇め奉る皇帝陛下の命令は絶対ということ。
それにさえ逆らわなければ基本的に何をしても咎められることはない。
そして、今現在に至るまで皇帝が皇魔に下した命令は一つだけ。それは

『力ある人間を連れて来い』

ただ、それだけだった。
だから、侵略した地域でそれらしい人間がいたら拉致して中央都市宮殿に連れてくる。いなかったら皆殺し。
それだけをしていればいいので皇魔たちはひどく気楽なものだった。
そういうことなので、中央都市宮殿に戻った皇魔たちは誰憚ることなく自分が好きなことをあちこちで繰り広げていた。
それこそ宮殿外でも宮殿内でも。


中央都市宮殿の中央部。かつては連和国を治める皇帝の玉座が鎮座し、世界の行く末を決める空間だった場所。
そこに置かれている玉座はなんら変わることはない。
しかし、それ以外は全ての面でかつての面影を見ることは出来ない。
広い空間の中には夥しい数の皇魔族と、それと同じくらいの数の人間が男女問わず集められ目を覆わんばかりの魔宴が繰り広げられていた。
人間の男は女皇魔に跨られて精液を1滴残らず搾り取られ、人間の女は部屋中から伸びる触手に体を貫かれて体中の精気を吸われている。
それらのいずれもが瞳に狂気と情欲の光を宿し、一心不乱に与えられる快楽を享受していた。





そしてあちこちで様々な肉の饗宴が広げられる中、広間のほぼ中央でかつて光の戦士と呼ばれていた者たちもまた淫らな宴の輪に加わっていた。

「はぁっ!はぁっ!!」
「あははっ!タイガぁ、もっともっと激しく腰を振りなさいよぉ!」

床に長い蛇体を伸ばして寝転ぶシズクが上に圧し掛かっているタイガの腰に四本の腕を伸ばし、二本の手で睾丸をぐにぐにと揉み、残る二本の手を尻に回して尻たぶと肛門を指で弄くっている。
前後の局部に与えられる快感がタイガの性感をさらに高めているのか、タイガは腰を砕かんばかりの勢いでシズクの膣内にペニスを打ちつけていた。
淫欲の炎に理性の全てを焼き尽くされ、瞳には理性は感じられずケダモノの本能が心身を支配していた。
「あぁ…いいぜ。シズクの膣内は最高だ!いくらでも射精できそうだぜ!!」
既に何発も射精したのだろうか、シズクの腰まわりは真っ白な精液でべっとりと塗れぬちゅぬちゅと粘っぽい音を立てている。
射精のし過ぎかタイガの顔には疲労が色濃く出て、真っ黒な隈が浮かんだ瞳はげっそりと落ち窪んでいる。
にも拘らずタイガのペニスは萎えることを知らずにますますいきり立ち、シズクの膣内に抽送を繰り返していた。
「そうよ。もっともっと射精すのよ!タイガの光の戦士にとしての力を、全部私に注ぎ込むのよ!!」
「ああ!出すぜ、また出すぜシズク……あおぉ―――っ!!」
狂ったように腰を振っていたタイガの体がビリビリと震え、幾度目かわからない回数の射精をシズクの中に注ぎ込む。
にもかかわらず、その精液の量は膨大で、受け止めきらない精液がシズクの膣口からごぷりと溢れてくるほどだった。
「うあぁ……はぁ…はぁ……」
意識が吹き飛びそうになるほどの射精後の余韻に浸ったタイガは、そのままシズクにもたれかかってきた。
尋常でないほどに荒い息遣いが、タイガの体力が限界に近いことを物語っている。
「ふぅ…。タイガの精液、熱くってとっても美味しいよ……」
一方タイガの射精を受け止め切ったシズクのほうにはまだまだ余裕がある。シズクは局部を弄っていた手をタイガの背中に回し、ぎゅっと力強く抱きしめた。
パッと見れば、それはセックスの事後の恋人同士の絡み合いに見えないこともない。
だが、シズクのそれは勿論違う。
これは恋人を愛しく抱きしめるものでは決してない。
犠牲者を逃がさないように拘束するものなのだ。
「だからさぁ……、もっともっと頂戴!
タイガの精気、今日も一滴残らず搾り取ってあげるよ!」
ニィッと笑ったシズクの口がガッと大きく開かれ、長く伸びた牙が紫色の毒液を滴らせながらタイガの首に打ち込まれた。
「がぁっ!」
そのズキン!とした痛みに射精後の余韻に浸っていたタイガは苦しげな悲鳴を上げ、反射的に体を持ち上げようとした。
が、4本の腕で拘束されている体はびくとも動かず、シズクの牙からドクドクと注ぎ込まれる毒液はどんどんタイガの体を蝕んでいった。
「うふふ…、もうタイガは私の媚毒液なしではいられない体になっちゃったのよね。感じるでしょ?私の冷たい毒液が血管を通してタイガの体中に広がっていくのが……」
見るとタイガの首筋には過去に穿たれたであろうシズクの牙の痕が無数に残されている。
これまでもタイガはシズクに媚毒液を流し込まれ、無理矢理精気を搾り取られていたということが用意に予想できる。
「あ、あぁあ……!」
タイガの肌から浮かび上がる血管がシズクの媚毒液で首からどんどん黒く変色していき、浅黒いタイガの肌が焦げ茶色と言ってもいいほど黒く染まっていっている。
その範囲が広がるにつれ、タイガの顔に人知を越えた興奮と底知れない淫欲の光が宿り始める。
散々射精して硬さを失いかけていたペニスは海綿体に媚毒液が回った途端先ほどとは比べ物にならないほど充血し、鈴口からすでにドロドロと紫色が混じった粘液を滴らせており、今すぐにでも女の秘所を味わいたいと訴えている。
「が……がぁっ!がぁぁぁあ!!」
獣牙の血を引く者に相応しく、タイガは肉食獣のような咆哮を上げながら体の中で再び燃え上がった淫欲に導かれるままにペニスを握り締めてシズクの膣口にあてがった。
「どう?体がどうしようもないくらい熱くなって、また私の中に出したくなっちゃったでしょ?
いいのよ。もっともっと出して…!タイガの中が空っぽになるまで!」

「がぁあ――――っ!」

シズクの理性を蕩かすような誘惑がタイガの性欲をさらに昂ぶらせたのか、そのままタイガはシズクにペニスを突っ込み、狂ったように腰を降り始めた。
「うぁっ!そうよ!この乱暴なセックスが気持ちいいのよ!!
タイガ!また萎えたら媚毒液を打ち込んであげるから、今日もいっぱいいっぱい射精すのよ!!」
理性が完全に吹き飛んで獣となったタイガの抽送を全身で受け止めながら、シズクはなおも余裕ある顔つきでタイガとのセックスに没頭していった。





その少し奥では、全裸にひん剥かれたショウが上から垂らされた縄に両手を縛られ身動きが出来ない状態にされながら二人の女皇魔にその身を嬲られていた。
「うふふ。ショウ君って以前から可愛いと思っていたのよね」
「よくカレン様の傍にいらして、あの頃からできれば食べちゃいたいと思っていたよ」
女皇魔は、身動きが出来ずに剥き出しになったショウのペニスを長い舌で包み込みながらペロペロと舐めしゃぶっている。
「あ……、あぅ……」
年上の皇魔の奉仕に対してショウは心ここにあらずといった呆けた表情を浮かべ、虚ろに開いた瞳を何もない天井に向けながら涎が糸を引いて垂れている口から言葉にならない小さな喘ぎ声を発していた。
タイガと同じく、散々に搾り取られた精液が下半身一杯に撒き散らされて生臭い匂いをあたりに漂わせ、それがショウを嬲る女皇魔をより一層昂ぶらせていた。
「ほらほらショウ君、またザーメンをいっぱいお姉さん達に飲ませてよぉ」
「我慢することなんてないんだからさぁ」
まるでペニス全体を掃除するかのように女皇魔の舌がぐにゅぐにゅと纏わりついてショウから精液を吐き出させようと蠢き、ブルッと背筋を振るわせたショウは呆けた笑みを浮かべたまま派手に精液を噴き出した。

「「あぁん!」」

降りかかる精液を女皇魔たちは嬉々として飲み込み、互いについた精液を舌でぺろぺろと舐め取っていた。
「あ、あは……。あははぁ……」
まるで壊れた蛇口のように噴出してくる自分の精液を、ショウは壊れた笑みを浮かべながら眺めていた。
もっとも、目にしているそれが脳の中に入っているとは断言できないが。
「またいーっぱい出したねショウ君」
「さっきから何発も射精しているのに、まだこんなに濃くておいしいわよ。ククク!」
まだ頬に精液の残滓を残しながら、女皇魔の一人がショウに迫ってきた。
「ほら、顔にショウ君の出したザーメンが残っているの。出した責任とって綺麗にしてちょうだい?」
女皇魔はショウの顔の前に自らの顔をずいっと近づけ、精液がこびり付いている頬を突き出した。
自分の口に当てるか当てられないかのギリギリまで迫った頬に、ショウはゆっくりと舌を伸ばすと言われるままに音を立てて女皇魔の頬に舌を這わせた。
「キャハハ!ショウ君ったら自分のザーメン美味しそうに舐めてるわよ!」
「この歳で光の戦士に選ばれたって言うからどんなに才能あるのかと思っていたけど、なんてことないただの変態坊やだった見たいね!」
自分で頼んでおきながら精液を掬い取るショウに嘲笑と侮蔑をぶつける女皇魔たちを、ショウは舌を動かしながら何も見えていなさそうな瞳でジッと見つめていた。
「あはぁ…、この子犬のような目。見ているだけでまた虐めたくなってきちゃうよぉ…」
「ねぇねぇ。今度は直接子宮から吸ってみたいんだけど、どうかしら?」
ショウの従順な態度にまた昂ぶってきたのか、青い肌の女皇魔は濡れ始めた股間を指で弄るとまだ硬さを失わないショウのペニスをぎゅっと握り締めた。
「あぅ……」
射精のあとで敏感になったペニスを握られ、能面のようだったショウの顔に少しづつ感情が戻り始める。
しかし、それは理性をもった意識ではなく肉の期待に弾む獣欲のものだった。
「あは、あははぁ……。せっくす、せっくすしてくれるんですかぁ……?」
ショウの目線は女皇魔の愛液が滴る股間に釘付けになっている。ここ連日寝る間もないほどの陵辱に晒されたショウの心は完全に肉欲に塗りつぶされ、セックス以外の興味を完全に無くしていた。
それも普通の刺激では満足することができないくらいに調教されており、先ほどの女皇魔の口技などでは射精には至るもののショウの歪んだ心は決して満足行くところまではいかなかった。
しかし、皇魔の蜜壷はそんな餓鬼道に堕ちたショウの心を十分に満足させるものだった。
もし許されるなら、一日中女皇魔とセックスを繰り返しその体内に射精し続けたい。
そんな壊れた欲望をショウは抱き続けていた。
そして今、また皇魔のお姉さんが僕とセックスをしてくれる。
そう思っただけでショウの胸は期待に弾み、勃起したペニスが血管が浮き出るほど充血して雁首を天に向けて高々とそびえ立っている。
握ったペニスがどんどん手の中で硬くなっていく様に、女皇魔は苦笑しながら自らの秘部にペニスをあてがい
「あらあら、こんなにガチガチに勃起させちゃって…。本当にかわいいんだか、らぁ!」
そのまま一気に自らの膣内に滑り込ませた。
「あああぅ!!」
ペニスに冷たい媚粘膜が張り付く悦楽に、ショウは首をブンブン揺らして快感に戦慄いた。
いつやっても、何回やってもこのペニスを包む氷のように冷たい感触がたまらなく気持ちいい。
これだけで心の中が至福に満たされ、いくらでも精を吐き出したい衝動に駆られてしまう。
「クククッ!ショウ君のちんちん、相変わらず硬くて長くて素敵!子宮口がショウ君のちんちんとキスしているわぁ!」
ショウ自らは動けないため、女皇魔は自分で腰を上げ下げしながらショウのペニスを膣全体で締め付けた。
それだけでショウの体に痺れそうな快感が走り、だらしなく開いた口からだらりと伸びた舌と共に獣のような喘ぎ声が発せられる。
「あぁーっ!いい――っ!せっくすきもちいひぃ―――っ!からだがとけちゃうぅ――っ!」
膣の粘膜はおろか分泌される愛液までもがショウのペニスに絡みついてショウの射精を促してきており、その心地よさにショウの腰にはずんずんと射精願望が溜まり始め、体内では精気を精液に転換する作業が突貫工事で行われ、射精へと待ち構えている。
が、ショウの体は女皇魔に人外の快楽を与えられているもののなかなか最後の射精までには至らない。
すでに体が皇魔によって与えられる快楽に慣れてしまい、生半可なセックスでは最後の一線を越えられないのだ。
「あぁんっ!またっ、ショウ君頑張るんだから…!遠慮せずにお姉さんの中に射精、しなさいよぉ!」
硬くなるばかりでなかなか射精しないショウに、女皇魔は苛立ちを隠さずに叫びとおした。自分も速く達したいのに、そのきっかけがやってこないからだ。
ショウのほうもなんとか腰に溜まった欲望の滾りをぶち撒きたいとだるい腰をカクカクと動かすものの、既に何発も射精した後で相当の疲労がたまっておりなかなか達するところまではたどり着けない。
(早く皇魔のお姉さんの中に射精したい。射精したい!射精したい!!)
強烈な放出感を求めて目を血走らせながらペニスに力を込めている最中のショウの尻に、その時何かがツンツンと触れる感触がした。
「……?」
何事かと後ろを振り向くと、もう一人の赤い肌の女皇魔が自らの尻尾を蠢かせショウの尻にぴたりとあてている。
「あはは…。君達のセックス見ていたら、ボクももう我慢できなくなっちゃったよ……!」
全身から淫らな瘴気を漂わせている女皇魔は、そのまま尻尾に力を込めてショウの尻穴に尻尾を挿しこもうとしてきた。
「あ……、そ、そこはぁ……!」
ショウは口だけは女皇魔の行為を拒むような口調をしていたが、内心は期待で達してしまいそうなほどの高揚感に包まれていた。
他の皇魔に執拗に嬲られたことがあるだけに、ショウは皇魔の尻尾で自分の尻穴を掘られるアナルセックスも既に経験済みだった。
あの、普段は体内のものを出す器官でしかないものが、人間の手にかかればそれだけで高性能な淫具と化す。
「ククク!ショウ君はこっちの孔も大好きなんだもんね!安心しな!ボクがショウ君のいやらしい心をきちんと満たしてあげるよ!」
そう言いながら、背中に大きな翼を持つ女皇魔は自らの尻尾をショウの尻穴にずぶり!と突き刺した。

「あおおぉ――っ!!」

体を真ん中から引き裂かれそうな痛みと、それすら消し飛んでしまうような強烈な快感にショウは一声吼えると自分に跨っている女皇魔の中に盛大に射精した。
「あはあぁ!ショウ君のザーメンきたぁ!熱くって、気持ちいい―――っ!!」
つい先ほど出したにも拘らずそれに匹敵するかのような物凄い量の精液を、ショウは女皇魔の子宮へ派手にぶちまけた。
「うあぁ!出る、出るぅ!!とまらない、射精が止まらないです〜〜っ!!」
すでに青い女皇魔の子宮には並々とショウの精液が注ぎ込まれ、早くも決壊寸前になっている。
しかし、精気はマステリオン皇帝陛下が一番求めるものだから一滴たりとも無駄には出来ない。
女皇魔は吸精の力を限界一杯にまで高め、ショウの精液を貪欲に飲み干していった。
「あ、あははぁ……。でちゃった。いっぱい、でちゃいましたよぉ…」
どうにか射精が一段落し一息ついたショウだが、背後で尻に突き刺された尻尾が突然むくむくと大きくなり始めた。
「うふふ…、ショウ君は射精できて満足だと思っているみたいだけれど、ボクはまだ全然終わってないんだよぉ!」
女皇魔の尻尾が大腸をまるで逆流してくるかのように奥へ、奥へと進んでいる。
その太さ、冷たさはショウの性感を大いに刺激し、今しがた射精したばかりのペニスに萎える暇を与えることはなかった。
「いひぃ!また、またせーえきたまるぅ!せーえきでちゃうぅ!!」
その人知を越えた気持ちよさにショウの体内の精液は瞬く間に睾丸を見たし、輸精管を通って青肌の女皇魔のもとに叩きつけられた。
「キャハッ!今出したばかりだってのに、もう射精するわけぇ!!」
困ったことになったものだと女皇魔は軽く微笑むが、内心では全然困ってないのは見て取れる。
一方ショウに突き刺した赤肌の女皇魔も、ショウが精液として噴出すはずだった精気をその尻尾で目ざとく吸収していた。
「あ、あはぁぁ!!これだよこれ!
やっぱ直接精気を吸うのってとっても気持ちいいよぉ!気持ちよすぎて、気持ちよすぎてもう………っ!」
ブルブルッと震える女皇魔の尻尾の根元が黒い光でボゥッと輝く。女皇魔もショウと同じく猛烈な放出欲に体を支配され、この黒い光をショウの体内に全て注ぎ込みたいと心が訴えかけてきている。
この美少年の全てを汚したい。無垢な心を真っ黒に染めて清廉な心を邪な欲望で爛れさせ、自分に従う少年皇魔を生み出したい。
この秀麗な顔立ちが欲望に濡れ、自分の意のままに従う奴隷になる。
そう考えただけでも膨れ上がった黒い光がショウの体内で暴発してしまいかねないぐらいだ。
そして、そのことを拒む心などというものは皇魔には存在しない。
「あはぁ!ショウ君、出すよ!出すよボク!!ボクも、だ……」
そして、女皇魔の尻尾全体が光り輝き、ショウの中へと注ぎ込まれようとしたその時

「ダメよ、カル!」

ショウに跨っていた女皇魔が素早く立ち上がると、ショウに挿されていた尻尾をグイッと強引に抜き取った。
ショウと皇魔たちの周りが一瞬パッと黒い光で輝き、次の瞬間には何事もなくなっていた。
「な、何をするんだいキキョウ!せっかくの黒い光を……」
青肌の女皇魔・キキョウに一番の愉しみを邪魔され頬を膨らます赤肌の女皇魔・カルマインに、キキョウは怒りを露わにしてカルマインの頭をゴツンと小突いた。
「バカ!皇帝陛下から言われていたでしょ!光の戦士たちを皇魔に堕とすな。人間のままその精気を限界まで搾り取れって!!」
キキョウの指摘にカルマインは「あっ!」と大声を上げ、すまなそうに頭を下げた。
「ご、ごめんなさぁい!気持ちよくって、ついつい忘れちゃってたぁ!」
「まったく…、咄嗟に引き抜いたからよかったようなものの、もしあのまま光を放ってショウ君を皇魔にしちゃったら、あなたの首皇帝陛下に引っこ抜かれているわよ」
カルマインの迂闊さにキキョウは呆れながら、そんなカルマインが可愛いとばかりにきゅっと抱き寄せた。
「だから、もうあんな馬鹿なことしちゃダメよ。ショウ君を犯すのはいいけど、絶対に光を出すのは我慢するのよ」
「うん…うん。わかったよキキョウ……」
「分かればよろしい。じゃあ…」
カルマインが心から反省してしているのを見て取ったキキョウは、カルマインから離れると射精後の余韻に浸っているショウの後ろに回りこんで、縮みかけているペニスに手を這わしてぐにぐにと愛撫し始めた。
「はぅぅ……」
連日の快楽漬けですっかり快感に従順になっているショウの体はキキョウの愛撫にすぐに反応し、弱々しい呻き声とは裏腹にショウのそれはすぐさま硬く勃起してビクビクと脈打っていた。
「ほらキキョウ、挿れちゃっていいのよ…」
「えっ?!いいの?!」
キキョウにショウへ来るよう促されたカルマインは、それまでのしょげ返っていた顔が嘘のように明るく晴れ渡り、肉棒の味を妄想したのか股の間からぽたりと滴が零れ落ちた。
「ちゃんと反省して謝ったご褒美よ。ほら、遠慮せずにいらっしゃいな」
「うん……うん!」
もどかしそうに頭をガクンガクンと振ったカルマインは、ショウの上にぴょんと飛び乗るとすぐに腰をおろしてショウのペニスを咥えこんでしまった。
「うはぁ〜〜〜っ!気持ちいい!尻尾で吸うのも気持ちいいんだけど、やっぱ子宮からじゅるじゅる精気吸い取るのが一番気持ちいいよぉ!!」
ペニスから精気を吸い取ることで生じる下半身の燃えるような熱さにカルマインはたちまち虜になり、ショウをぎゅっと抱きしめながら腰をゆっさゆっさと上下に揺すり始めた。
「ひぁ……!せっくす、きもちぃ……。また……でそうぅ……!」
すでに直接精気を吸われているショウだが、それと射精はまた別問題のようで精巣が止め処なく送られてくる快楽に応えるためにどんどんと精液を生産し続け、すぐさま猛烈な射精感に体を蝕まれていく。
「でる、でるうぅ……!」
暴走する快感に身を委ね、すぐさまカルマインの膣内に射精しようとしたところ、カルマインの尻尾がしゅるしゅると伸びてきてショウのペニスの根元を包み、ギュッと締め付けてきた。
「っ!!ひぎゃああ!」
物凄い力で絞められたペニスは尿道もぴったりと閉じられてしまい、すぐそこまで吹き上がっていた精液もそこでストップしてしまった。
「あぁん、まだだめぇ!!まだボク、全然満足してないんだからぁ!
もっと、もっとボクが気持ちよくなるまで射精なんかさせないよ!まだまだ、まだまだザーメン溜め込んでな!」
尻尾で射精を封じながら、カルマインはさらに激しく腰を揺すってきた。ペニスと膣が擦れあう感触がたまらなく心地よく、ショウの体は欲望の証である精液をどんどんと生産していく。
が、それの出口はカルマインの尻尾でふさがれ、結果行き場を失った精液はショウの精巣と尿道の狭い空間でドクドクと暴れ始めていた。
「あっ!あがっ!!せーえき!せーえきがでないぃ!なんで、なんでぇぇ!!」
体は射精を求め、実際すでに幾度もアクメに達しているものの肝心の精液がペニスから放出されない。
精液ばかりがどんどんと蓄積され、破裂しそうなほどにまでなってきている。
「あはぁっ!ショウ君のオチンチン、出したい出したいって悲鳴上げてるよ!
でもまだ出させてあげない!だってボク、まだ全然満足していないもん!」
顔を快楽と邪悪に彩らせながら、カルマインはゆっさゆっさと腰を動かしてセックスの快楽に浸り、ショウは終わりの見えない快楽に自我が崩壊しかけていた。
「あらあらカルったら、そんなに焦らしちゃったらショウ君壊れちゃうわよ?
ま、皇帝陛下も壊すなとは命令されていないから別に構わないとは思うけれどさ」
そんな二人をキキョウはショウの背後からショウの体のあちこちを弄りながら面白そうに眺めていた。
「あぁ…だしたい、だひたぃ……。せーえき、いっぱいだしたいぃ……!ださせて、ださせてくださぁい…!」
射精を封じられすぎて息も絶え絶えになっているショウは、白目を剥きながら射精を求め涙を流して懇願してきた。
このままだと、本当にショウの自我は崩壊して息をするだけの肉人形になってしまいかねない。
「キャハハッ!ショウ君ったら本当可愛いんだからぁ!光の戦士の敵のボクに、泣いて射精してくださいって頼んでくるんだから!
本当に君は変態だよ!誰でも関係なく、所構わずザーメンぶちまける変態精液ポンプだよ!
ほら認めなよ!自分が女なら誰でも構わず射精しまくる変態精液ポンプだって!
認めたらボクの中に射精してもいいよ!だって君は女の中に射精する機械なんだから!クククっ!」
「っ?!ぼ、僕は、僕はぁ…!」
あまりにも屈辱的な条件。ショウ個人の尊厳を完全に無視したカルマインの取引に、さすがにショウも即答を躊躇った。
だが、体内の精液の貯水量は最早決壊寸前にまで至っている。このままだと輸精管や尿道を吹き破って精液が体内で爆発しかねない。
なによりショウ自身が一刻も早く、しかも女性の膣内での射精を願っている。
女性の体内に射精する快感に比べれば自分自身の尊厳や人権なんかゴミみたいに感じられるほど、射精中毒と化したショウにとって 今すぐに膣内に射精できるというのは魅力的なものだった。
だから、残っていた僅かなプライドは欲望の海にあっさりと埋没し、ショウはと顔を輝かせながらカルマインに言い放った。

「僕は、僕は女の人の胎内に誰彼構わずに射精する淫乱変態精液ポンプです! 今も、お姉さんの胎内に射精したくてたまりません!
もうがまんできません! この肉ホースからお姉さんの中にピュウピュウ真っ白な精液注がせてくださぁいぃ!!」

幼いながらも端麗な顔立ちをした美少年が臆面もなく猥語を連発して縋りつく有様は、カルマインの被虐心をいたく刺激した。
自分の腰をゆさゆさと上げ下げしながら、カルマインは可笑しくてたまらないとばかりに口を歪めて大笑いした。
「クハハッ!そうだよショウ君!君は延々とボクたちに犯されてザーメン噴きださせる精液ポンプなんだ!
皇魔でもない、人間でもない!下等な人間よりさらに劣る射精マシーンなんだよ!!
いいよ!自分が人間以下だと認めたご褒美だ!ボクの中に、たっぷりと射精しやがれ!!」
カルマインは射精を抑えていた尻尾を緩め、ショウの尿道の封印を解いた。
その瞬間、出口を見つけた溜まりに溜まった精液が一気に動き出し、輸精管を物凄い勢いで駆け抜けていく。
「う、う!うわぁ――――っ!!」
とても我慢をすることなど出来ない頭が真っ白になるほどの射精衝動がショウの心身を満たし、一声吼えると共に鈴口から夥しい量の精液がカルマインの蜜壷に噴き出してきた。
「あはっ!あつぅぅい!ザーメンがびゅくびゅく出てくるよぉ―――っ!!」
「うぁっ!ああぁぅ!!しゃせぇ、しゃせぇ気持ちいいぃ!きもひいぃぃ―――っ!」
カルマインは自分の下腹部が膨れ上がるほどの精液の奔流に歓喜の悲鳴を上げ、ショウは極限まで溜め込まれた精液の強烈な放出感に壊れた悲鳴をあげていた。
ショウの射精は小柄なカルマインの膣では到底受け止めきれないほどの夥しいもので、お腹は青黒い血管の筋が浮き出てくるくらい
パンパンに膨らみ、それでも収まりきらない精液がカルマインの膣口からどぷどぷと吹きこぼれ青臭い臭気をいっぱいに放っていた。
「あ、あはっ。すごいよぉ……。しゃせぇさいこぉ…。いつまでも、しゃせぇしたいぃ……」
一体この華奢な体のどこにこれだけ溜まっていたのかというほどの精液を吐き出し尽くし、ショウは白目を剥いて半分失神しかけながら魂が壊れるような開放感に浸っていた。
それでもカルマインと繋がっているペニスは全く硬さを失っておらず、青筋を幾重に走らせてカルマインの膣いっぱいに膨れ上がっていた。
「あ、あひゃあぁぁ……。すっごいザーメン…。お腹が破裂しちゃいそうだよぉ……」
まるで妊婦のようにぽっこりと膨らんだお腹を満足そうになで擦り、カルマインはうっとりとした笑みを浮かべた。
「もう……、カルったら容赦なすぎよ。せっかくのショウ君の精気がこんなにこぼれちゃっているじゃないの……」
キキョウがカルマインとショウの間に吹きこぼれた精液を勿体なさそうに手ですくい舐めしゃぶっている。限界まで溜めこまれた精液にはショウの精気がたっぷりと詰まっており、ひと舐めするごとにキキョウの全身に瑞々しい精気が漲ってくる。
「カル、あなたも舐めなさい。皇帝陛下に御献上する精気は僅かなりとも無駄には出来ないのよ。
皇帝陛下は御復活のため、少しでも多くの精気をご所望なのだから」
「…うん、ゴメン。ボクも正直調子に乗りすぎたよ。ああ、勿体無い……」
自分の暴走にちょっとだけ反省したカルマインが手を伸ばしてショウの精液を掬い取ろうとしたその時
横からにゅっと伸びた細かい毛がいっぱいついた手がショウの精液を拭っていった。
「……ふふ、いい味出しているじゃないの」
手についた精液をペロリと舐めて満足そうに笑ったのは、ショウの姉の蝙蝠皇魔、カレンだった。
「カレン様!!」
突然のカレンの登場に、同じ飛天地域の出身で先輩後輩の間柄のカルマインはショウと繋がったまま頭を下げ、すぐに粗忽な自分に気がついた。
「あ、も、申し訳ありません…!」
先輩の前でセックスの真っ最中。しかも相手は先輩の弟という状況にカルマインは狼狽し、慌ててショウから自分を引き抜こうと腰を上げた。が、
「ああ、構わないわよカルマイン。遠慮せずにもっともっとショウの精気を抜き取りなさい」
カレンは別に構いはしないとカルマインの肩を掴んでズン!と腰を下ろさせた。
「ひゃうっ!で、でも……」
それでもまだカレンに遠慮を見せるカルマインに、カレンは長い舌でカルマインの顔をベロリと舐めた。
「構わないって言っているのよ。私たち陛下の下僕の皇魔が自分のやりたいことをやるのは全く自然なことよ。
あなたはショウを犯したいし、私はショウを犯されてもいいと思っているの。全く問題ないじゃない?」
「は、はぁい……」
カレンはカルマインに優しく諭すように言い、さらにまるでカルマインの性感をさらに呼び起こすかのようにカルマインの体を弄び始めている。
カルマインの頬から首筋にかけて唾液交じりの舌を這わし、鋭く伸びた牙を所々にチクチクと突き刺している。
手はカルマインの控えめの胸に伸びてむにむにと揉みしだき、硬く伸びた乳首の先に尖った爪先を出し入れしている。
「あ、あはぁ……」
それだけでカルマインの顔は喜色に染まり、大量の射精を受け止めて収まっていた淫気がまたぞろぶり返してくる。
「ほら、もうひとがんばりしなさい。陛下の為に、ショウの精気をどんどんと搾り取るのよ。そして……」
そのままカレンは、廃人になりかけているショウのほうへと振り返った。
「ショウも、カルマインの体にたっぷりと精液を出すのよ。あなたの精気が皇帝陛下のお力に変わるんだから。
頑張ってね、ショウ」
それは一見弟を労るような口調だったが、カレンはショウをマステリオンの完全復活のための生贄としてしか見てはおらず、あくまでも『皇帝陛下のために』頑張れといっているに過ぎない。
だから、口調こそ穏やかなもののカレンのショウを見る目には何の感情も抱かれてはいなかった。
だが、ショウの爛れきった心にはそんな姉の声も激励に感じてしまうのか
「う、うん……。ねえさぁん、僕、がんばりますよぉ……
がんばって、もっともっとせーえきだしますよぉ……。だって、とぉってもきもちいいんですからぁ、せーえきだすのって……」
皇魔の姿の姉にショウは呆けた笑みを浮かべると、その期待に応えるためかかくん、かくんと腰を揺すり始めた。
「ふふっ、いい子ねショウは。皇帝陛下のためにもっともっと精気を捧げるのよ。ククク!
さて、私は退散しましょうか。そこで私をおっかない目で見ているお姉さんもいることだし」
さっきからカルマインにちょっかいをかけていることで自分のことを凄まじい敵意のある目線で睨んでいるキキョウを茶化すと、カレンは周りの夜宴の中に消えていった。
「ふん……。忌々しい。私のカルに手を出すなんて……」
いっそ飛び掛ってその胸板を手で貫いてやろうかとキキョウは考えたが、そんな不毛なことに手を出すよりはと自分の尻尾を握り締め、またショウとのセックスを始めたカルマインの背後に回りこむと尻尾の先端をカルマインの尻穴へ押し付けた。
「?!え……?キキョウ?」
「ゴメンねカル……。あんな女に体を汚させちゃって……
お詫びに、私の尻尾でカルを清めてあげるわ!」
カレンへの悪意を破壊的な性欲へと換え、キキョウはカルマインのアナルを強引に尻尾で抉っていった。
「ひぎっ!キ、キキョウ…!」
「こうしてカルを二本挿しにするのは、カルを皇魔に堕とした時以来かしら!
今日は久しぶりに、カルをメチャクチャに犯してあげるわ!!」
普段カルマイン抱く時はカルマインへの愛情をふんだんに込めたセックスを行うキキョウだが、今日はまるで自分の燃えあがった怒りをぶつけるかのように力一杯カルマインのアナルに尻尾を出し入れしていた。
「うぁっ!あっ!!キキョウ……激しすぎぃ……!」
そのあまりの激しさにカルマインは苦痛の呻き声を漏らしたが、それまでショウとのセックスで性感が十分に昂ぶっていたこと、そしてキキョウの尻尾から流れ込むどす黒い瘴気がカルマインの体と心を徐々に蕩かしていった。
「カル!カル!その体にたっぷりと、私の想いを味合わせてあげるわ!!」
「い、いいぃ!キキョウ凄いぃ!キキョウの尻尾とショウ君のおちんちんが中で擦れて……きもちいひぃぃ〜〜〜っ!!」
「出させて、もっと出させてください!お姉さんの中に、僕の精液を一滴残らずぅぅ!!」
三者三様、其々の欲望の叫びを木霊させる姿は、この広間の夜宴の中でも一層際立ったものだった。
そんな三人を、カレンは適当な少年を犯しながら面白そうに眺めていた。
「うふふ……。単純な子って本当可愛いわぁ……。これでより一層純度の高い精気が搾り取れるというものよね」
自分の掌で踊る三人に、カレンは次はどんな手を使って弄んでやろうかと思いに耽っていた。





「くぅっ……ぐあぁ!」
「もう…、本当に強情よねぇ。他の連中みたいに素直になっちゃえばいいのに」
タイガやショウが快楽の虜になって精気を搾り取られている時、彼らのリーダーであるオウキもまた終わりのない快楽地獄に捕らわれていた。
ただオウキはすでに身も心も堕ちている他の2人と違い、明瞭な意思を保ちながら未だに皇魔の悦楽に懸命に抗っていた。
そのためオウキは床に付けられた鋼鉄製の手枷足枷で四肢を拘束され、体を捩ることすら許されない状態にあった。
そして今、オウキはいきり立ったペニスをシオンの口で丹念に弄ばれ、人知を越えた快楽に心身を苛まれていた。
「どうせもうここから逃げることは出来ないのよ?今のあなたは、こうして……」
シオンの舌の尖った先端がオウキの尿道につるつるっと潜り込んでいき、ペニスを内側からぺろぺろとしゃぶってきた。
「うっ!うわぁぁ!!」
これにはオウキもさすがに耐え切れず、シオンの舌で栓をされているにも拘らず真っ白な精液を勢いよく吹き上げてしまった。
「ほらぁ…、体はこんなに快楽に従順だって言うのに、なにをそんなに待ち望んでいるの?」
降りかかる精液を美味しそうに舐めながら、シオンはオウキに尋ねてきた。
「もうあなたを助けてくれる人間なんていはしないわ。
お仲間の光の戦士たちは私たちの仲間になったり、私たちに精気を注ぎ込む射精奴隷になっているし、外で抵抗している人間なんてもう微々たる物だわ。
あなたを取り巻く状況は絶望的だというのに、それでもなんでこんなに我慢するのよ?」
実際、ここ連日シオンはオウキに付きっ切りでその手練手管を駆使してオウキの精気を搾り取り続けていた。
さすがに光の戦士のリーダーだけあって、オウキの精気はシオンがこれまで採ってきた精気の中では師匠であるライセンの次に満足できる質のものだった。
四肢を縛られ身動きできないオウキのペニスを舌で嬲り口で虐め、手で扱き足で擦り、膣で吸出しアナルで締め付けた。
普通ここまでやれば身も心も快楽に屈し、枷を外したところで逃げる気なんて起こらずに寝る間も惜しんで皇魔の肉体を貪る色狂いになる。
タイガもショウも、このオウキと同じで床に四肢を固定されて三日ほど快楽漬けにした結果、今では皇帝陛下の為に精気を捧げることを全く厭わない竿奴隷に堕ちたのだ。
だがオウキはどんなにシオンがその肉体を駆使しても理性を無くさず、快楽に屈するのを執拗に拒み続けた。
「ぅ……、うるさぃ……!俺は、お前達なんかに屈しは……しない…!」
オウキのシオンを見る目には明確に拒否の意思を宿した光が灯っていた。
その強情さにシオンは呆れながら、じゃあそれならとオウキの上に跨ってきた。
「そう……。だったら、屈するまで勝手にやらせて貰うわよぉ……」
もう何度も挿してきたので慣れたもので、シオンがスッと腰を下ろした先には正確にオウキのそそり立ったペニスがあり、何の抵抗もなくずぷぷとシオンの膣内に潜り込んでいった。
「あぁ……あああ!!」
ペニスを包み込む冷たい粘膜の心地よい感触にオウキは背中を仰け反らせながら大きく哭き声を上げた。
「ふふふっ、さっきからたくさん出しているのに、まだまだ沢山の精気を感じるわ!さすが、光の戦士ね!!」
自分の股を割るオウキの太い肉棒の味を堪能しながら、シオンはゆさゆさと乳房を大きく揺らしつつ腰を動かした。
すでに幾度も交わって互いの肉の感触は隅々まで承知しており、シオンはオウキのペニスをどうしたら一番感じるかということを的確に理解した動きで責め、普通に感じる倍以上の快楽をオウキに与えていた。
並みの男ならそれだけでたちまち射精し、間違いなく廃人になってしまう快楽にオウキの心は物凄い警告音を出しているが、体を全く自由に動かせないオウキにはその快楽を散らす方法がなにもない。
だが、このままシオンの膣内に射精したらそれがそのままマステリオンの力へと変わってしまう。
マステリオンを討伐した自分たちが、よりにもよってマステリオンへ力を供給する立場になってしまうなどオウキの自尊心が許せなかった。
「あぐぅぅ!出すものか、出すものかぁ!!」
既にシオンに喰らいつかれて蕩けそうなほどに熱くなっている自らの腰に力を込め、オウキは射精をしまいと懸命に抗った。
もっとも、こんなことで射精が防げるはずもなく、いつも最後にはシオンの膣内に溜まりに溜まった白いマグマを吐き出すわけになるのだが、せめて一秒でもマステリオンの完全復活を遅らせよう。
そうすればもしかしたら外からの救援が間に合うかもしれないという蜘蛛の糸ほどの細い望みをオウキは願っていた。
そして、そんなオウキの空しい抵抗はシオンに更なる興奮を呼び起こす種となってしまう。
「あははっ!またいい顔で抵抗するわね!本当は射精したくてたまらないくせにやせ我慢なんかしちゃって!!
そういうオウキ君見ていると、お姉さんもっともっと虐めたくなってきちゃうのよぉ!!」
口元を吊り上げて悪意に満ちた笑みを浮かべたシオンは、尻尾を蠢かせると先端を自分と繋がっているオウキのペニスの根元にぶっすりと突き刺した。
「あっ、うがぁぁっ!!」
ちくんと冷たい針が刺したような痛みは強烈な快感となってオウキを襲い、オウキは反射的に腰が飛び上がらせて快感に仰け反った。
が、そんなのはまだ前戯にも満たないものだった。
ペニスに突き刺さった尻尾から凍る直前まで冷やされたというくらいの冷たさを持った液体がドクドクとオウキの海綿体に注がれ浸透していく。
それは凍りつくくらいの冷たさをオウキに感じさせながら、それが染み込みきったところは今度は燃え上がりそうなほどに熱くなってきている。
シオンの胎内のペニスは明らかにふたまわりほど大きくなり、感じる性感も何倍にも膨れ上がっていた。
「あ、あおぉっ!くおおぉおお!!」
先ほどまでとは比べ物にならないくらいの暴力的な快感がオウキのペニスをギンギンに責め立て、猛烈な射精衝動がオウキの心身を蝕んできている。
射精すれば楽になる。この体の中のものを全て吐き出して清々しい開放感に浸りたい。
オウキの体はオウキの心にしきりに全ての解放を訴えてくる。が、その声を聞き届けるということはマステリオンの完全復活がまた少し近づくということを意味してもいる。
「あおぉぉっ!だ、出さない!出してたまるかぁぁ!!」
残った理性を総動員してオウキは射精を後一歩のところで食い止めていた。
すでにペニスはピクピクとしゃくり上がり、海綿体に収まりきらない血液がペニスの周りに浮かび上がって不気味な模様を形作っている。
あと、ほんの少しのきっかけがあったらオウキのペニスは盛大に精をぶちまけるだろう。それを承知しているシオンはペニスに媚粘液を注ぎ込んだ尻尾を離すと、今度はオウキの尻に強引に潜り込ませた。

「出して、だして……っ?!!が、がぁあ〜〜〜〜っ!!」

尻を割って直腸にいっぱいに満たしたシオンの皇魔尻尾は、先ほどの媚粘液の効果もあってか痛みに勝る殺人的な快感をオウキに与えてきた。
それまで我慢に我慢を重ねたペニスは一瞬で限界の壁を突破し、濁流のように体の奥から流れてきた精液が物凄い勢いで噴き出し、シオンの子宮を熱く叩いた。
「あはっ!きたきたぁ〜〜〜〜っ!!きもちいぃ〜〜〜っ!!」
オウキの精気がたっぷりと含まれた精液を体に受け、シオンは歓喜の声を上げると同時にどんどん子宮に流れ込んでくる精液から精気を吸収し始めた。
一方オウキのほうも、それまで我慢に我慢を重ねたものだからようやっと辿り付いた快感の程度は半端ではなく、腰が溶けてなくなるのではないかと疑うくらいの精液をドクドクと射精し続けていた。

「うぉおおおおおおおおっ!!」

自分の意思に全く従わない自分のペニスに翻弄されながらオウキは何とか射精を止めようとしたが、無情にも精液はオウキの体中から全てを吐き出すと言わんばかりに射精を続けていた。
その射精が漸く止まったのは、すでにオウキの精根も尽き果てかけている出し初めからなんと20分近く配達した後だった。
「ふぅぅ〜〜っ、気持ちよかったぁ。やっぱり精を吸い取るのは交わるのが一番気持ちいいわ…」
オウキから膨大な量の精気を抜き取り、シオンは接合部から溢れ出した精液を掬って舐めながら陶酔が混じった満足げな笑みを浮かべた。
「ね?私たちの膣内に射精する快楽、とっても気持ちいいものでしょ?
いい加減に何もかも忘れて楽になりなさいな。もし私に屈した証としてあなたの精液でドロドロに汚れた私のアソコに口を付ければ、
私の体を自由に使わせてあげる。あなたの好きな時、好きな場所、好きなシチュエーションで精を吸い取ってあげる。
この手も、口も、おっぱいもおまんこも、全部あなたの好きにしていいのよ。ねえ、素晴らしいとおもわない?」
精も根も出し尽くし、意識が朦朧としているオウキにシオンは悪魔の誘惑を持ちかけてきた。
この1000年の時を生きてきたとは思えない魅力的な四肢を持っている女性を、自分の好きなままにしてもよい。
どんな命令も逆らわずに聞き、出し尽くすまで精液を受け止めてくれる。
こんな提案をされたら普通の人間ならその先に待つのが地獄だったとしても絶対に飛びつく。オウキも強烈な鉄の意志を持っているとはいえ今は精根尽き果て判断力が極端に低下しており、乗る可能性は十二分にある。
「さあ、どうするのオウキ君?」
シオンはオウキの朦朧とした視線の先で自分の胸をはだけ出し、熟れた桃のように柔らかく瑞々しい胸を掌で艶かしくむにむにと揉み上げた。
意志の弱い人間なら、それだけでシオンの言うことに従い陰唇を舐めしゃぶるだろう。
だが、オウキは弱々しいが確かに首を横に振った。
「……断る。俺は絶対にお前たちなんかに屈したりはしない!
たとえ体は思い通りにならなくても、この意思だけは絶対に曲がることはない!」
もし自分が屈してしまったら、この中央都市宮殿を人間の手に奪回するのは完全に不可能になってしまう。
今はどのような屈辱でも甘んじて受け入れ、逆襲の隙が生まれる時を淡々と待たなければならない。
「どんな責めを受けようとも、俺は絶対に屈することはない!
次はどんなことをするんだ。やってみろ!絶対に無駄な結果に終わるだろうけれどな!!」
体を動かせないぶんオウキの滑舌は勢いを増し、それはシオンを言い負かすくらいの勢いがあった。
「……本当、強情ねあなた…」
オウキの頑なな態度に、流石にシオンも苦笑せざるを得なかった。

その、自分がとっくに堕ちていることを認めない意思に。

シオンはもうとうの昔にオウキが皇魔の手に堕ちていると確信していた。
どんなに口では抵抗の意思を示し、どんなに射精しないように徒労を重ねても、結局のところ最後には自分の中に溜め込んだ精を吐き出してくるのだ。
その時にオウキが浮かべる表情は、我慢に我慢を重ね、ようやっと射精に至った至福の笑みだ。もし皇帝陛下に精を捧げることを苦痛に思っているのなら、絶対にそんな顔になりはしない。
それに今、オウキは自分にどんな責めをされても屈しはしない。どんなことをするかやってみろ、と挑発してきた。
精を捧げるのが嫌なら、こんな挑発をするはずがない。
結局のところ、オウキは自分は皇魔に屈していないというポーズを取ることで自分が皇魔の膣内に精を注ぎ込んでもそれは不可抗力ということで逃げを打っているということであり、オウキの本心は皇魔の膣内に思いっきり射精したくてたまらないのだ。
そのことはオウキの肉体と態度の持ちようで明らかなのに、オウキの意思はそのことを頑なに否定する。
だからシオンは、オウキのことを『強情』と罵ったのだ。
「……じゃあ、もっともっと凄いことをしてあげる。あなたが涙を流して『皇魔の射精奴隷にさせてください』って私に懇願するくらいのね」
「……面白い、やれるものならしてみろ。するだけ無駄だろうけれどな…!」
あくまでもシオンに挑戦的な態度を取り続けるオウキ。
だが、その目には無意識だがシオンにどのような責めを与えられるのだろうかという期待の光がギラギラと宿っている。
それに気づいたシオンはニッと微笑みながら、自らの尻尾に唾液がたっぷりと含んだ舌を這わした。
「ふふふ…、そうこなくっちゃ。壊れないように、気をしっかり持っていてよねぇ……!」
オウキに覆い被さるシオン、シオンの下で快楽の悲鳴を上げるオウキ。
既に敗者が決まっているのに片方はそれに気づかず、片方はあえて口に出さない。
双方の自己満足のためだけに行われる淫宴は、いつ果てることもなく続いていた。





光の戦士たちが自分達の使命もなにもかも忘れて淫蕩に浸る中、マステリオンと融合したリュウガは玉座に座りながら光の触手を伸ばし、女皇魔や人間の女をあたり構わず食い散らかしていた。
その姿はまだリュウガの面影を残してはあるものの、体には黄金色の禍々しい鎧を纏い腰からは龍を思わせる尻尾が伸びており、さながらミニ・マステリオンといった風な風貌に変化していた。
リュウガの光の触手に体中の精気を奪われ尽くした者で、女皇魔たちはまた新たな獲物を求めてふらふらと淫宴の中に姿を消し、人間の女達はマステリオンの光の触手が体内に潜り込んでいって皇魔へと作り変えられ、新たなマステリオンの下僕となっていった。
「うふふふ…、さすがは皇帝陛下。憎っくき光の戦士を抹殺するのではなく、家畜として生かしておくなんて」
リュウガ=マステリオンの傍らに寄りかかるテラスが、尊敬の眼差しでマステリオンを見ている。
テラスは地上支配の功績をリュウガ本人に直接褒められ、自分の傍らにいつも寄り添うことができる許可を戴いていた。
これはテラスにとっては何物にも勝るものであり、感動で泣き崩れながらマステリオンに擦り寄ってきたものだ。
ちなみにテラスも男を犯して精気を吸うことは行っている。マステリオンの力となり、糧となることがテラスにとって最高の幸せなのだから。
「本来なら顔を見るのも嫌になるくらい憎たらしい連中でしょうに…。なにしろ、陛下を一時とはいえ滅ぼした大元凶なのですから」
「確かにあいつらは俺にとっては不倶戴天の仇だ。が、それは過去の話だ。
今はとにかく少しでも多くの精気がほしいんだ。ならば、素晴らしい力を持つ奴等を殺して一時の満足を得るよりも、生かして延々と精気を搾り取るほうがよっぽど俺の役に立つというもんだ」
「オウキたちもきっと悦んでいますよ。陛下に格別の慈悲を持って生かされているだけでなく、毎日毎日人間が与えることの出来る限界をはるかに超えた快感を与えられているのですから…」
実際、眼下のオウキ、タイガ、ショウはそれぞれ苦労も苦悩もなく悦びの中で精を搾り取られ続けている。見方によっては何も考えずに快楽の海にどっぷりと使っている幸せな姿に見えなくもない。
もっとも、それは人間としての幸せではなく、家畜としての幸せであるのだが。
「骨の瑞まで完全に吸い尽くしてしまった後は…、シズクみたいに皇魔獣にして手駒として再利用してやるか。
潜在能力は申し分ないから、きっと強力な皇魔獣になるだろうよ」
「…本当に、お優しい方。
自分が殺されたことすら水に流し、そこまでの慈悲を与えることが出来るなんてとても私には無理です」
マステリオンにとっては少しでも力あるものを自分の下僕として扱いたいだけでそれ以外に他意はないのだが、テラスは勝手にこれをマステリオンの寛大な心だと勝手に解釈し勝手に感動していた。
「あぁ……皇帝陛下ぁ……」
マステリオンへの敬慕心と周りの淫蕩な空気にあてられたか、テラスは光の触手を一本手に掴むと自分のスカートの下にもぞもぞと潜り込ませた。
触手の先端をピトリと当てたテラスの秘部はそれと一目でわかるほど熱く濡れており、光の触手の粘液と混ざり合って甘ったるい淫臭を漂わせてきている。
「陛下ぁ……どうか私にも、お慈悲をくださいませ……。
私の精気を、存分にお吸い出しくださいませ。どうか、どうか……」
「………」
切なげなテラスの願いを聞き届けたのか、テラスが掴んでいる触手がニュルッと蠢いてテラスの膣内に入り込もうとした時
玉座にフラフラと一人の皇魔が上がってきた。

「こ、皇帝、陛下ぁぁ……」

下半身を丸出しにして下腹部から太腿まで精液と愛液でべったりと濡れ、且つそれを手で覆い隠そうともしないでやってきたのは今やすっかりマステリオンの忠実な下僕になったクオンだった。
サイガへの愛情を全てマステリオンへの忠誠心に作り変えられたクオンは、それこそ率先して皇魔の版図の拡大に尽力し、並みの人間より優れている肉体のポテンシャルは人間から精気を吸い出すのに一役買っていた。
九本の尻尾を自在に操って男女問わず複数人から同時に精気を搾りだす手管によってマステリオンへ捧げる精気の量も他の皇魔とは桁が異なり、マステリオンの覚えも非常に高くなっていた。
「クオン……さま…」
そのクオンが腹を搾り取った精液でタプタプと揺らせ、うっとりと上気した顔でマステリオンの前に現れたことにテラスは露骨に嫌な顔をした。
それはクオンの登場でマステリオンの光の触手の挿入が止まったからという訳ではない。
マステリオンへの寵愛を自分並みに強く受けているクオンは、テラスにとって実に鬱陶しい存在だったのだ。
だがクオンはそんなテラスの憎悪の視線に気づいていないのか、気づいていてもあえて無視しているのかテラスには一瞥もくれないでマステリオンの元へと膝まづいた。
「あはぁ……、皇帝陛下ぁ……
またたっぷりと人間どもの精気を搾り取ってまいりました……
また、この私めの体からたっぷりと精気をお吸いだしください……」
クオンが精液に塗れた手を股間に伸ばし、グチュグチュと粘液が絡みつく音を立てながらぽってりと充血した陰唇を指で広げた。
そこからは収まりきらない精液がボタボタと垂れ、床に白い淫らな水溜りを作っている。
「陛下ぁ……速く、はやくぅ……。せっかく吸い取った精気が勿体無いですよぉ……」
「………わかった」
テラス個人の精気よりクオンと複数の人間の精気を吸い取ったほうが効率がいいと判断したのか、マステリオンはテラスの股間に入りかけていた光の触手を抜き取ると、膝立ちをしているクオンの股間を素早く貫いた。
「あはぁ―――っ!凄い!皇帝陛下の触手、やっぱり最高ですぅ――っ!
この熱さ、この太さ、どんな人間も皇魔も敵う者などいはしませぬーっ!」
ずぷぷと光の触手が突き刺さったクオンは涙と涎をボロボロと垂らしながら歓喜に打ち震えていた。
皇魔となってからは結構積極的に他人の体を求めて来てはいたのだが、マステリオンの下僕として目覚めてからは特にその傾向が顕著になっている。
以前は斬って捨てるような小者相手でもまず尻尾を突っ込んで全身の精気を一気に奪い取るようになり、侵略先で気に入った人間を見つけるものなら連れ帰った後数日かけてじっくりじっくり犯して精気を抜き取るようになっていた。
だがやっぱり一番乱れて悶えるのはマステリオンに直接精気を抜き取られる時なのは間違いなく、四六時中クオンはマステリオンに犯されることを妄想しながら凶刃を振るっていた。
そのため、こうして実際にマステリオンに犯される時にはそれまでの妄想を全て叩きつけるかのように派手に悶え狂っていたのだ。
「陛下、もっと、もっと深く!子宮の奥の奥まで抉ってくださいぃ!クオンの体中の精気を残らず吸い出してくださいぃ!!」
クオンは自らの尻尾を全身に絡ませ、乳首を、臍を、耳孔を先端でぐりぐりと弄りながら押し広げ、際限なく湧き上がる肉欲を押し潰していた。
「………うぅ…」
そんなクオンをテラスは憎々しげに睨みつけていた。
あそこでクオンがしゃしゃり出てこなければ、今光の触手に弄ばれて悶え狂っているのは自分だったはずなのだ。
それを横から掻っ攫って快楽に耽るクオンはテラスにとっては正に泥棒といってもいい存在だった。
「ずるい…、クオン様はずるい!!」
自分のことを全く省みずに喘いでいるクオンを見て堪忍袋の緒が切れたか、テラスはクオンに飛び掛るとそのアナルに自らの尻尾を突き刺した。
「あぅん!!」
自分もマステリオンもあえて責めてこなかった尻穴に入ってきた太い異物に、クオンは一際歓喜の悲鳴を上げた。
だが、別にクオンを悦ばせようとして挿入したわけではないテラスは尻尾を深く穿たせながらクオンの体から精気を抜き始めた。
「私だって、私だってもっともっと皇帝陛下に犯されたい!
この体にたっぷりと精気を溜め込みたい!
なのにクオン様だけ、クオン様だけそんなに精気を吸い取って陛下に沢山犯してもらえるなんてずるすぎる!
だからクオン様の吸い取った精気頂戴!
そしてその精気を、私がマステリオン様に捧げるのよ!!」
「う、うひぃぃっ!!精気が、精気がお尻からもぉぉ!!気持ちいいぃ〜〜〜っ!!」
マステリオンが精気を抜き取るのと変わらないくらいの勢いでテラスはクオンの尻から精気を抜き取り、急激に精気を抜き取られる倦怠感とそれに倍する快感にクオンは半狂乱になってよがり狂い、遂には白目を向いて失神してしまった。
「あっ、あひっ…。はひぃぃ……」
弱々しい喘ぎ声を漏らしているクオンからテラスはさっさと尻尾を引き抜くとマステリオンのほうへと向き直り、スカートをたくし上げて蜜が糸を引いてこぼれている自らの股間を見せ付けた。
「陛下……、御願いです。私めに陛下のお慈悲をください…!
他の誰でもない。この『私』にくださいませ…!」
その姿は一見すれば非常にいやらしい姿に見えなくもないが、マステリオンに注がれるテラスの眼差しには艶かしさよりも必死さが前面に出ており、どちらかというと怖いと言ったほうが近い。
が、マステリオンはそんな事は気にもせずに、クオンに刺さっていた触手を引き抜くと、そのままテラスの秘部へと突き刺した。
「あぐぅっ!!」
待ちに待った触手の一撃に、テラスはくぐもりながらも歓喜の声を放った。
「あ、あはぁぁっ!これ!これがいいのです!陛下の寵愛、これに勝る幸せはありません!!
心地よくて、心地よくて天に昇ってしまいそうですぅ!!」
さっきまでの怒り顔はどこへやら、マステリオンの触手に犯されているというだけでテラスの心は幸せでいっぱいに満たされ、半分白目を剥いた顔は今にも逝きそうな笑みを浮かべていた。
「ふふ…、お前は本当に我侭で、自分本位なんだな…」
自分が精を吸い上げていたクオンを排除してまで自分の触手を求めてきたテラスに、マステリオンは好意のある笑顔を向けていた。
自分の食事を邪魔してきた、それは確かにそうなのだがまず自分が第一だという自分たちの考え方からすればテラスの行為は間違ってはいない。
もし自分に遠慮してクオンに手を出していなかったら、逆に自分はテラスに大きく失望していただろう。
ここでクオンを躊躇いなく排除できたテラスの手並みは、この短期間で地上をほぼ皇魔族のものへと変えたのが偶然ではないということを証明している。
そういう意味ではテラスは人間の時から決してお飾りの皇帝ではなく、頭脳も統率力も皇帝足るにふさわしいものだったのだ。
ただ、地上の人間にとっての不幸はその力が人間の時にではなくテラスが皇魔になったときに初めて存分に発揮されたことだろう。
もし、人間のときに自らの力をテラスが知っていたら、間違いなく地上を皇魔族のものにすることは出来なかった。
マステリオンを復活させるために、まずテラスに目をつけたボーンマスターは実に慧眼だったといえる。
「ボーンマスターも、いいものを残しておいてくれたものだ」
自分を復活させるために1000年もの間尽力し散っていった腹心に、マステリオンはほんの少しだけ褒め称えた。
ボーンマスターの手並みが的確であったことで自分は復活し、以前挫折した地上制服が後一歩のところまで来ている。
「テラスよ、一刻も早く地上の全てを俺たち皇魔族のものへとするんだ。
そして、力あるものを狩り集め俺への供物へとするんだ。そうすることで俺は力を取り戻し、有力な下僕も増やすことが出来る。そうすれば…」
「し、承知いたしております……、皇帝陛下ぁ……」
マステリオンに命令され、テラスは喜色に満ちた顔をさらに輝かせて頷いた。
自分が皇帝陛下に期待され、役に立つことが出来る。
そう考えるだけで触手に貫かれている体が熱く疼き、全身に悦びが満ち溢れてくる。
その期待に応えなければと、心が否応なしに昂ぶってくる。
「もっと、もっと沢山の供物を陛下にお捧げ致します。数多くの皇魔を生み出し、地上を席巻させてみせます。
そして、この地上を皇帝陛下のご威光で満たし……」
と、そこまでテラスが言ったところでマステリオンが口を挟んできた。
「おいおい、何を言っているんだ。
地上の席巻?俺はそんなことのために力を取り戻し、下僕を増やそうとしているわけじゃない」
「え……?」
地上の支配が目的ではない、とマステリオンが言い放ったことにテラスは軽い疑問を覚えた。
自分は皇帝陛下を迎えるためにこの地上を皇魔の世界へと変えてきた。
皇帝陛下がリュウガの体を乗っ取って降臨した時は、喜びと同時に一刻も早く陛下に元のお力を取り戻させねばと数多くの供物を捧げてきたつもりだ。
それもこれも、陛下がこの地上を統べるのに相応しい姿に戻すためだ。
なのに、なんであんな言い方をするのか…
その疑問に答えたマステリオンの返答は、テラスの想像の大きく上を行くものだった。
「俺が力を取り戻す目的は、魔界を再びこの手にするためだ。
以前とは逆に、まずは地上を俺の支配下に置き、その後で魔界に攻め込んで全魔界を支配下においてやるんだ!」
確かに以前は全魔界を支配していたマステリオンが、魔界をそのままにしておくはずがない。
何しろ今の魔界は先の大戦でマステリオンを見捨てて敗北の原因を作った魔界三巨頭が統治しており、マステリオン派の皇魔は肩身の狭い思いをしている。
それだけでもマステリオンにとって、魔界は蹂躙する対象だろう。
だが、それより何よりマステリオンにとって自分の支配が及ばない場所があるというのは容認しがたいものだった。
果て無き支配欲に満たされているマステリオンは、自分の息が及ばない場所、生命があるというだけでそれを手に入れたくなってしまう。
そんなマステリオンにとって、ほぼ支配されつつある地上より全く支配の及んでいない魔界のほうに興味のベクトルが移るのは当然といえば当然のことだった。
「地上も、魔界も、全て手に入れる。そのためにも、今までよりさらに多くの力が必要なんだ。
テラス、魔界侵攻の際にはまたお前の知略が必要になる。短期間で地上のほぼ全てを制圧した手腕、役立てて貰うぞ」
「は……はい!」
マステリオンの自分への期待の大きさに、テラスは今にも泣き崩れそうなほどの感動を受けていた。
そこまで自分に信頼を置かれているとは夢にも思わなかった。
自分はあくまで皇帝陛下の下僕の一人であり、他の下僕よりほんの少し上に立っている程度のものだと思っていた。
だが、皇帝陛下は自分を必要な存在だと言ってくれた。この頭脳が必要だといってくれた。
確かにここにいる皇魔たちは力は強いが頭はいまいちな連中だらけだ。
自分が一番皇帝陛下の意を汲んで、皇帝陛下の望む世界を作り上げることができるのだ!
「う、うふ、うふふふふ……」
ここにいる数多くの皇魔の中で、自分が皇帝陛下の一番の側近なのだ。そう考えるだけでニヤケ笑いが止まらなくなる。
「お任せください皇帝陛下……。このテラス、必ずや魔界も皇帝陛下の御前に献上して見せます…!
ここにいる、陛下の下僕達を導いて!」
テラスはマステリオンに深々と頭をたれると、触手に繋がれたまま玉座の下の魔宴のほうへを向き直って口を開いた。

「我ら皇帝陛下の下僕達よ!
皇帝陛下は地上のみならず、魔界も御所望されておられる!
下僕達よ、地上を蹂躙せよ!人間を襲い、力なき者は食らい尽くし、力あるものは皇帝陛下に捧げよ!!
この地上全てを我ら皇魔族のものとし、その後に魔界へと攻め入るのだ!
地上も魔界も、全てを統べるに相応しいマステリオン皇帝陛下の名のもとに!!」

テラスの号令に下の皇魔たちが歓声を上げて答えてくる。その声の大きさは広間一体を揺るがし、まるで地響きでも起きているようだった。
「そうだ…。もっともっと力あるものを連れてくるんだ。この俺の為にな……」
実に自分の思いのままに動いてくれる単純な『手駒』に、マステリオンはとても腹心の部下に向けるものではない冷たい笑みを浮かべていた。
所詮、マステリオンにとってはテラスは自分の意のままに動く駒のひとつに過ぎない。
しかし、そんなマステリオンの本心など知る由もないテラスは顔を紅潮させて眼下の下僕を見下ろしていた。
「頑張るのよお前達…、皇帝陛下とこの私の為に…!
お前達を使って、私は皇帝陛下のさらなる御寵愛を授かるのよ!アハハハハ!!」
数多くの皇魔を意のままに操っているつもりで、実は自分自身がマステリオンの意のままに操られている。
結局人間の時からずっと『操り人形』のままだという自分に気づくことなく、テラスは自らのバラ色の未来を夢想して広間中に響く高笑いを上げ続けていた。


神魔万象・終





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