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ユースホステル、今月末に閉鎖 美幌

(03/14 16:57)

3月末で閉鎖される美幌ユースホステル

3月末で閉鎖される美幌ユースホステル

 【美幌】町が所有し民間に運営委託している美幌ユースホステル(美幌YH、元町31)が、経営難のため、3月末で閉鎖される。道内を旅行する人の気軽な宿として、また運動部合宿の拠点としても親しまれたが、宿泊者減少に歯止めがかからず、48年の歴史を閉じる。

 美幌YHは1965年10月、町の誘致を受け日本ユースホステル協会が設立。14室に81人が宿泊できる。

 設立当初は「カニ族」と呼ばれる徒歩の旅行者らを中心に年間約5千人、ピーク時の70年代前半には約1万人が宿泊した。2004年、同協会は建物を町に無償譲渡。以来、辻勝郎さん(56)一家が管理人として住み込み、実質的な経営や運営を担ってきた。

 野球場や陸上競技場などを備えた柏ケ丘公園に近いため、合宿地としての利用をPR。女満別高野球部や茨城の常総学院高ラグビー部など、道内外の小中高生が泊まった。春と秋には地域の子供たちが、サイクリングなどを楽しむ宿泊イベントも企画した。

 だが最寄りのJR美幌駅から徒歩30分という交通の便の悪さに加え、他の旅行者との相部屋というスタイルが時代の流れにそぐわなくなった。

 建物も老朽化。電気代などの固定費や修繕費で年間100万円近い維持費がかかる一方、12年度(4〜9月。10月以降は冬季休業)の利用者は239人にとどまり、運営が困難になっていた。

 辻さんは「自分でペンキで塗った壁を見ると愛着がわく。本当に残念」と苦渋の表情を浮かべる。土谷耕治町長は、開催中の定例町議会での町政執行方針で「新たな用途について検討する」としているが、具体案は示されていない。(大口弘明)

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