
【第21回】健(あおい輝彦)は、明日の第1志望の大学の合格発表を控え、今日期限の第2志望の大学の入学金を納付するか思案に明け暮れ、結局明日に希望を繋ぐことにします。友達として昼休みに楽しげに会う雄一(竹脇無我)と敬子(栗原小巻)の姿が春を感じさせます。健は第1志望の大学に合格し、喜び合う柴田家です。しかし、父耕作(三島雅夫)は定年を間近にして、雄一の海外留学と健の大学合格の喜びの中にも、地獄に落ちるような孤独を感じずにはいられませんでした。
【第22回】春が近づく日曜日に雄一と敬子は湘南から伊豆へドライブに出掛けます。雄一は、敬子のマンションで待ち合わせの時に沢野敬(中谷一郎)と会い、海外留学の2年間を軽く考えるなと牽制されます。ドライブでの二人は沢野の言葉を気にして黙りがちでしたが、次第に二人の世界に入っていきます。石廊崎まで行った二人は夜遅くに帰りますが、雨の中で別れを惜しみつつ、感情を抑えきれずに車の中で抱擁します。
【第23回】健(あおい輝彦)は大学合格のお祝いにステレオを買ってもらい有頂天になり、友達を呼んで鑑賞会を開きます。父の耕作(三島雅夫)は、吉本(江幡高志)から定年後に百万円の出資金で重役の席を用意すると会社があると話を持ちかけられます。一方、雄一と敬子は、雄一の海外出発までの残り少ない日々を出来るだけ一緒にいようと「横浜ドリームランド」に出掛けスケートに遊びに興じますが、二人は別れのことも二年後のことも暗黙の内に避けているようでした。しかし、敬子が二年間待つとの言葉に雄一は恋愛の臆病になっていた自分を発見します。 |
【第24回】稲葉キク(賀原夏子)は、元夫の須藤兼一(森幹太)から復縁を迫る手紙をアラスカから貰い、それに動揺する自分に嫌気がさします。敬子から雄一と婚約をしたと聞いたキクは、柴田耕作の会社に抗議に行きますが、耕作の定年の日に当たり気が挫けます。キクは、敬子に渋々雄一とのことを承諾し、自分から離れていく敬子と明子を考えながら自分の孤独に耐えます。また、耕作(三島雅夫)も定年を迎えて、雄一と健が巣立っていくことの嬉しさと孤独が襲ってきます。
【第25回】明子(沢田雅美)は父兼一に手紙を出し、それを見た兼一は飛行機で日本に飛んで来ます。明子と会い、母キクの父に対する複雑な心境を話します。沢野敬(中谷一郎)は敬子と会い、雄一とのことを質し、きれいに別れようとしますが、未練がましくなる自分に嫌気がさします。父耕作は、吉本から再就職の断りの置手紙を貰いますが、それがハル(菅井きん)が興信所で調べて、吉本の陰謀を白状させた結果だと知り、耕作はハルに感謝します。その頃、雄一は敬子と残りの時間を有意義に過ごし、兼一は明子と敬子とともにキクの帰宅を夜景を見ながら待ちます。
【第26回(最終回)】アラスカから来た須藤兼一はキクと再会します。稲葉キクは孤独感から意固地になるのをやめ再びいっしょに暮らすことにします。柴田耕作は、生命保険会社の集金の再就職が決まり、ハルとも仲直りをします。稲葉家の4人家族とハルを加えた柴田家の4人家族が中華料理で会食します。そして、1人と1人が結びついて2人になる歓びを噛み締めながら春の訪れた街路樹の中を雄一と敬子は、残り少ない時間を過ごします。二人の未来は限りなく開けいていくように感じる季節です。 |

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