大相撲の八百長問題をめぐる地位確認訴訟で解雇無効の判決を受け、名古屋場所(7月7日初日・愛知県体育館)から西前頭15枚目に復帰する幕内の蒼国来(29)=荒汐=が4日、東京都中央区の荒汐部屋で2年ぶりに稽古をした。
若い力士を相手にぶつかり稽古と四股など軽い運動で汗を流した蒼国来は「まわしの重さをかなり感じました」と喜びを表現した。
稽古開始は午前6時半。蒼国来はそれより1時間半も早い5時に目覚めた。「早くまわしを締めたい気持ちがあったので、うれしかったです」。2年ぶりの土俵に足を踏み入れ、しばし感激に浸った。「幕内」と書かれた稽古場の木札を師匠の荒汐親方(元小結大豊)から手渡されると、これまでの「師範代」と自らの手で付け替え、あらためて部屋の一員となったことを実感した。
稽古では序ノ口、序二段の力士に胸を出し、幕下の福轟力に胸を借りてぶつかり稽古。「もっとぶつかれないかと思ったら、いい感じにぶつかれた」と手応えを得たが、師匠は「ぜい肉を落として筋肉を付けなきゃ」と指摘した。体重は2年前と同じ135キロだが、腹回りは少しぽっちゃり。これからという感じだ。
公式行事への復帰は27日の横審稽古総見を予定していたが、その前日の26日に開かれる力士会で関取衆に「あいさつしたいと思っている」と明かした。力士会会長の白鵬も「関取として迎えてあげたい。力士会でもそのときそのとき考えていく」とサポートを約束。さらに「たくさんの涙を流したと思うし、よく我慢して貫いた。頭が下がる思い。ほめてあげたいです。でも、これで終わりじゃない。これから始まりだということを自ら証明してほしい」とエールを送った。 (岸本隆)