試合前、久慈照嘉コーチと話す阪神・西岡=京セラドーム(撮影・中川春佳)【拡大】
中日投手陣を打ち崩せず、手をこまねく一塁ベンチ。そして、なにより虎党はやきもちしながら観戦していた。昨夜のヒーローはいったいどこにいるんだ…。なぜ出てこないんだ…。2日のサヨナラ勝利の立役者・西岡は、腰の張りを訴え、試合途中に球場を去っていた。新リードオフマンを欠く打線は、5安打3得点で敗戦。背番号「7」の存在の大きさが、改めて浮き彫りになった。
試合後、和田監督は欠場理由について「腰の張りで大事をとってというところ」と説明した。試合前練習に顔は出したが、守備練習などを消化しただけ。フリー打撃には参加せず、シートノックにも加わらなかった。ベンチ入りメンバーには名を連ねたが、プレーすることはなかった。
盛り上げ役&切り込み隊長が不在の猛虎打線は不発。1-5とされた八回に、一死一、三塁から福留が中越えの2点二塁打で一矢報いるが、反撃もここまで。水谷チーフ打撃コーチは打線の組み替えについて「そら、早いやろ。まだ始まったばかりやないか。やっぱりよーいドンでスタートしたら打たんのもおる」と否定しながらも「西岡がおらんとあかんな」と嘆いた。2日には自身2度目の劇打を放つなど、無類の勝負強さを持つ元メジャーリーガー。いまや、虎にとって唯一無二の存在だ。4日以降に関して、黒田ヘッドコーチは「大丈夫やと思う。本人もそういうつもりやと思うけど」と出場できる見通しを明かした。恐怖の1番打者という火付け役がいなければ、打線は爆発しない。(西垣戸 理大)
(紙面から)