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青森・六ケ所再処理工場 規制委、10月完工認めず
原子力規制委員会が、10月に予定されていた日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の完工と、リサイクル燃料貯蔵(RFS)の中間貯蔵施設(むつ市)の事業開始を認めない方針であることが3日、明らかになった。核燃料サイクル施設を対象とした12月施行の新安全基準を基に、慎重に審査する必要があると判断した。
規制委の田中俊一委員長は3日の記者会見で「10月完工はしない。新基準ができることが前提だ」と明言。両施設の計画延期が必至となり、事業の先行きが見通せない情勢になった。 原子力規制庁は「新基準に適合しない限り、施設を動かさないのが基本」(信濃正範安全規制管理官)との姿勢で、3月27日に両社幹部を呼んで伝達した。 現在、再処理工場は最終段階の試運転中で、中間貯蔵施設は建物が夏にも完成する見込み。 原燃は8月、RFSは10月までに国の使用前検査を受けて完工条件を満たし、その後に新基準の下で操業体制に入りたい意向だった。 原燃の川井吉彦社長は「ガラス固化設備の使用前検査は安全に直接関係する機能ではなく、処理能力に関する性能検査を残すのみ。粛々と受検させてほしい」との談話を出した。RFSの久保誠社長も「これまで通り使用前検査まで完遂させてほしい」とした。 規制委の方針について、宮下順一郎むつ市長は「唐突だ。事業者とのコミュニケーションが取れていない印象がある。しっかりと意思疎通をして進めてほしい」と求めた。古川健治六ケ所村長は「今度こそ完工と期待していたが、見通しが不透明になった。今後が心配だ」と語った。 規制委は15日、両施設の完工、稼働条件となる新安全基準の検討作業を始める。田中委員長は「どんなチェックが必要になるかは未定。審査にかかる期間は現段階では分からない」と話している。
2013年04月04日木曜日
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