「九条の会」アピールを支持する医師・医学者の会を結成
発会記念講演会に医療関係者200人
「九条の会」アピールを支持する医師・医学者の会(略称‥「九条の会・医療者の会」)は、一一月五日、東京大学で発会記念講演会を行いました。医療関係者ら約二〇〇人が参加。東京大学教授で「九条の会」事務局長の小森陽一氏が講演しました。
「九条の会」アピール 賛同者を広げよう
行動提起案、呼びかけ案を拍手で確認
二七人が呼びかけた「九条の会・医療人の会」には、これまでに全国の医師・歯科医師・医学者など一五六人から、賛同が寄せられています。一一月五日の発会記念講演会では、小森陽一教授の講演の後、参加者も「『会』の発足を待っていた」「もろてをあげて賛成」「まわりの人にも広げたい」と発言。「九条の会」アピールの賛同者を広げていくことなどが盛り込まれた「呼びかけ案」「行動提起案」を拍手で確認しました。
講演会では、呼びかけ人を代表して、東京大学の若井晋教授があいさつ。若井教授は「戦争放棄をうたった憲法九条が世界に誇るものであることを私たちは、若い世代に伝えていかなければいけない。私たちは立場が違っても、九条を堅持していく点では一致している。みんなで力を合わせれば、憲法を守るために貢献できる」と、訴えました。
参加者からも、憲法への思いを語る発言があいつぎました。
新葛飾病院の清水陽一院長は、「九条を大事にしたいとずっと思っていました。こんなに良い憲法をなぜ奪ってしまうのか、理解できない。皆さんといっしょに運動に参加したい」と発言しました。
被団協相談所長の肥田舜太郎医師は、「被爆者の代表として世界を回るなかで、憲法を考えさせられた経験がある」と話しました。西ドイツでは「なぜヒトラーに追従したか」、徹底的な反省を老若を問わず行っています。そこで肥田医師は「日本はどう反省し、憲法をどう認識しているのか?」と問われ、「ヒバクシャはアウシュビッツと同じく、最大の人権被害者だ」と初めて認識させられました。「私たちは、憲法一一条にある人権≠フ認識が弱く、それは戦後の反省がいい加減だったことと結びついていると思う」と語り、「改憲を許さないようもっと勉強しよう」と訴えました。
新宿の歯科院長は、自院で「平和のための原爆展」を開いている経験を紹介し、「自分ができることで市民に呼びかけていきましょう」と発言しました。
若者の参加も多く、青年医師の一人は「平和な社会と医療は同じ方向性をもつと思う。平和を守れなくて、患者さんの健康が守れるだろうか」と発言しました。
被爆者訴訟支援をしている女子医学生は、「戦争の本質を知るには、マスメディアに流されず、想像力と真実を追求する力が必要だと思う。仲間に伝えたい」と述べました。
| 呼びかけ人(敬称略・50音順) |
| 秋元 波留夫 |
(金沢大学名誉教授・元都立松沢病院院長) |
| 天野 恵子 |
(千葉県衛生研究所所長) |
| 碓井 静照 |
(医師・日本ペンクラブ会員) |
| 小田 徹也 |
(医師) |
| 笠原 浩 |
(松本歯科大学大学院教授) |
| 鎌田 實 |
(諏訪中央病院保健医療福祉管理者) |
| 川上 武 |
(医師・医事評論家) |
| 岸田 綱太郎 |
(京都府立医科大学名誉教授) |
| 黒川 一郎 |
(札幌医科大学名誉教授) |
| 清水 正嗣 |
(大分医科大学名誉教授) |
| 杉浦 康夫 |
(名古屋大学医学部教授) |
| 丹治 伸夫 |
(IPPNW日本支部副支部長) |
| 土山 秀夫 |
(元長崎大学学長) |
| 朝長 万左男 |
(長崎大学原研内科教授) |
| 中沢 正夫 |
(精神科医師) |
| なだ いなだ |
(医師・作家・老人党提案者) |
| 橋本 葉子 |
(東京女子医科大学名誉教授) |
| 早川 一光 |
(総合人間研究所) |
| 肥田 舜太郎 |
(日本被団協原爆被害者中央相談所理事長) |
| 堀口 雅子 |
(産婦人科医師) |
| 箕輪 登 |
(医師・元郵政大臣・防衛政務次官) |
| 室生 昇 |
(全国保険医団体連合会会長) |
| 毛利 子来 |
(小児科医師) |
| 森 昌彦 |
(Royal Society of Medicine: 王室医学会会員) |
| 森本 基 |
(日本大学名誉教授・口腔保健) |
| 若井 晋 |
(東京大学医学部教授) |
| 若月 俊一 |
(佐久総合病院名誉総長) |
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